放射性物質のセシウムに汚染された牛肉問題で、栃木県那須町に本社を置く和牛畜産業「安愚楽(あぐら)牧場」が営業停止状態に陥っていることが1日、東京商工リサーチの調べで分かった。汚染牛肉が全国的に流通し、消費の冷え込みと風評被害で出荷を見合わせていた。現在、「取引先への支払いは停止状態」(関係者)という。 商工リサーチによると、安愚楽牧場は1979年に牧場経営を開始。繁殖牛のオーナーを募集し、生まれた子牛を同牧場が買い取り、支払う独自のビジネス「和牛オーナー制度」で知られる。超低金利のなか、「高利回り金融商品」として注目され、会員数は3万人を超える。 同牧場は、全国40カ所に自社牧場を運営するほか、預託先牧場を338カ所を抱え、黒毛和種牛牧場として国内最大規模。2011年3月期の売上高は約1027億円、約5億円の利益を計上していた。 だが、宮崎県での口蹄疫が一息ついた後の3月11日、東日