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ブックマーク / brevis.exblog.jp (63)

  • 心の残業は、やめよう | タイム・コンサルタントの日誌から

    夜中に目が覚めて、眠れなくなった。目を閉じても、頭がループしたように、考えるのは同じ事柄とシーンばかり。しばらくしてから、ようやく自分で「ああ、また心で残業してしまっている」と気づいた。こんな残業を深夜に自分の寝床でしても、誰も手当を払ってくれる訳でもない。やめよう、やめよう。 「仕事に心をつかってはいけない」と、昔、あるベテランのプロジェクト・マネージャーから聞いた事がある。でも、聴いて真意をすぐに理解したとはいえない。仕事は複数の人間が協力して進めるものだし、人に気遣いをするのは、ある意味、大事じゃないか。そうも思った。 しかし、この方が言われていたのは、もっと深い話だった。「心をつかう」とは、じつは気遣いとか心遣いの事ではない。心を浪費する、という意味なのだ。あるいは、わたし達の中にある、感情と思考という大切な脳のリソースを無駄につかってはいけない、というアドバイスだ。 仕事の時間が

    心の残業は、やめよう | タイム・コンサルタントの日誌から
    Wacky
    Wacky 2024/07/20
  • 『特殊病』それは日本の病気です | タイム・コンサルタントの日誌から

    自分のプロフィールに「国内外の製造業及びエネルギー産業向けに、工場作り・生産システム構築の仕事に従事してきた」などと書いているためか、「日の製造業は、海外に比べて特殊なのですか?」という趣旨の質問をされることが、時々ある。「なぜ日海外はこうも違うのでしょうか?」といった聞き方の場合もある。 こうした質問は、日海外で同等なはずのものが、なぜか違っていた、との事例とともに、語られることが多い。例えば、同じ企業のグループに属しながら、生産管理系のパッケージソフトを、海外工場ではノンカスタマイズでスムーズに導入できたのに、国内工場では苦労したあげく、失敗したという事例。あるいは、国際標準に従ったサプライチェーンの仕組みが、日国内だけどうしても使えなかった事例。 さらに、国内では立派なプロジェクトマネジメントの実績を持つ会社が、海外に出て行って遂行したら、赤字や納期遅延で痛手を被ったケー

    『特殊病』それは日本の病気です | タイム・コンサルタントの日誌から
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    Wacky 2023/08/14
  • なぜなぜ分析は、危険だ | タイム・コンサルタントの日誌から

    「なぜなぜ分析」は、品質管理や労働安全管理などの分野で、よく用いられる手法だ。発生した問題事象の根原因を探るために、「なぜ?」「なぜ?」とくりかえして掘り下げていく。この問いかけを“5回はくりかえせ”と、よく指導しているため、別名「なぜなぜ5回」とも呼ばれる。元々、トヨタが発祥の地であり、トヨタ生産方式の普及とともに、他の業界や分野でも使われるようになった。 図は、トヨタ生産方式の生みの親である大野耐一氏の著書から一例をとって、図示したものだ。工場内のある生産機械が故障してとまったとき、「なぜ機械は止まったか?」の問いに、「オーバーロードがかかって、ヒューズが切れたからだ」と答えただけでは、じゃあヒューズを交換して再起動すればいい、という答えしか出てこない。 しかし、なぜオーバーロードがかかったのか?→ (2)軸受部の潤滑が十分でないからだ、とほりさげ、 さらに (3)潤滑ポンプが十分組

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    Wacky 2023/07/28
  • パンのみに生きるにあらず | タイム・コンサルタントの日誌から

