日本のITエンジニア人材が逼迫し大きな問題となるなか、IT業界は賃上げのニュースに沸いている。日経クロステックが複数のSIerに2024年春の賃上げ状況を聞き取ったところ、妥結済みまたは交渉中の賃上げ率(総額)は、5%を超えている。改善の兆しは明白だ。だが、本当にITエンジニアは、自身が生む価値に見合う給与を手にしているのだろうか。安月給に甘んじ、実は「不遇」をかこっているとは言えないか。 本特集では日本のITエンジニアの給与をさまざまなデータから読み解き、ITエンジニアが置かれている状況を「処遇」の観点から明らかにする。初回である今回は、まず日本のITエンジニア給与の国際比較を中心に見ていく。 日本のITエンジニア(ソフトウエアエンジニア)の平均年収は3万6061ドル(1ドル=150円換算で約540万円)で世界72カ国中26位。中国は3万6574ドル(約550万円)で日本の順位を上回った