富士見町内の釜無ホテイアツモリソウ自生地で近年、ハエによる種子の食害が散発していることが分かった。ハエの種類は鑑定中だが、ラン科植物に寄生するランミモグリバエとみられ、全国的に野生ランの被害が深刻化する。希少種の保全再生に取り組む町アツモリソウ再生会議は、個体数の減少につながりかねないとして対策の強化に乗り出す考えだ。 神戸大学などの研究チームによると、ランミモグリバエは体長3ミリほどで、ランの果実に産卵し、ふ化した幼虫は種子を食べて成長する。羽化の際にさや(果実)を食い破って出ていくが、再生会議によると、町内の自生地でも数年前から、穴の空いたさやが見られるようになった。 26日に役場で開いた再生会議の総会で報告し、早急に対策を講じることを決めた。防除は農薬散布と開花直後の株への袋がけが主だが、自生地に農薬はまけず、来年の開花期に袋がけの対策を実施する方針を確認。年度内には環境省に必要な許