    1996年の夏。私は中東で、ある会社の役員会議室に座っていた。私の隣にはCAP Gemini Americaの上級コンサルタント。そして目の前には米国人とアラブ人の役員たちが、豪華な会議テーブルを囲むように並んでいる。 会議の議題は、「この会社のKPI=Key Performance Indicesとは何か」だった。会議は隣にいる米国人コンサルタントがリードしていく。私と彼は、この会社にERPパッケージSAP R/3を導入するプロジェクトを請け負っており、要求分析をやっていた。すでに日常業務の分析はすんで、今や、役員から見たソフトの必要機能を定義する段階に来ていた。 SAP R/3は財務諸表をリアルタイムに見せることができる能力が売りだ。しかし経営の舵取りには、財務諸表の数字だけでは不十分なことは明らかである。では、いったいどの数字に着目し、どの尺度を用いて、会社の方向や速度を計りたいのか

    パンのみに生きるにあらず | タイム・コンサルタントの日誌から
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    Wacky 2023/07/28
  • 希望の配当——ロボットとAIは人間を創造的にするか | タイム・コンサルタントの日誌から

    生まれて初めて中東の国を訪問したのは90年代半ばのことだった。かつて「パンのみに生きるにあらず」 という記事にも書いたが、季節はまだ確か5月か6月、当の真夏になる前だった。でも、好奇心から持っていった温度計で、ホテルの裏の路地を測ってみて、気温34度と言う数字にぶったまげた。 「なんて暑いんだ。」日では信じられないほどの暑さだ。・・実際、その頃、関東では真夏になっても、気温が33度を超えることなど、めったになかったのだ。 暑いだけではない。ペルシャ湾(アラビア湾)に面したその国では、大気中の湿度が非常に高いのだった。これは現地に行ってみるまでわからない、意外な事実だった。砂漠の国=カラカラに乾燥した土地、と言うイメージしか持っていなかったからだ。湿度がほとんど100%なのに、半年間、一滴の雨も降らないような天候が存在するなど、誰が想像できるだろうか。

    希望の配当——ロボットとAIは人間を創造的にするか | タイム・コンサルタントの日誌から
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    Wacky 2023/07/28
  • 物流は本当に付加価値がない業務なのか | タイム・コンサルタントの日誌から

    先週の5月26日に、「アジア・シームレス物流フォーラム」https://mf-p.jp/aslf/ のパネル・ディスカッションに参加してきた。このフォーラムは日マテリアルフロー研究センター(JMFI)が主催する展示会で、国内外の大手物流関連企業が集まっている。コロナ禍が過ぎて3年ぶりにリアル展示となり、来場者数も多くかなり盛況だった。物流関係の催しなので、サイトの読者からは縁遠いかと考え、とくにお知らせもしていなかったが、SCMの関連テーマもあり、広報すべきだったかもしれない。

    物流は本当に付加価値がない業務なのか | タイム・コンサルタントの日誌から
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    Wacky 2023/06/05
  • わたし達には安心して議論できる場が必要だから(+オンライン・セッションのご案内) | タイム・コンサルタントの日誌から

    一昨年のことだが、ある方のご紹介で、東京・郷にあるT大学(特に名は秘す)発のAI系ベンチャー企業数社の方々と、Webで面談した。先方から保有技術や事例の紹介を、まず受けた。当方がプラント系企業だからか、異常予兆やロボット系の事例が中心だった。異常予兆は自社内にも開発実績があるし、実はそれほど注目していなかった。こちらとしては、エンジ会社として設計問題の自動化(先月書いた開発プロジェクトの件)についてアイデアを求めたのだが、議論はすれ違いだった。 相手はみな、AI=深層学習こそ万能の道具と信じていて、実績データを分析すれば答えが見つかるからやらせてくれ、という。機械学習なんてパターン認識に過ぎないんだから、科学法則の支配する設計問題には向かない、と説明したが理解できない風だった。探索的な強化学習なら可能性があるので水を向けてみたが、それは制御問題のツールだろう、という理解しかなかった。

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    Wacky 2022/11/02
  • プロジェクトを計画しすぎてダメにする方法 | タイム・コンサルタントの日誌から

