ブックマーク / www.nibb.ac.jp (107)

  • プレスリリース - ナンジャモンジャゴケのゲノム解読からわかった「生きた化石」の進化

    高木典雄博士(たかきのりお、故人:名古屋大学名誉教授)は1951年夏に北アルプスの高山で奇妙な形の植物を見つけました。どんな植物に近縁かがわからず、世界中の学会で話題となり、外見がコケに似ていたところから、ナンジャモンジャゴケと呼ばれていました。高木博士にちなんで、Takakia lepidozioidesと命名され、コケ植物タイ類(ゼニゴケなどの仲間)として発表されましたが、その後の研究から、コケ植物タイ類ではなく、コケ植物セン類の中でもっとも古くに分かれた系統であることがわかりました。 基礎生物学研究所の長谷部光泰教授が加わった、中国首都師範大学のYikun He教授、ドイツフライブルグ大学Ralf Reski教授を中心とする国際共同研究チームは、1億6500万年前の地層からナンジャモンジャゴケとよく似た化石を発見し、ナンジャモンジャゴケは1億6500万年以上もの間、形をほとんど変化さ

    プレスリリース - ナンジャモンジャゴケのゲノム解読からわかった「生きた化石」の進化
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    agrisearch 2023/08/30
    「コケ植物タイ類ではなく、コケ植物セン類の中でもっとも古くに分かれた系統」
  • プレスリリース - 植物が重力方向を感知する仕組みを解明

    植物は重力方向を感知して成長方向を調節する性質(重力屈性)により、根を水や栄養分が豊富な地中へ、茎を光合成や生殖に有利な上方へ向かわせます。重力屈性を行う植物の器官には、重力方向に沈降する粒(アミロプラストと呼ばれるデンプンを蓄積して高い比重を持つ細胞内小器官)を含む細胞が観察されます。この粒が沈むことで重力を感知するという「デンプン平衡石仮説」が、100年以上前に提示されました。しかし、アミロプラストの沈降という物理的な現象が、細胞内でどのようにして他の信号に変換され、また伝達されるのかについてはわかっていませんでした。 基礎生物学研究所植物環境応答研究部門の西村岳志助教、四方明格助教、森祥伍技術職員、森田(寺尾)美代教授の研究グループは、埼玉大学大学院理工学研究科の豊田正嗣教授、阿部純明 元大学院生、萩原拓真 大学院生、大阪大学大学院工学研究科の吉川洋史教授、熊大学大学院先端科学研究

    プレスリリース - 植物が重力方向を感知する仕組みを解明
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    agrisearch 2023/08/30
    2023/8/11 基礎生物学研究所ほか
  • 基礎生物学研究所 / プレスリリース概要 - 光合成するウミウシ、チドリミドリガイのゲノム情報を解読 〜光合成能は藻類遺伝子が宿主動物の核へ水平伝搬した結果であるという従来の説を覆す〜

    光合成は光エネルギーから有機化合物を合成する反応であり、陸上植物や藻類と一部の細菌が有する能力です。動物は光合成を行うことはできませんが、ごく少数ながら例外があります。巻き貝の仲間であるウミウシ類の一部の種は、餌としてべた藻類から、葉緑体を自分の細胞内に取り込み、数ヶ月に渡って葉緑体の光合成能力を維持し、そこから栄養を得ます。これを「盗葉緑体現象」と呼びます。動物であるにも関わらず光合成を行うウミウシの盗葉緑体現象には多くの研究者が驚きとともに関心をよせてきました。 藻類や植物では、葉緑体が光合成を行うために必要な遺伝子のほとんどは葉緑体のゲノムではなく核ゲノムに存在しています。そのため、人為的に藻類細胞から単離された葉緑体は単独で光合成を行うことはできません。にもかかわらず、ウミウシは餌から取り込んだ葉緑体の光合成活性を維持することができます。動物は光合成関連遺伝子を持たないため、なぜ

    基礎生物学研究所 / プレスリリース概要 - 光合成するウミウシ、チドリミドリガイのゲノム情報を解読 〜光合成能は藻類遺伝子が宿主動物の核へ水平伝搬した結果であるという従来の説を覆す〜
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    agrisearch 2021/05/29
    「光合成能は藻類遺伝子が宿主動物の核へ水平伝搬した結果であるという従来の説を覆す」
  • プレスリリース - 食虫植物ハエトリソウの記憶の仕組みを解明

