田んぼの真ん中から“温泉”が湧いた? 熊本地震の発生後、熊本県阿蘇市狩尾地区の田んぼからぬるい湯が湧き出し、「温泉か」と話題になっている。地震の影響とみられるが、もともと井戸などがあった場所ではなく、住民は首をかしげる。同地区では地震で地盤沈下や亀裂が多数発生。地下水が噴出したり、井戸が枯れたりする被害も相次ぎ、産業技術総合研究所(産総研、茨城県)は近く現地調査に乗り出す。 田園風景が広がる同地区。地震で地面がずれ、大きな起伏ができた県道沿いの田んぼの一角を見ると、高さ約50センチのパイプの先端からこんこんと透明な水が湧き出ていた。触ってみると生ぬるい。住民によると、湯は鉄分を含んでいるとみられ、約25メートル四方に広がる水たまりには、赤茶色の沈殿物が漂っていた。 田んぼの隣に住む高島ハチミさん(83)は、4月16日の「本震」後の朝、田んぼの異変に気付いた。「草の間から水が染み出し、湯
5月中旬、福岡県糸島市に広がる畑で作業着姿の人たちが農作業に汗を流していた。ニンジンの苗の間引き、ソラマメの収穫、草むしり。慣れた様子で作業しているのは、同市の障害者福祉施設「さんすまいる伊都」に通う人たちだ。 施設では2014年夏、竹がはびこる耕作放棄地約5千平方メートルを借りて農業を始めた。現在、企業での就労が困難な人が訓練する「就労継続支援B型」として、20~60代の十数人が働く。農薬や化学肥料を一切使わず、サトイモ、ゴボウ、大根などの野菜や米を栽培している。徐々に農地を広げ、今では当初の約4倍に増えた。 農作物は近隣の店で販売し、形がふぞろいのものは施設の食材に使う。農作業が向かない人は、ドッグフードなどの加工品作りを担当する。今秋には、地元のスーパーと提携し直売所もオープンする計画だ。利用者の一人で、足に障害がある男性(24)は「自分が作った野菜をいろんな人に食べてもらえるのがう
発達障害者 つらい避難所 物音、不規則な生活にパニック 行き場失い車中泊 2016/4/30 11:30 最大で18万人余りが避難した熊本地震。なお多くの被災者が避難生活を強いられる中、物音や予定外の出来事などに過敏に反応する特性のある発達障害を抱える人たちが行き場を失っている。多くが避難所の環境に耐えられず、車中泊や知人を頼って移住を余儀なくされている。 高機能自閉症の女性(27)は16日未明、熊本市の自宅で本震に見舞われた。散乱する落下物の中から布団と毛布だけを持ち出し、避難所へ身を寄せた。 発達障害とは自閉症や注意欠如多動症、学習障害などのこと。うち、自閉症を含む「自閉スペクトラム(連続体)症」の特徴としては社会性の障害、コミュニケーションの障害(言葉の遅れ)、想像力の障害とそれに基づくこだわり行動がある。重い知的障害を伴う人から知的能力の高い人まで幅広く、聴覚や視覚、嗅覚、味覚など
福岡県大牟田市の「不知火(しらぬい)病院」院長で精神科医の徳永雄一郎さん(67)が「『脳疲労』社会-ストレスケア病棟からみえる現代日本」(講談社現代新書)を出版した。IT化による仕事の形態の変化や、スマートフォン(スマホ)の普及などで、現代人は脳が疲れやすくなっていると指摘。国の調べでは国内に100万人以上の患者がいるとされるうつ病の発症も、「脳疲労」の状態を自分や家族が早めに気づくことで防げると語る。 徳永さんによると、脳疲労とは「脳の働きの一つである集中力や判断力が低下し、通常の就労や生活に支障を来す状態」。人間は本来、視覚、聴覚、嗅覚など五感を使って情報を得たり、コミュニケーションを取ったりしてきたが、現代人は「目と手(または指)」ばかり使い、その結果、五感と認知の異常が起き、脳の副腎皮質刺激ホルモンが過剰に分泌し、うつ病の発症につながると指摘する。 職場では、パソコンでの作業のよう