    「日企業は、計画しすぎなんです。」——最近、ある外資系戦略コンサルタントから、こんなセリフを聞いた。いわゆるDXに関する話題の時だ。「計画して、それも細かく緻密な計画を立てて、石橋をたたくようにリスクを全て洗い出してから、はじめようとします。そして動き出したら、すぐ進捗率を問題にする。でも、そんなやり方では、イノベーションは動きません。」 たしかにまあ、日企業、とくに製造業は、まず計画ありきで動いていると言ってもいい。年度計画(いわゆる「予算」)、月度計画、小日程計画・・。建設業も、似たところがある。全体工程表、月間工程表、週間工程表、等々。現場に行くと、計画表は、必ず目立つ位置にはり出してある。 だが、新しいビジネスモデルを創出するような、イノベーティブな試みは、目指すべき目的地が最初から決まっている訳ではない。登るべき山の頂が明確なら、アプローチの経路を地図の上に引き、どこまで登っ

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    Wacky 2021/07/19
  • 管理のシステム化は可能か? | タイム・コンサルタントの日誌から

    「管理不行届」という言葉がある。時折、新聞などをにぎわす言葉だ。通常は人間を対象にした問題が生じた際に使われる(危険物などの保管で使われる場合も、ないではないが、かなりの問題を起こした場合に限られよう)。多くの場合、組織の構成員が、社会問題になるような不適切な行いをした際に、上長とか代表者などの「管理責任」を問うために使われる。管理のかわりに「監督不行届」という場合もある。 「不行届」という漢字を、「ふゆきとどき」と音訓まぜた読み方にして、しかも送り仮名をつけないスタイルから見て、かなり古い時代から使われている言葉らしい。実際のところ、江戸時代などでも、家中で不祥事があると、大名や重役が幕府から管理責任を問われ、蟄居閉門だのお家断絶などを命じられたようだ(ただし、管理責任を厳しく問いすぎると、問題発生を隠して偽装する、という別の問題行動が生じるのは、江戸時代も今も変わらない)。 ちなみに、

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    Wacky 2021/04/06
  • サービス経済から、ふたたび実物経済の時代へ | タイム・コンサルタントの日誌から

    「私のプロファイル」 にも書いているとおり、ここ数年は勤務先での中長期的なIT戦略の立案と遂行に、たずさわっている。世の中は少し前からDigital Transformation、略してDXというバズワードが席巻しており、わたしのような者のところにも、戦略コンサルやらITベンダーが入れ代わり立ち代わりやってきては、DXの話をしてくれる。何事も勉強と思い、ありがたく拝聴させてもらっているが、だんだん耳にタコができたような気がしてきた。だって、皆が同じ話をするのだ。 その最大のキーワードは、経済の『サービス化』である。サービタイゼーション(Servitization)という、あまり聞き慣れない英語もついている。これまでの世の中は、せっせとモノを作っては売る、物の経済の時代であった。しかしその時代は終わりを告げ、いまやサービスを中心としたソフトなビジネス・モデルに転換すべき時である。そう、来客の

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    Wacky 2020/04/24
    “真ん中にとても立派な部品倉庫を持っていた。そこに部品在庫を、16週間分も保持していると、説明者から伺った。”
  • 担当者が問題状況に陥ったら、プロマネがカバーに入るべきか? | タイム・コンサルタントの日誌から

    プロジェクト・マネジメントの講義で、学生に進捗管理について教えていた時のことだ。進捗とは、これまで消化した予算の比率で計ってはいけない。「あとどれくらい仕事が残っているか」で計るべきものである。いつもの持論を、わたしは説いた。進捗管理の最大の目的は、“仕事はいつ終わるのか、あとどれくらいのコストで終わるのか”を予測することにあるからだ。 マラソンにたとえるなら、スタート地点からゴール地点まで約42kmあるが、そのちょうど中間、折り返し点のマイルストーンがある。ここに到達した人は、それまでまっすぐ走ってこようと、多少脇道にそれて余計な距離を走った人も、あるいは道に迷ってさんざん遠回りした人も、等しく進捗率50%だ。なぜなら、残りの距離は誰にとっても同じ21kmなのだから。もしも、仕事の進捗を問われて、「これまで自分はどれだけ努力したか」を答える人がいるならば、その人は進捗の意味を誤解している