    虫植物は葉で小動物を誘引、捕獲、消化、吸収し、栄養としています。ハエトリソウはアメリカ合衆国のノースカロライナ州とサウスカロライナ州だけに分布する虫植物です。二つ折りになった葉の上に毛(感覚毛)が生えており(図1)、1回触っただけでは閉じませんが、30秒以内にもう1回触ると、約0.3秒で閉じ、小動物を挟み込んでべてしまいます(図1)。このことは、最初の刺激を30秒間記憶していることを示しています。脳も神経も無い植物が記憶することから、その仕組みは広く興味が持たれ、多くの研究者が研究を行ってきました。そして、1988年にドイツのホディックとシーバースは、カルシウムイオン濃度変化が関与しているのではないかという仮説を提唱しました(図2)。しかし、ハエトリソウでカルシウムイオン濃度を細胞にダメージを与えずに測定する方法が無く、真偽が不明でした。基礎生物学研究所の須田すだ啓ひらく大学院生、真

    プレスリリース - 食虫植物ハエトリソウの記憶の仕組みを解明
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    agrisearch 2020/11/20
    2020/10/6 「一方、1回目の刺激で上昇した細胞内カルシウムイオン濃度は、時間とともに減少…約30秒を超えると、2回目の刺激を与えても、細胞内カルシウムイオン濃度が閾値を超えないために、葉が閉じないこと」
  • プレスリリース - 葉で合成されるマイクロRNAが根の根粒の数を全身的に制御することを証明

    マメ科植物は、根に根粒と呼ばれる特殊な器官を形成することで、土壌中の窒素固定細菌と共生し、多くの植物が利用できない大気中の窒素を栄養源として利用することができます。これにより、窒素栄養が乏しい土壌でも盛んに生育することができます。一方で、宿主となるマメ科植物は根粒へ多量の光合成産物を供給する必要があるため、過剰な根粒の形成は宿主の生育を著しく阻害します。このことから、宿主植物は根粒の数を最適化する仕組みを持っていることが知られています。 基礎生物学研究所の大熊直生大学院生(総合研究大学院大学)、川口正代司教授、征矢野敬准教授と筑波大学の寿崎拓哉准教授らにより構成される研究グループは、マメ科のモデル植物ミヤコグサを用いて、葉で強く発現するマイクロRNA(注遺伝子「MIR2111-5」を特定し、葉で合成されたmiR2111が根で機能する根粒形成抑制因子TOO MUCH LOVE (TML)を阻

    プレスリリース - 葉で合成されるマイクロRNAが根の根粒の数を全身的に制御することを証明
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    agrisearch 2020/11/20
    2020/10/16
  • プレスリリース - 寄生植物の宿主植物への侵入に必要な遺伝子を同定 ~深刻な病害寄生植物の防除法開発に期待〜

    発表のポイント ・寄生植物コシオガマのゲノムを解読し、その変異体から宿主侵入に関わる主要な遺伝子同定に成功 ・寄生植物は植物がつくるエチレンのシグナル(情報伝達機構)を使って吸器の伸長と侵入を制御している ・寄生植物は宿主植物のエチレンを感知して侵入を開始する 奈良先端科学技術大学院大学(学長:横矢直和)先端科学技術研究科バイオサイエンス領域のツイ・スンクイ特任助教、吉田聡子教授らは、理化学研究所環境資源科学研究センターの白須賢グループディレクター、基礎生物学研究所の長谷部光泰教授らとの共同研究により、寄生植物が、宿主になる他の植物を認識し、植物体内への侵入を果たす仕組みを明らかにしました。宿主がつくるエチレンという生理作用を調節する植物ホルモン(シグナル伝達物質)を感知することにより、侵入を開始するもので、その機構に関わる主要な遺伝子を初めて突き止めました。この成果は、大きな被害をもたら

    プレスリリース - 寄生植物の宿主植物への侵入に必要な遺伝子を同定 ~深刻な病害寄生植物の防除法開発に期待〜
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    agrisearch 2020/11/20
    2020/10/29 「ストライガと同じハマウツボ科に属する寄生植物コシオガマ(図1)を用いて、宿主植物へ侵入ができない変異体を2つ単離しました」
  • プレスリリース - 経口投与によるRNA干渉法を用いた害虫の早期食害停止の誘発に成功