本震で動いたとみられる布田川断層。畑が高さ約50センチ近く隆起していた=16日午後3時22分、熊本県益城町 写真を見る 産業技術総合研究所の活断層・火山研究部門(茨城県つくば市)の緊急調査団が16日、熊本県益城町で、田んぼの表面に少なくとも長さ約50メートル、段差20~30センチにわたって、活断層が露出しているのを確認した。吉見雅行主任研究員は、衛星画像の解析結果も根拠に「16日未明の本震によって露出した布田川断層帯」との見方を示した。 吉見氏は「これほど地表に影響が出たからには、相当なエネルギーが放出されたとみられる」と指摘。今後、地表に影響が出た範囲を確認し、これまで推定された断層帯の位置と照合する。吉見氏は「布田川断層帯は相当の長さにわたり連続しているとみられており、実際に起きた地震の結果から研究結果を蓄積する必要がある」と話した。 =2016/04/16 西日本新聞=
アジアの大地で〈1〉タイ 大賀昌さん(59) オーガニックで地球救う 2016年02月17日01時13分 (更新 02月17日 01時50分) 農園でとれたマナオ(ライム)を手にする大賀さん。約1万2000平方メートルの農園と併設の加工場では計50人のタイ人が働く 写真を見る イチゴやトマトの間に植えられたネギ。ニンジンやタマネギは雑草に埋もれている。大賀昌(しょう)さん(59)の「ハーモニーライフ農園」は驚きに満ちている。 「ネギを植えると虫が来ない。雑草は、乾燥や雨による泥はねを防ぐし、土壌に繊維質を与える」 農園の場所はタイ東北部。収穫物を食い荒らす虫の活動が旺盛な熱帯で、欧米などの厳格な国際認証を受けたオーガニック(有機無農薬の農産物)を70種類も生産していると聞けば、誰もが目を丸くする。 「大切なのは“生命力”を引き出すこと」 粘土質の赤土は堆肥や雑草、微生物の力によって
農業用車両で事故死続発 目立つ「安全器具」の未使用 [熊本県] 2015年12月04日 00時07分 10月に山都町で起こった死亡事故で、男性が運転していたトラクター(山都署提供)写真を見る トラクターや耕運機など、乗車型の農業用機械を運転中の死亡事故が県内で後を絶たない。県農業技術課によると、今年だけで計9件発生し、ほとんどが70~80代の高齢者だった。県警などによると、運転者が機械にはさまれるのを防ぐ「安全フレーム」の未装備や未使用、シートベルトの未着用といったケースが死亡事故の大きな要因として目立つという。 10月上旬の午後4時半ごろ、山都町の農道脇の畑で、男性=当時(52)=がトラクターの下敷きになっているのが見つかり、搬送先の病院で死亡した。山都署は、男性が町道から約3メートル下の休耕田に下る際、幅約1・6メートルの作業道から誤ってトラクターごと転落したとみている。署によると、現
【動画付き】九工大の有翼ロケット打ち上げ成功 使い回し可能、低コスト化図る 2015年11月20日12時03分 (更新 11月20日 17時16分) 宇宙開発 平尾台で打ち上げられた有翼ロケット実験機 =20日午前10時すぎ、北九州市小倉南区写真を見る平尾台で打ち上げられ、パラシュートで着陸する有翼ロケット実験機 =20日午前10時すぎ、北九州市小倉南区写真を見る 飛行機のように繰り返し飛ばせる有翼ロケットの開発に取り組む九州工業大(北九州市戸畑区)の米本浩一教授(航空宇宙工学)の研究グループは20日、同市小倉南区の平尾台で実験機を打ち上げ、自律飛行にほぼ成功した。米本教授は「想定した軌道からはそれたが、素直にうれしい。これからデータを分析し、(打ち上げの)精度を高めたい」と話した。 同グループは、使い回すことでロケット打ち上げの低コスト化を図る研究を2005年から続けている。13年6月の
三里松原ピンチ 害虫が猛威、枯死10倍に急増 [福岡県] 2015年10月26日 00時31分 松枯れが深刻化している岡垣町の三里松原=昨年3月写真を見る三里松原にクロマツの苗木を植える子どもたち写真を見る 響灘沿いの海岸線約12キロに広がる「三里(さんり)松原」(岡垣町)で、松枯れ被害が深刻化している。害虫の大量発生で枯死本数は最近3年で、従来の10倍の2万~3万本台に急増。地元住民は懸命に植樹に取り組んでいるが、江戸時代以来の白砂青松を守るには、抜本的対策が急務という状況だ。 岡垣町によると、1750年代に防砂林として植林された三里松原は、総面積約430ヘクタール(ヤフオクドーム約60個分)の国有林。町北西部~芦屋町境一帯に数十万本が生えている。面積は県内一の規模で、1987年には「白砂青松100選」にも選ばれた。 松枯れは2009年度まで2、3千本だったが、10年度に5278本、11