    担当者が問題状況に陥ったら、プロマネがカバーに入るべきか? | タイム・コンサルタントの日誌から
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    Wacky 2013/11/25
  • 生産革新のためのBOM(部品表)再構築入門(1) | タイム・コンサルタントの日誌から

    数年前、三菱電機から依頼を受けて、「e-F@ctory」という同社のWebサイトに、BOM(部品表)に関する文章を書いた。今はそのurlはリンク切れになっており、同社のサイトを検索しても見つからない。サイトのリフォームにともない、この種の一般解説的文章は削除されたのだろう。そこで、当時の文章を、一部ブラッシュアップして、ここに再掲することにする。内容的に、とくに古くなってしまった部分も見あたらないと思う。製造業におけるBOM(部品表)の構築と改善は、いつでも古くて新しい課題なのである。なお、ここでは分量の関係で2回に分けて掲載する。 <今、なぜBOMが問題なのか> 不況の長いトンネルを抜けて、いま日の製造業は元気を取り戻しつつある。そして多くの企業で、この機会に生産全体のあり方を見直したい、という気運が高まっているようだ。 製造業とは、物品(マテリアル)を産出・加工し、付加価値をつけて販

    生産革新のためのBOM(部品表)再構築入門(1) | タイム・コンサルタントの日誌から
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    Wacky 2013/11/05
  • 書評:世界の経営学者はいま何を考えているのか 入山章栄 | タイム・コンサルタントの日誌から

    世界の経営学者はいま何を考えているのか――知られざるビジネスの知のフロンティア 「ドラッカーなんて誰も読まない!? ポーターはもう通用しない!?」 --これが書の帯の宣伝文句だ。著者の入山氏はニューヨーク州立大学バッファロー校(ビジネススクール)の助教。2008年にピッツバーグ大学でPhD(博士号)をとったばかりの、新進気鋭の経営学者である。 ドラッカーなんて米国の経営学では完全に過去の人だ、というと、日ではやはり驚く人が多いのだろうか。最近もドラッカーに女子高生をかけあわせたがベストセラーになったばかりだし、彼のは古くから広く読まれ、「ドラッカー学会」まであるくらいだ。(ドラッカー自身も日が好きだった) もちろん、ドラッカーがマネジメント研究の先駆者であることは確かである。しかし、ドラッカーはウィーン出身の人だけに、発想の根が非常に『中欧的』である。たとえば「企業は基的に社

    書評:世界の経営学者はいま何を考えているのか 入山章栄 | タイム・コンサルタントの日誌から
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    Wacky 2013/06/10
  • プロジェクト・マネジメントは組織としての能力である | タイム・コンサルタントの日誌から

    プロジェクト・マネジメントという言葉は、この10年間でずいぶん普及した。それと同時に、誤認識や誤解もある意味で増えたと思う。そのひとつが、リーダーシップとの混同だろう。そもそも会社によっては、そもそもプロマネと呼ばずにプロジェクト・リーダーと呼ぶところもある(IT系企業に多いような気がする)。リーダーとは課長ないし係長相当の役職を示しているに過ぎないのだが、「リーダー」という言葉からリーダーシップを連想するのは、ほんのひとまたぎの距離だ。 ここから、プロジェクトの失敗はリーダーシップの欠如に原因する、という判断が生まれてくる。そうなると、“じゃあ、有能なリーダーをもってくれば解決する”、あるいは“リーダーシップの強い人物を任命すれば成功する”との短絡した結論が出てくる。リーダーシップ論だけではプロジェクトの失敗は救えない、という話は前にも書いたので、ここでは繰り返さないが(「プロジェクト

