米国で「ネオコン」と呼ばれる勢力は、1930年代に反スターリン主義左翼として活動した後に「ニューヨーク知識人」と呼ばれるトロツキストたちによるグループである。ニューヨーク知識人の多くは、アメリカの公立大学の中で最も歴史のある大学の1つであるニューヨーク市立大学シティカレッジ(CCNY)を根拠地として活躍していたが、アメリカの消極的な対外政策に失望した集団である。アメリカの伝統的な保守主義は対外政策はモンロー主義に則った孤立外交を重視し、他国の人権問題には関心を示さない、あるいは自国の利益のためには(中国などの)独裁国家とも同盟を結ぶとの姿勢であったが、ネオコンの場合は民主主義、ひいては自由主義の覇権を唱え、独裁国家の陥落を外交政策の目的に置くという極めて革新的な思想および外交政策を標榜する。中東においては、唯一の近代民主国家であるイスラエルを基盤に周辺の独裁国家を滅ぼすことが中東問題の解決