誰でも森や海など自然豊かな環境に行くと、「気持ちがいい」「元気になった」という経験をしたことがあるでしょう。自然の中で過ごすと健康によいことは、誰もが体感していることだと思います。 しかし、なぜそうなのか? その科学的根拠については、つい最近までほとんどわかっていなかったのです。 本書は、米国の科学ジャーナリストである著者が、自然と健康に関する研究をしている数多くの専門家たちを取材し、その科学的根拠をまとめた本です。 巻末の解説の中で、自然セラピーを提唱している宮崎良文(千葉大学教授)は、本書について次のように述べています。 「運動が脳にいい影響を及ぼすことは、すでに科学的に解明されているけれど、『自然環境』も心身の健康には必要だ。そう考えた彼女は、自然と健康に関する科学を研究している専門家を訪ね、日本、韓国、イギリス、フィンランド、スウェーデン、シンガポールなどに飛んだ。 そして著者自ら
都会にいるときより、屋外の緑豊かな場所や自然のなかに身を置いているときのほうが有意に、かつ確実により深い幸福感を覚えている。(ジョージ・マッケンロー) photo credit: Jukai Fujiki a way to… via photopin (license) 緑が私たちの健康を改善してくれる! 私は毎朝、家の近くの神社にお参りするようにしています。 小さな森の中の澄み切った空間に触れるたびに 今日も元気に生きていると実感でき、幸せな気分を味わえます。 神社にいるだけでエネルギーを充電でき、やる気が満ちあふれてきます。 朝のこの儀式によって、私は日々リフレッシュしています。 最近の研究結果によると自然に触れることで 脳が活性化することがわかってきました。 自然が脳に良い効果をもたらすことが、科学的な研究でわかってきた。(フローレンス ウィリアムズ) フローレンス・ウィリアムズのN
帰省シーズン真っただ中。慌ただしい日常からしばし遠ざかり、インドア派としてはサイダーでも飲みつつ家でごろごろ。するつもりが、今年はわりと緑豊かな場所まで出かけることにした。まちがいなく本書を読んだせいである。読んでいて、田舎に帰ってきたのに部屋に引きこもっていることが、急にもったいなく思えてしまったのだ。 森や海など自然豊かな環境に行くと、気分が上向き、体調も良くなる。体感的には納得しやすい話だ。では、科学的にはどれほどのことが明らかになっているのだろう? 環境・健康・科学などについての記事を執筆する米国のジャーナリストが、自然と脳、自然と健康に関する研究の専門家たちに話を聞き、文献を読み漁り、時には実験に参加したりしながらそうした内容をまとめたのが本書だ。 自然のなかで過ごすと健康に良いという考えは、心理学の世界で数十年前から認識されてきたという。だがそのような研究は、従来の科学とは異な
長くてパワフルな、自然推しの本でした。 別の本ですが『脳を鍛えるには運動しかない』のように、実験内容と効果が延々と書いてあり、とても勉強になります。 自然には、ナチュラルキラー細胞が増えたり、創造性が向上したり、様々な効果があるとのことです。 (メリットが多すぎて書ききれない) 1ヶ月5時間...続きを読むの自然活動を推奨されており、この本をきっかけに、近所の公園に行く習慣を身につけようと思いました。 緑に囲まれたり水辺でのんびり過ごすことが、癒しになるなぁと大人になって思います。 自然に囲まれて育ったので、朝の小鳥のさえずりや夜の虫の音を聞くと心がまろやかになります。 普段都会のビル群に囲まれているならば、お休みの日に敢えて自然に触れる時間を作るのも良さそうです。 最高の脳を作ることと健康...続きを読むでいる事とは密接に関係があるんだなと気づかされました。
【脳科学に基づいた本】 最近、パソコンやスマホに夢中であまり外出できてない、という方。 そんな方におすすめな、"自然"に対する意識を大きく変えてくれる本を紹介したいと思います。 今回紹介する『NATURE FIX 自然が最高の脳をつくる―最新科学でわかった創造性と幸福感の高め方/フローレンス・ウィリアムズ著』という本の原題は『The Nature Fix』、つまり「自然が回復させる」的な意味が込められています。 人には本来、自然との触れあいが欠かせない──その事実をきちんと理解すればするほど、得るものも大きくなる。キンドル版 位置:5026 より 古い時代からアリストテレスやベートーベンなどの哲学的者や音楽家が、なぜ自然の中を歩いてきたのか、その理由をしっかり説明してくれます。 かなり心揺さぶられた一冊なので、書評を書いたみたいと思います。 感想・レビュー この本を読んでまず印象に残ったの
2017年05月31日00:01 カテゴリ書評 書評『猿神のロスト・シティ-地上最後の秘境に眠る謎の文明を探せ』 ▼書評 『猿神のロスト・シティ-地上最後の秘境に眠る謎の文明を探せ』 猿神のロスト・シティ-地上最後の秘境に眠る謎の文明を探せ 著者 ダグラス・プレストン 訳者 鍛原 多惠子 出版社 NHK出版 発行 2017 04/25 《ノンストップ・アドベンチャーノンフィクション!!》 昨年、ボクはアマゾンの奥地に潜入したNHKの取材班の番組を観ました。ヤラセがないのでこの種の番組は大好きなのですが。さて、今回の冒険のその一帯は人跡未踏のまま。場所は中米ホンジュラスに500年前から伝わる「猿神王国」です。熱帯雨林の奥地に謎の古代都市群が存在していたという。NASAの最新テクノロジーを駆使した空中からの探索と、命の賭した密林の探検です。 ジャングルの驚異と迫りくるもう一つの事とは?? ロマ