    プロジェクト・マネジメントは組織としての能力である | タイム・コンサルタントの日誌から
    Wacky
    Wacky 2008/06/07
    実際は、プロジェクト・マネジメントの能力は、マネージャー個人だけの能力ではなくて、組織としての能力である。
  • プロジェクト・マネジメントとはどういう仕事か | タイム・コンサルタントの日誌から

    もうだいぶん前のことになるが、大学の後輩にあたる留学生から、会社訪問の希望があった。彼は東南アジアの出身で、良家の子弟である。いずれは国に帰って立派な職に就くのだろうが、しばらく日企業でビジネス経験を積みたい、との希望らしい。ついては、私の勤務先の国際プロジェクト部門で働きたいという。 私の勤務先はエンジニアリング会社で、プロジェクト・マネジメントを専門に受け持つ部門がある(念のため書いておくがPMOとは別である)。その部門には、プロジェクト・マネージャー達や、プロマネの卵であるプロジェクトエンジニア達が配属されており、国内外のプロジェクトを切り盛りしている。彼はそこで少しの間、仕事を学びたいというのだ。 で、どれくらいの期間を考えているの? そうたずねたら、彼は「1年間です」という。私はため息をついて、答えた。「1年では短すぎる。5年とはいわないけれど、せめて3年くらい働いてくれない

    プロジェクト・マネジメントとはどういう仕事か | タイム・コンサルタントの日誌から
    Wacky
    Wacky 2008/04/30
    プロジェクト・マネージャーの仕事とは、すなわち『アドミニストレーション』・『コーディネーション』・『コントロール』の三つの領域を包含した、采配の仕事である。
  • サプライチェーン・マネジメントの実現をはばむもの | タイム・コンサルタントの日誌から

    久しぶりに、大先輩のR先生のもとを訪れた。もう随分年配だが、私にとってマネジメント問題の師匠である。かつて企業経営にタッチされた経験から、私の思いもよらぬ広い視点でものを見ておられる。 --先生、お久しぶりです。最近ふと気がついたのですが、私が研究会の仲間とともに、『SCM研究会』の名義で「サプライ・チェーン・マネジメントがわかる」という書物を出したのが、1998年でした。それからちょうど10年間たったわけです。しかしこの間、日のサプライチェーン・マネジメントはどれだけ理想に向けて進歩したでしょうか。はなはだ心許ない現状だと思うのですが。 「佐藤君が10年前にそのを書いていたときは、どんな理想を心に描いていたんだね?」 --そうですね。「わかる」の中で、私は供給計画の章を書いたのですが、当時はちょうどAPS(先進的生産スケジューラ)が現れはじめたころでした。また、ECRのような米国

    サプライチェーン・マネジメントの実現をはばむもの | タイム・コンサルタントの日誌から
    Wacky
    Wacky 2008/04/05
    サプライチェーン・マネジメントの実現をはばむものがあるとしたら、それは結局、人の心の中にあるのだよ。」
  • 製造業の業務範囲とソリューションMAP | タイム・コンサルタントの日誌から

    一般に企業のビジネスには、計画-実行-評価(Plan - Do - See)のマネジメント・サイクルがある。製造業における生産のマネジメントにおいては、このサイクルが (1) Plan 「生産計画」 (2) Do 「製造指示・監視」(生産実行) (3) See 「実績報告」 にそれぞれ対応すると考えて良い。 なお、生産の実行がカッコの中に入っているのは、それが“マネジメント”の範囲に入らないからである。製造業の付加価値は、生産の実行、すなわち加工や組立などの「直接作業」によって生み出される。マネジメントは間接作業であって、それ自体では何も価値を生み出さない。しかし、直接作業である生産実行を、効率的に運営することを助けている。これによって、間接的に価値をもたらすのである(つまりマネジメントは生産現場を支える存在であって、「現場より上」の仕事ではない点に注意)。 生産のマネジメントには、年・半

