経産省「緊急電子化事業」に続き、同省傘下の産業革新機構からの「最大150億円の出資」、それに大手出版社の約20億円の出資という話題満載で、(株)出版デジタル機構(SDK)が4月2日に設立された(ロイター、3/29)。事実関係は公式発表でご確認いただくとして、別の問題を指摘しておきたい。自由であるべき出版社が共同で設立した、事業性が希薄な企業への出資に政府が大規模な支援を行うということ、そしてそれが何をもたらすのかということである。 ビジネスには投資と回収がある。理論上の最大株主となる産業革新機構(INCJ)は、9割あまりを政府が出資する投資ファンドだが、投資方針として「事業計画の実現可能性」「投資収益性」「社会に与えるインパクト:投資インパクト」を明記し、決算では利益を計上している。もっともAIJのようなケースもあるので、実際に儲かっているかどうかは、15年の設置期間を終えた時点でないと分