    近年、化学農薬とは異なる害虫防除法として、RNA干渉(RNAi)法を利用した防除法(RNA農薬)が注目されています。RNA農薬は、二鎖RNAを害虫種に投与し、RNAiを誘導することで、内在遺伝子の機能を阻害し、害虫の駆除を目指すものです。効果的なRNA農薬の実現には、最適な標的遺伝子の選定が必須となります。しかし、RNA農薬の候補としてこれまでに標的にされてきた致死や成長阻害をもたらす遺伝子の場合、効果の誘発までに時間を要するため、その間も農作物への害が進行してしまう点が課題となっていました。今回、基礎生物学研究所及び総合研究大学院大学の千頭康彦大学院生と新美輝幸教授らのグループは、中部大学の鈴木孝征准教授、名古屋大学の吉岡博文准教授、柳沼利信名誉教授、国立遺伝学研究所の佐藤豊教授との共同研究により、ナス科(主にジャガイモやトマトなど)の害虫であるニジュウヤホシテントウにおいてプログラ

    プレスリリース - 経口投与によるRNA干渉法を用いた害虫の早期食害停止の誘発に成功
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    agrisearch 2020/09/27
    「ナス科(主にジャガイモやトマトなど)の害虫であるニジュウヤホシテントウにおいてプログラム細胞死を阻害する遺伝子(diap1)の二本鎖RNAの経口投与により、 24時間以内という速効的な食害停止の誘発に成功」
  • プレスリリース - 花作りのスイッチを入れる遺伝子の新たな機能を発見 ~花は咲かせずとも緑藻の光防御を制御する~

    季節ごとに見られる色とりどりの花の形成は、私たちが身近に感じる自然現象の一つです。植物では良く知られている花芽の形成ですが、生物の進化過程においてどのように獲得されたのかはわかっていませんでした。基礎生物学研究所 環境光生物学研究部門の 得津 隆太郎 助教、皆川 純 教授らは、名古屋大学遺伝子実験施設の 松尾 拓哉 講師および高知大学 理工学部の 山﨑 朋人 助教と、地球上の光合成生物が持つ「光防御反応(強すぎる光から身を守る反応)」の仕組みについて共同研究を進めていたところ、植物において花芽の形成時期を制御する遺伝子(CONSTANS)が緑藻の光防御反応を制御することを発見しました。詳しい解析の結果、緑藻が強すぎる光から身を守る仕組みには植物の花芽形成と共通する部分があることが分かりました。この発見により、植物の花芽形成に関わる遺伝子系の進化、つまり、遥か昔に水生の藻類が花作りのスイッチ

    プレスリリース - 花作りのスイッチを入れる遺伝子の新たな機能を発見 ~花は咲かせずとも緑藻の光防御を制御する~
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    agrisearch 2020/03/24
    2019/9/10
  • プレスリリース - 植物のユニークな細胞分裂の仕組みを解明

    細胞分裂はあらゆる生物の成長の根幹となる生命現象です。植物の細胞分裂は根や茎の先端で繰り返され、植物の成長は細胞分裂の効率に大きく依存します。植物細胞は細胞板で細胞質を仕切ることにより分裂します。この仕組みは細胞がくびれることにより分裂する動物細胞と異なっています。植物細胞が細胞板を形成して細胞分裂をする仕組みには未解明の部分が数多く残されています。 情報・システム研究機構 国立遺伝学研究所の小田祥久教授らの研究グループは、植物細胞が細胞板を効率よく作り出す仕組みを世界で初めて明らかにしました。研究グループは、細胞板を作り出す装置に含まれるタンパク質「CORD4」を見出し、CORD4が細胞板の成分を運ぶレールである微小管(1)を効率よく配置することにより、細胞板をより短時間で作り出していることを突き止めました。 研究により、植物のユニークな細胞分裂の仕組みの一端が明らかになりました。こ

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    agrisearch 2020/03/24
    2019/11/15
  • プレスリリース - マメ科植物の根粒と側根の発達は共通した遺伝子が制御することを発見