    製造業の業務範囲とソリューションMAP | タイム・コンサルタントの日誌から
    Wacky
    Wacky 2008/04/05
    マネジメントは間接作業であって、それ自体では何も価値を生み出さない。しかし、直接作業である生産実行を、効率的に運営することを助けている
  • リードタイムを短縮する | タイム・コンサルタントの日誌から

    リードタイムとは、オーダーを出してから、それが完遂(fulfill)されるまでの時間である。この定義については前回書いたが、さらに正味作業時間との違いについて説明した方が良いかもしれない。あちこちで誤解があるからである。 リードタイムとはあくまでオーダーから完遂までの全体の期間(Gross duration)を示す。生産管理の世界ではつねに総量(Gross)と正味(Net)の二つの量があるわけで、全体期間に対応するのが正味作業時間(Net working time)である。正味時間は、その工順なり作業なりに必要な最低限の時間である。Aという部品1個を旋盤にかけて加工するのに30分かかるとしたら、これがAの加工の正味作業時間である。10個なら、300分かかることになる。 ところが、よく考えてみてほしい。部品Aを10個加工せよ、という製造オーダーが現場に出されて、すぐに作業に着手したとしよう。

    リードタイムを短縮する | タイム・コンサルタントの日誌から
    Wacky
    Wacky 2008/03/23
    第一の定石は、「先にできそうな事はやっておく」である。第二の定石は、「順番作業を並列作業にかえる」である。第三の定石は、「ロットサイズを小さくする」である。
  • 課題、ペイン、そしてソリューション | タイム・コンサルタントの日誌から

    「ソリューション」という言葉を最初に流行らせたのは、'90年代の米国IBMだったと言われている。はじめのころは、「単に最新型CPUを載せたPCハードです、といって売れた時代はもう終わる。これからは顧客のソリューションとなるシステムでなければ売れないだろう」といった言い方だった。それがいつの間にか今日では、「最新型アーキテクチャのソリューション!」という具合に、単なるハードやソフトの出来合い商品をさすのに使われてしまっている。IT業界における典型的な“用語インフレ”の一つだろう。いまでは他の業界でも「ソリューション」を名前に冠する会社は少なくない。 しかし、発祥の地のIT業界でも、さすがにもう企業のCIOたちは『ソリューション』という語に不信感を抱くようになってきたらしい(たとえば『CIOが抱く「ソリューション」への不信感』日経ソリューションビジネス・記者の目2006年6月)。ソリューション

    課題、ペイン、そしてソリューション | タイム・コンサルタントの日誌から
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    Wacky 2008/02/16
    良い営業マンは、顧客との会話の時間の8割までを、顧客側の問題について話すことに使うのだそうだ。
  • タイム・コンサルタントの日誌から : ジャパン・パッシング――『日本は先進国』という自己催眠

    私が生まれた頃、日は三流国だった。皆がそう思い、そう言いもした。道路はあちこち未舗装で穴があき、貿易収支はひどい赤字だった。『加工貿易』という言葉も小学校で習った。「日は資源がないから、外国から原料を輸入して、加工し、それを輸出することで国を成り立たせ」ようとしている、と。だがそのための生産機械は、欧米からの輸入か技術導入だった。1970年までに貿易赤字をなくしたい、と'60年代半ばに政府が発表したとき、欧米諸国はあざ笑ったものだ。あまりに野心的、と。 その同じ国が、'90年代のはじめ頃は『超先進国』を自認するようになった。「もう欧米に学ぶものはない」とも言われ、じじつ欧米から日の製造業に調査団が来た。『電子立国・日』の都会の地価は摩天楼のようにのび上がり、企業は“含み益経済”を謳歌した。海外で片端からいろいろなものを買収しまくった。 繁栄は短かったのに、その後の不況は長かった。多

    タイム・コンサルタントの日誌から : ジャパン・パッシング――『日本は先進国』という自己催眠
    Wacky
    Wacky 2008/02/08
    ロバート・ソローは「成長理論」の中で、経済成長の80%以上は技術進歩によるもので、資本と労働による付加価値増大をはるかにしのぐことを証明した