基本的な数学の知識 基本=簡単ではありません。 「基本=各分野の“基"となり、“本”質となるもの」です。そのため、「基本的な数学の知識」を問う問題とは、バラバラな断片の集まりとしての知識ではなく、「定義から積み上げた知識」であるかを問う問題です。 先の記事で取り上げた、2003年の東京大学理科前期で出題された円周率に関する問題を少し改変した次の問題を例に考えてみましょう。 円周率の「定義」はなんですか? あらためて何を聞くんだと思われそうですが、「定義」の知識がなければ「円周率は3.14だから3より大きい」と答えることになってしまいます。 さらに「なぜ円周率は3.14なのですか?」と問われると、「円周率は3.14と習ったから」……と、堂々めぐりになります。 円周率とは、「円周が直径の何倍かを示す数値」です。円周率をπとすると、半径が1の円は直径が2なので、その円周は、直径×πの「2π」とな