●「被曝労働の実態 改善して」 福島第一原発事故の収束作業で被曝(ひばく)させられたと、東京電力の責任を問い、元請け会社の関電工を告発した作業員(46)=いわき市在住=が、朝日新聞の取材に応じた。作業員は「被曝労働の実態を明らかにして、今後の作業環境を改善してほしい」と訴えた。支援する弁護団は「何次にもわたる下請け構造が無責任体制の根源にある」と批判している。 ●湯気立つ水面「あり得ない」 階段下の地下室をヘッドライトが照らした。うっすら湯気の立つ水面が見えた。「あり得ない」。たまり水は、高濃度の放射性物質で汚染された水だ。家で待つ子どもの顔が脳裏に浮かび、身体が震えた――。 原発事故からまもない昨年3月24日午前のことだった。福島第一原発3号機。原子炉タービン建屋に関電工社員らと6人で入った。地下室の電源盤にケーブルをつなぐ作業にとりかかった。 作業を開始して数分後、線量計の警