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ブックマーク / georgebest1969.typepad.jp (7)

  • オリンピックは開催できるか

    論の理路は長い(あと、やや分かりにくい)ので、お手数ですが端折らず最後までお読みください。 以前、「成人式には行かないで」というブログを書いた。同様に、アスリーツに「オリンピックにはこないで」というメッセージを出せばよい、というご意見を頂いた。 稿のテーマは「オリンピックは開催できるか」だが、その前に「アスリーツに来ないで」というべきかについてコメントする。 アスリーツにオリンピックに来ないで、というべきではない。 成人式に行かないでほしい、という意見は、新成人が(しばしば)都会から田舎に移動し、旧友たちと旧交を温め、実家に帰り、家族親類と久方ぶりに再会する、というシナリオが容易に想定できたからだ。それは感染リスクの拡大のみならず、ハイリスクな高齢者への感染の広がりのリスク増加を意味する。成人式なんかに出なくたって成人はする。ぼくも外国にいたので成人式には出なかった。成人式に出る「価値

  • 成人式には行かないで

    岩田健太郎といいます。もうすぐ50歳になるおっさんです。感染症を専門にする医者でもあります。 この文章は、「成人式には行かないで」というお願いの文章です。 なぜ、そのような文章を皆さんに読んでいただきたいのか、今からその理由を説明します。 理由は新型コロナウイルスです。このいまいましいウイルスがいなければ、我々は毎年行っている楽しい行事を楽しくとりおこなうことができたのです。が、残念ながら今はその時期ではありません。すべてはこのウイルスのせいなのです。 一生一度の大事な成人式、たかだか風邪の親戚みたいなウイルスごときで、止めにするなんて嫌だよ。そんな意見もあることでしょう。 でも、一生一度の大事な成人式だからこそ、ここで一歩踏みとどまってもらいたいのです。 すでに、年末年始に帰省した若者から、家族親戚に感染した事例が兵庫県でも複数見つかっています。確かに若者にとってはこのウイルスはほとんど

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    a-lex666 2021/01/10
  • 近藤誠氏との対峙の仕方

    以下、記憶を頼りに書いていて、裏を取っていないのでまちがってたら教えてください。 近藤誠氏と当時のがん治療のオピニオンリーダーたち(外科医)の論争を読んだのはぼくがアメリカで内科研修医をしていた1990年代後半だったように思う。 近藤氏はがんもどきの存在を主張し、なんでも切ったり化学療法をするのは間違っていると論じた。根拠となる臨床試験も参照していた。一方、当時の外科医たちは実験医学と経験主義ばかり。「切ってる俺達がちゃんと仕事してんだから文句言うな。くじ引き試験?患者で実験する気か。エビデンス?なんだそれ?」って感じで、全然議論が噛み合ってなかった。 近藤氏の意見は理路整然としていたが、当時の外科医たちはひどかった。アメリカにいたぼくはエビデンスエイスドメディシンをバリバリ学んでいたが、日の医療界は数周時代遅れに見えた。日のがん領域のトップってどうしてあんなに、、、、と大いに失望させ

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    a-lex666 2017/11/10
  • 化療学会の書籍販売問題について

    この問題はブログで上げるのは初めてです。報道もされたので(昨日、日)、こちらにあげます。 6月4-6日に東京で行われた日化学療法学会総会で、岩田の著作(共著、名前が表紙にあるもの=帯含む)が販売を大会長の指示により禁止されていたという問題だ。岩田は件をうけて、化学療法学会には5日金曜日にメールで、7日月曜日に電話で事実関係の確認と再発防止策の要望をしていた。 昨日(11日)に速達で化療学会からの回答が来た。それを受けて、ぼくは化療学会、学会運営事務局を務めた株式会社メッド、そして昭和大学教授の二木氏にそれぞれ以下の内容で(文章はこれから練り直しますが)送付する予定であり、ここにそれを公表するものである。 ・化学療法学会に対して 件に関し、当方のお問い合わせにご回答いただいたことをまずは感謝申し上げます。 貴会から頂いたA4一枚の連絡には、 1.二木氏に相談したら、書籍を取り扱わない

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    a-lex666 2015/06/13
  • 新谷弘美と内海聡。トンデモ健康本をも少し考える。

    トンデモ」健康の検証は続きます。日は新谷弘美氏と内海聡氏です。 「自然免疫力」は「自然」とは関係ない、という話 新谷弘実著「新谷式 病気にならないべ方の習慣」(アスコム)というを検討します。書は「免疫力を高めれば病気にならない!」と称して「自然免疫力」を高める事をすすめています。 自然免疫力を賞賛する「トンデモ」健康は多いです。「自然」というキラキラワードが、その手の人たちに魅力的に響くだからでしょう。人工的、現代科学的な汚染被害を受けていない純粋な自然免疫力ってイメージです。 しかし、ここでいう「自然免疫」の「自然」とは英語のnatureのことではありません。「自然環境」という使い方をする「自然」とは別物なのです。 英語で免疫のことをimmunityといいます。「自然免疫」はinnate immunityです。innateというのは「生まれもった」という意味です。誤解を与え

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    a-lex666 2014/10/25
  • 基礎と臨床の間

    よく、シニアの先生から「基礎医学の研究をした経験から、論理的に考える方法を教わった。学位はやはりとったほうがよい」というお言葉をいただく。 その言葉に偽りはないと思う。しかし、現代においては、基礎医学の研究体験が「論理的思考法」の学習として診療に活かされる可能性は限りなく低い。 1980年くらいまで、つまり、プレEBMの時代であれば、基礎医学的知識はそのまま臨床医学に活かすことができた。基礎と臨床の距離は近かったのだ。というか、臨床医学はあまりに低く見られており、基礎医学的知見が丸のままで臨床医学に応用されることが許容されていた時代といっても良い。炎症が起きているのだから、炎症を抑えるステロイドパルス、好中球エラスターゼが問題なのだから、ARDSに好中球エラスターゼ阻害薬(エラスポール)、血糖が高いから血糖を下げる、熱が高いから、熱を下げる、炎症があるとCRPが上がるから、CRPが高いと抗

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    a-lex666 2013/03/20
  • 一般向けの健康情報。その「言い過ぎ」の問題

    屋に行くと、こうするだけで健康になれる、若返る、長寿になれる、ガンにならないと喧伝するが沢山並んでいます。このことについて考えて見たいと思います。検討のために、例として根来秀行著の「身体革命ー世界最先端のアンチエイジングの法則」を例にとります。 書は、アンチエイジングに関する一般向けのです。 まず、最近の研究で100歳以上の長寿者で産生されているデヒドロエピアンドロステロン(DHEA)。これをアンチエイジング・ホルモンとして紹介しています(18ページ)。「適切な運動、睡眠事を組み合わせることによって私たち自身の体内でたくさん作り出すことができます」とあります。さらに、時差ボケなどに使われるメラトニンもアンチエイジング・ホルモンとして紹介されています。アンチエイジング・ホルモンを高めるような生活習慣が若さと健康の秘訣と書の筆者は主張します。 次に、「老化のカギを握るのはミトコン

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    a-lex666 2012/04/13
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