生地に温泉水を使うこと、または蒸しの過程で、温泉の蒸気を使うことから付けられたとされるが、ふっくらした生地を作るのに適した重曹成分や、蒸しに適した高温の蒸気が確保できる温泉は限られており、多くは単なる土産物としての饅頭である。つまり、温泉地で作っているか、売っていれば「温泉饅頭」と呼ばれるようになった。 温泉地土産や旅館で出される茶菓子や土産菓子の定番品として定着しており、全国的には白や茶色の蒸し饅頭が主であるが、趣味の多様化に応える特徴的な商品も珍しくはない。 温泉饅頭の発祥は、群馬県の伊香保温泉の湯の色から来ているというのが定説だが、それ以前に類似のものがなかったという証拠はない。1910年(明治43年)に、伊香保電気軌道(現在廃線)の伊香保 - 渋川間が開業したとき、神奈川県の江ノ島電鉄へ視察に行った人が「片瀬饅頭」を買って帰り、伊香保で創業間もない団子屋「勝月堂」の初代・半田勝三に