    窒素は全ての生物が生命を維持するために必須な成分です。一般に植物は硝酸塩やアンモニアといった窒素栄養素を土壌から吸収します。一方、マメ科植物は、根粒と呼ばれる特殊な器官に窒素固定細菌を共生させており、ほとんどの生物が利用できない空気中の窒素を栄養素として使うことができます。そのために、マメ科植物は窒素栄養素が乏しい痩せた土地でも生育することができます。 根粒共生は、植物にとっても、またその恩恵に預かる我々にとっても大変有用な形質ですが、マメ科植物とマメ科に近縁な一部の植物だけで見られる現象です。これまでの研究により、根粒共生に関わる遺伝子についての情報は次第に蓄積されてきていますが、マメ科植物の根粒共生の能力が進化の過程でどのように獲得されてきたのかは、よく分かっていませんした。基礎生物学研究所 共生システム研究部門の征矢野敬准教授と理化学研究所 環境資源科学研究センター 植物共生研究チー

    プレスリリース - マメ科植物の根粒と側根の発達は共通した遺伝子が制御することを発見
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    agrisearch 2020/03/24
    2019/11/22
  • プレスリリース - 植物の根に重力方向を伝える新しい因子の発見 ~オーキシンを重力側へより多く分配するしくみ~

    基礎生物学研究所 植物環境応答研究部門の森田(寺尾)美代教授と西村岳志助教、中村守貴特任研究員、福建農林大学の古谷将彦教授、東京大学の平野良憲助教は、奈良先端科学技術大学院大学の箱嶋敏雄教授、基礎生物学研究所/生命創成探究センターの加藤輝特任助教、立命館大学の深尾陽一郎准教授らとの共同研究により、シロイヌナズナを用いて重力感受細胞において重力方向の情報伝達に関わる新しい因子RLDを発見しました。 植物の根は地中に向かって、茎は空に向かって成長します。これは植物が重力の方向を感じ取って行う重力屈性と呼ばれる反応です。重力の方向は根や茎の重力感受細胞と呼ばれる特別な細胞で感知されることや、重力方向に反応した植物の屈性がオーキシンの輸送の制御によって行われることなどが知られていますが、重力感受細胞内での重力方向の情報伝達の仕組みの詳細は不明でした。森田教授らの研究グループはこれまでに、LZYと呼

    プレスリリース - 植物の根に重力方向を伝える新しい因子の発見 ~オーキシンを重力側へより多く分配するしくみ~
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    agrisearch 2020/03/24
    2020/1/7
  • プレスリリース - フラボノイド生合成酵素の「影武者」 カルコン異性化酵素類似タンパク質 〜陸上植物の生存戦略におけるその役割〜

    【発表のポイント】 1.約4億5000万年前の地球において植物が上陸したときに、陸上環境に適応するために植物はフラボノイドとよばれる化合物群を生産するようになった。現存の陸上植物においても、フラボノイドはストレスへの適応や生殖に欠かせないものとなっており、ヒトの健康に関わる品成分としても注目されている。 2.フラボノイドの生合成に関わる酵素の一つカルコンイソメラーゼ(CHI)と瓜二つであるが酵素活性を持たないタンパク質(カルコン異性化酵素類似タンパク質CHIL)が、フラボノイド合成の鍵酵素(カルコン合成酵素)の活性を矯正し、フラボノイド合成の効率を向上させる働きがあることが分かった。また、この働きが陸上植物で普遍的であることも分かった。 3.CHILは有用フラボノイドを異種生物で効率良く生産させるための必須なツールになると考えられる。 【概要】 東北大学大学院工学研究科バイオ工学専攻応用

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    agrisearch 2020/03/24
    2020/2/28
  • プレスリリース - ほ乳類胚の胚が発生を一旦止める機構 〜胚の発生の休止と再開は領域により細胞間で異なる〜

    多くのほ乳類において、受精後発生を進める胚が着床前の段階で一時的に発生を休止することが知られており、これは発生休止(遅延着床とも呼ばれる)と呼ばれる現象である。母親が置かれた環境が整うと、発生を再開する。 基礎生物学研究所 初期発生研究部門の亀水千鶴研究員、藤森俊彦教授の研究グループはマウス胚が発生休止に入る過程、休止中からの発生を再開する過程を細胞レベルで観察した。発生休止中の胚においても細胞の分化状態は維持されたままであるが、発生休止過程が複数のステップに分離できること、細胞周期の停止が胚の領域や分化形質によって異なることを明らかにした。また、発生休止からの再開においても胚の領域によって進み方が異なることから、発生休止を制御する機構が胚の領域によって異なることが示唆された。成果はBiology of Reproduction誌に掲載された。 【研究の背景】 ほ乳類の体作りは卵と精子が

