Nemolizumabによるかゆみの抑制が確認されたことにより、IL-31がアトピー性皮膚炎により引き起こされるかゆみに重要な役割を果たしていることが示されました。今後、IL-31の制御がアトピー性皮膚炎の新たな治療手段やQOL向上の一助となる可能性が期待されます。 概要 アトピー性皮膚炎は、皮膚バリア障害、かゆみ、湿疹を主徴とする皮膚疾患で、慢性的に回復と悪化を繰り返し、患者とその家族の生活の質(QOL)に悪影響を与えています。また、アトピー性皮膚炎患者におけるかゆみの発生にはインターロイキン-31(IL-31)がIL-31受容体を介して関与していることが報告されており、IL-31を標的としたかゆみの治療戦略が期待されていました。 そこで本研究グループは、国内外の中等症から重症のアトピー性皮膚炎患者264名を対象に、IL-31受容体の中和抗体の有効性と安全性を検証しました。その結果、抗I