保冷剤を入れ体を冷やす「クールリュック」 【高橋福子】介護施設での入浴介助や土木工事、農作業など暑さに耐えて仕事をする人たちの熱中症対策に役立ててもらうため、山本縫製工場(香川県坂出市)が500グラムの保冷剤を入れる「クールリュック」をつくった。働く人の声に応えようと縫製職人が開発に取り組んだ。 同社の山本益美社長(62)は昨年夏、親類から介護現場の苦労について聞かされた。親類によると、高齢者施設に勤務する介護士は、何人ものお年寄りの入浴介助をしていると、サウナの中に長時間入っているような状況になると話していたという。「頭痛がして倒れそうになる。体を冷やしながら作業ができるリュックみたいなものがあればいい」との声も上がっていたという。 この話を聞き、山本さんは保冷剤を入れることができる簡易リュックを作って、介護士に提供した。仕上がりに納得がいかず「いったん返してほしい」と頼んだところ