    プレスリリース - ほ乳類胚の胚が発生を一旦止める機構 〜胚の発生の休止と再開は領域により細胞間で異なる〜
  • プレスリリース - メダカのストレスに対する応答性の季節変化に長鎖ノンコーディングRNAが関与していることを発見

    基礎生物学研究所 季節生物学研究部門の中山友哉特別共同利用研究員(名古屋大学 大学院生)、新村毅特任助教(現東京農工大学 准教授)、四宮愛特任助教、吉村崇客員教授(名古屋大学トランスフォーマティブ生命分子研究所 教授)らのグループは、基礎生物学研究所の成瀬清特任教授、竹花佑介助教(現長浜バイオ大学 准教授)、亀井保博特任准教授、名古屋大学の田中実教授、西村俊哉助教、東京大学の大久保範聡准教授らとともに、メダカのストレスに対する応答性(ストレス応答*1)の季節変化に長鎖ノンコーディングRNAが関与していることを明らかにしました。 四季が明瞭な地域では季節ごとに環境が大きく変化します。動物たちはこの環境変化に適応するために、外部環境からのストレスに対する応答性を季節によって変化させることが知られていましたが、その分子機構は明らかになっていませんでした。研究では日の長さを変化させた際に、メダカ

    プレスリリース - メダカのストレスに対する応答性の季節変化に長鎖ノンコーディングRNAが関与していることを発見
  • プレスリリース - カブトムシの角(ツノ)にオスとメスとの違いが現れる時期の特定に成功

    基礎生物学研究所の森田慎一研究員と新美輝幸教授らの共同研究チームは、カブトムシのメスをオスにする遺伝子を同定することで、角の性差(オスとメスの違い)が現れる時期の特定に成功しました。 カブトムシのオスは立派な角を持ちますが、その角を作るための遺伝子が働き始める時期の詳細は不明でした。今回研究チームは、土を使わずに試験管内でカブトムシ幼虫を観察する方法を確立し、角形成に重要な前蛹と呼ばれる時期に見られる特徴的な行動として「首振り行動」を見出しました。また、カブトムシの性を決める遺伝子transformerを特定しました(transformer遺伝子が働いた個体はメスになり、働かない個体はオスになります)。メスの幼虫において、この遺伝子の機能を完全に抑制すると、メス化が阻害されオスと同様に角が形成されます(図参照)。この現象と試験管内観察法を利用して、角が形成されると予測される前蛹期前後の様々

    プレスリリース - カブトムシの角(ツノ)にオスとメスとの違いが現れる時期の特定に成功
  • プレスリリース - 植物の双葉を2枚にする酵素を発見 〜植物の形づくりと代謝反応の関係のさらなる理解に貢献〜

    理化学研究所(理研)環境資源科学研究センター代謝システム研究チームの平井優美チームリーダーと自然科学研究機構生命創成探究センターの川出健介特任准教授(同機構基礎生物学研究所特任准教授)、東京大学大学院理学系研究科の塚谷裕一教授らの共同研究チームは、脂肪酸の代謝に関わる「CYP77A4」という酵素が、植物の種(たね)の中で双葉を確実に2枚にする働きをしていることを発見しました。 研究成果は、植物の形づくりに関わる代謝反応を見つけるための有効な手段を提案するものです。この手法を別の酵素や生物種に適用することで、植物の形・大きさと生体内の代謝反応の関係を深く理解できると期待できます。 双葉は2枚の葉(子葉)のことです。双葉が出る芽生えの多くでは、2枚の子葉はきちんと左右に分かれていて、種の中で既に数と出てくる場所も決められています。今回、共同研究チームは、代謝反応と植物の形・大きさとの関係に注

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    agrisearch 2018/12/10
    2018/9/13
  • プレスリリース - イモリの再生能力の謎に迫る解析技術の確立 ~新規の器官再生研究モデル生物とゲノム編集技術を用いて~

    研究成果のポイント】 新規モデル動物イベリアトゲイモリ※1とゲノム編集ツールであるCRISPR-Cas9※2を組み合わせることにより迅速かつ高効率な発生再生遺伝子の機能解析法を確立しました。 解析法を用いて、器官発生において中心的な役割を果たすソニックヘッジホッグ遺伝子※3の転写調節領域※4の中に、四肢再生にも重要な配列があることを明らかにしました。 研究の成果は、有尾両生類であるイモリの高い器官再生能力や、ヒトの疾患に関与する遺伝子の機能を解明するためのツールやヒントとなり、今後の再生医療研究への貢献が期待されます。 有尾両生類であるアホロートルやイモリは、失ったり傷ついたりした組織や器官を元通りに修復する非常に高い器官再生能力を持っており、古くから生物学において注目されてきました。しかしながら、飼育繁殖が難しく、効率的な遺伝子機能解析の方法が未確立であったことから、その高度な器