2015年に発売され欧米の読書界のみならず、科学界からも熱い賞賛を浴びた『フンボルトの冒険─自然という〈生命の網〉の発明』。エコロジーの始祖としてその業績を位置づけ、博物学者にして冒険家であったアレキサンダー・フンボルトを時代を超えたヴィジョナリーとして定義した本書を、2017年に読む意義は、実は別のところにある。ポストトゥルース化が進む「混沌の時代」の生き方を、フンボルトに学ぶ。 【雑誌版最新号VOL.27に『フンボルトの冒険』からの抜粋を特別掲載中】 『』 アンドレア・ウルフ 鍛原多惠子・訳〈NHK出版〉 フンボルトの功績をまるで冒険譚のように綴り、その今日的な意味を描き出した1冊。2015年に英国で発売された原書は欧米メディアから絶賛された。同年のNYタイムズベストブックに認定されたほか、16年に王立協会科学図書賞を受賞。邦訳となる本書は、17年1月にNHK出版より刊行された。 アン
偉大な探検家にして傑出した博物学者。壮年の文豪ゲーテに再び情熱の火を点し、その著書によってダーウィンをビーグル号乗船へと促した男。ジェファーソン米大統領に「現代を代表する最高の科学者」と評され、当時のヨーロッパにおいてナポレオンに次いで知名度があったともいわれる人物。それが、アレクサンダー・フォン・フンボルトであり、この伝記の主人公である。 フンボルトを一躍有名にしたのは、1799年から1804年にかけて行われた南北アメリカ大陸の調査旅行だ。フンボルトたちはその間、スペイン領だった現在のベネズエラ、コロンビア、エクアドル、ペルー、それからメキシコなどを探索し、最終的には建国30年足らずのアメリカ合衆国を訪問している。なかでも南米の奥地と山地は当時のヨーロッパにとってまさに秘境であったため、その地の報告はヨーロッパの人々を大いに熱狂させた。 その旅がいかに仰天すべきものであったか、それを示す
本日の毎日新聞に大書評(いつもより文字数が多い)を寄稿しています。 今週の本棚:内田麻理香・評 『フンボルトの冒険-自然という<生命の網>の発明』=アンドレア・ウルフ著 - 毎日新聞 対象本はこちらです。 フンボルトの冒険―自然という<生命の網>の発明 作者: アンドレア・ウルフ,鍛原多惠子 出版社/メーカー: NHK出版 発売日: 2017/01/26 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (2件) を見る このフンボルト、知の英雄であり数多くの人たちに影響を及ぼしているにもかかわらず、なぜか知名度が低い。お兄さんのヴィルヘルム(言語学者で、かつ行政にも関わった。フンボルトの名を冠した大学が今も残っている)と一緒くたにされることも、あるかもしれません。 この本は彼の魅力を余すところなく伝えています。わくわくする冒険譚なので、ボリュームのある本ながら、飽きることがありません。王立協会科
フンボルトの冒険―自然という<生命の網>の発明 作者: アンドレア・ウルフ,鍛原多惠子 出版社/メーカー: NHK出版 発売日: 2017/01/26 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (2件) を見る イギリスの歴史家が書いたフンボルトの伝記。昨年 New York Times で「今年最高の一冊」に挙げられていて「ほー、フンボルトですか、面白そうだな、読んでみようかな」と思っていた一冊。すぐに邦訳がでた(ありがたい)。フンボルトペンギンに、フンボルト海流、一般的に彼の名前を聞くのは、そうした単語に触れたときぐらいだろうか。かく言うわたしも全然知らなくて、ドイツの自然学者(だっけ?)みたいな感じで。それがページをめくり始めたら「なにこの人、めちゃくちゃスゴいじゃん!」と。 子供の頃から、とにかくネイチャーに触れるのが大好きだったフンボルト。その自然への情熱が高まりまくって南米に渡
2017年02月13日00:01 カテゴリ書評 書評 『フンボルトの冒険-自然という〈生命の網〉の発明』 ▼書評 『フンボルトの冒険-自然という〈生命の網〉の発明』 フンボルト-自然という〈生命の網〉の発明 著者 アンドレア・ウルフ 訳者 鍛原 多惠子 出版社 NHK出版社 発行 2017 01/30 《今日からボクも、フンボルティアン(フンブルトの継承者)》 本書は、野心的な著者による極めて野心的な人物の伝記です。その人物は、アレクサンダー・フォン・フンボルトです。彼は「科学界のシェイクスピア」、「ダーウィン以前のダーウィン主義者」、「異国熱」などと呼ばれております。かのナポレオンと同じ年に生まれたフンボルトは、どんどん拡張しグルーバル化が進む世界で育ちました。ナポレオンと同じ時代を生き、ナポレオンの次に有名人ともいわれ、現代でもその基礎〈魂〉は、引き継がれております。いや、引き継がなけ
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