九大の研究資料が散逸危機 750万点、財源不足 [福岡県] 2015年09月17日 03時00分 希少な昆虫の標本などを所蔵している九州大総合研究博物館。資料散逸の危機に直面している=福岡市東区写真を見る常設展示では世界的に希少なアンモナイト化石も一般公開している写真を見る 福岡市東区の九州大箱崎キャンパスで管理している、世界的に希少なアンモナイトの化石や昆虫など約750万点の研究資料が、散逸の危機に直面している。キャンパスは2018年度までに同市西区に移転予定だが、新たな保存施設を建設する費用のめどが立たないためだ。古生物学、鉱物学など幅広い分野の資料がそろい、国内外の研究者に広く活用されているだけに、大学関係者は危機感を募らせている。 研究資料を管理しているのは、00年に発足した同大総合研究博物館。各学部が所蔵する資料を分類してデータベース化したり、数十万点の資料を館内に置き、一部は旧
「○○ちゃんはご飯が大好きなんだよ。いつも山盛り」。配膳された給食を前に年長組の男の子がズボンをつかみ、人懐こく話し掛けてきた。机の上にはみそ汁、焼き魚などが並ぶ。 福岡市早良区の住宅街にある高取保育園(213人)。西福江園長(85)が保育士を経て1968年に開園して以来、食にこだわり、和食中心の給食を提供してきた。みそ汁はいりこだしが基本。カルシウムを取れるよう粉末にして入れる。この日の具材はキャベツ、豆腐、油揚げ。主食は雑穀入りの玄米。毎日欠かさない納豆は日替わりの食材を混ぜる。この日は切り干し大根、しらす干し、ゴマなど。副菜のコンニャクのいり煮は野菜やエノキタケのだしが効いておいしい。 「子どもたちが元気な上に落ち着いている。自然な感じは、訓練ではなく食による影響だと感じざるを得ない」。農業を通して子育て支援に関わる新潟市の農業、高塚俊郎さん(44)は感心しきりだ。農業体験学習事業を
イノシシ 玄界島襲来 08年確認 数十頭、被害相次ぐ 開発で居場所失う 2015年05月06日(最終更新 2015年05月06日 00時05分) 写真を見る畑の内側からも網を張る寺田さん=福岡市西区の玄界島写真を見る 2005年3月の福岡沖地震で大きな被害に見舞われた玄界島(福岡市西区)が、新たな厄介者に悩まされている。イノシシだ。畑や山を荒らし回り、住宅付近にも出没する。約500人の島民の我慢ももう限界だ。かつて島にはいなかった。「あそこから泳いできたとよ」。島民は海を隔てた対岸をさしながら、そう口をそろえる。指さす向こうにあるものは-。 「なんでんかんでん(何でもかんでも)食べてしまう。網をしとっても、土の中を潜ってくるけんね」 玄界小・中学校近くの畑で、寺田早苗さん(77)はあきれたような表情を浮かべた。自家用のサトイモやタマネギ、キャベツを育てる畑は130平方メートルほど。高さ2・
農業とロボット 「きつい仕事」も今は昔に 2014年01月14日(最終更新 2014年01月14日 10時41分) 農業や農作業というと「重労働」のイメージが付きまとう。しかし、60代や70代になっても農業を続ける人は珍しくない。農家には頑健な人がそろっているのか。それとも、別の理由があるのか。 コメ作りは随分と楽になった。こんなことを言うと生産者に叱られそうだが、実際、コメ作りに費やす労働時間は大幅に減った。 ▼労働時間は6分の1に 2012年産米の10アール当たりの労働時間は約25時間だった。ちなみに50年前の1962年は153時間、30年前の82年は60時間である。半世紀で6分の1になった。 50年前は1ヘクタールの水田でコメを作るのに1530時間かかっていたことになる。単純計算で同じ時間で今は6ヘクタールのコメ作りが可能だ。 朝早くから夜遅くまで働き続ける。それが当たり前のような労
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