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    agrisearch 2018/12/10
    2018/9/14
  • プレスリリース - テントウムシの多様な斑紋を決定する遺伝子の特定に成功

    基礎生物学研究所 進化発生研究部門の安藤俊哉助教と新美輝幸教授らの共同研究チームは、テントウムシの多様な翅の斑紋(模様)を決定する遺伝子の特定に成功しました。 ナミテントウの前翅には、同種でありながら200以上もの異なる斑紋が存在します。この斑紋の多様性は、遺伝の様式から、一つの遺伝子によってもたらされることが古くから知られていましたが、具体的な遺伝子の実体および斑紋形成メカニズムは全く不明でした。共同研究チームは、ナミテントウのゲノム解読などを行い、斑紋のパターンを決定する遺伝子がパニア(pannier)と呼ばれる遺伝子であることを特定しました。テントウムシの斑紋は、主に黒色と赤色のパターンとして作られますが、この遺伝子は、前翅がつくられる過程の、蛹の中期のステージにおいて黒色色素形成領域で働き、黒色色素(メラニン)の合成を促すと同時に赤色色素(カロテノイド)の沈着を抑制する機能をもつ

    プレスリリース - テントウムシの多様な斑紋を決定する遺伝子の特定に成功
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    agrisearch 2018/12/10
    2018/9/21
  • プレスリリース - 花粉管を長く伸ばすために必要な膜交通のしくみを発見

    被子植物の受精の過程では、花粉から花粉管が長く伸長し、卵細胞のもとへ精細胞が運ばれることが必須です。花粉管が正常に伸長するためには、ANXURに代表されるいくつかの受容体タンパク質が花粉管の先端部に局在してはたらくことが必要ですが、その局在化のしくみはこれまで分かっていませんでした。 今回、基礎生物学研究所の室啓太特別協力研究員および上田貴志教授らの研究グループは、理化学研究所の中野明彦光量子工学研究センター副センター長、名古屋大学の東山哲也教授のグループと協働し、花粉管の伸長に必要なタンパク質ANXURを花粉管先端へと正しく局在させるために必要な分子を発見しました。この分子(PICALM5aおよびPICALM5b)は、膜に埋め込まれたタンパク質の輸送に関わるANTHタンパク質の一種で、花粉管の先端よりやや基部の亜頂端領域で形成される輸送小胞にANXURタンパク質を積み込むはたらきを担って

    プレスリリース - 花粉管を長く伸ばすために必要な膜交通のしくみを発見
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    agrisearch 2018/12/10
    2018/10/1
  • プレスリリース - 食塩の過剰摂取によって高血圧が発症する脳の仕組みを解明 ~新たな治療薬の開発に期待~

    高血圧は、日の成人のうち約4300万人が罹患していると試算される重大な国民病です。塩の過剰摂取が高血圧の原因となることは良く知られており、その仕組みとして、体液中のNa+濃度が上昇することによって交感神経系が活性化し、その結果として血圧が上がる、という説が有力となっています。しかし、脳がどのようにしてNa+濃度を感知し、その情報をどのような仕組みで交感神経まで伝えられているのかは不明でした。 今回、自然科学研究機構 基礎生物学研究所の野村 憲吾研究員、野田 昌晴 教授(総合研究大学院大学 教授、東京工業大学 教授(併任))らの研究グループは、塩(塩化ナトリウム)の過剰摂取により体液中のナトリウム(Na+)濃度が上昇すると、脳内のNa+濃度センサーであるNax注1)がこれを感知して活性化する、その結果、交感神経注2)の活性化を介して血圧上昇が起こることを初めて示しました。 研究グルー

    プレスリリース - 食塩の過剰摂取によって高血圧が発症する脳の仕組みを解明 ~新たな治療薬の開発に期待~
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    agrisearch 2018/12/10
    「食塩(塩化ナトリウム)の過剰摂取により体液中のナトリウム(Na+)濃度が上昇すると、脳内のNa+濃度センサーであるNaxがこれを感知して活性化する…交感神経の活性化を介して血圧上昇が起こる」