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  • 窒素循環は気候に影響を与える ――人間活動が地球環境に影響を与える知られざる側面―― | 東京大学大学院農学生命科学研究科・農学部

    発表のポイント 人間活動から放出された反応性窒素が地球環境に与える影響を初めて包括的に評価しました。 反応性窒素の増加が大気や陸域の窒素循環の変化を通じて気候システムに影響を与えていることが明らかとなりました。 人為起源の窒素利用と温室効果ガス排出を同時に削減することによる効果的な気候変動対策に貢献することが期待されます。 発表概要 東京大学大学院農学生命科学研究科の伊藤昭彦教授らによる研究グループは、人為起源の反応性窒素(Nr)(注1)が地球環境に与える影響を明らかにしました。研究では、人間活動による窒素放出インベントリ、大気化学モデル、陸域窒素循環モデルを用いることで、環境中に放出された反応性窒素が大気中の微粒子や温室効果ガス、さらに陸域生態系の炭素収支に変化を与えることで気候システムに影響を与えていることを初めて解明しました(図1)。炭素循環が大気中の二酸化炭素(CO2)の濃度を介

    窒素循環は気候に影響を与える ――人間活動が地球環境に影響を与える知られざる側面―― | 東京大学大学院農学生命科学研究科・農学部
  • C<sub>4</sub>植物の光合成能力と環境適応力はC<sub>3</sub>植物よりも進化的に優れている――地球温暖化・気候変動に適応する植物の開発へ期待―― | 東京大学大学院農学生命科学研究科・農学部

    ホーム 研究成果 C4植物の光合成能力と環境適応力はC3植物よりも進化的に優れている――地球温暖化・気候変動に適応する植物の開発へ期待―― 発表のポイント C4植物とC3植物において光の強さの変化に対する応答を調べたところ、C4植物、C3植物とC4植物の中間型、C3植物の順に光合成誘導と気孔応答が素早く、環境に素早く適応する能力を持っていることが分かりました。 C4植物はC3植物から進化する過程でCO2濃縮機構という機能を獲得し、高温・乾燥地域に適応していると考えられています。この性質が、野外で日常的にさらされている変動光に対してどのように応答しているかを明らかにしました。 研究成果は、植物が進化の過程で獲得した形質の有用性を証明するとともに、この優れた形質をほかの植物に導入し、将来の地球温暖化・気候変動に適応した植物を作出することの可能性を示しました。 発表概要 東京大学大学院農学生命

    C<sub>4</sub>植物の光合成能力と環境適応力はC<sub>3</sub>植物よりも進化的に優れている――地球温暖化・気候変動に適応する植物の開発へ期待―― | 東京大学大学院農学生命科学研究科・農学部
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    agrisearch 2024/07/25
    「C4植物、C3植物とC4植物の中間型、C3植物の順に光合成誘導と気孔応答が素早く、環境に素早く適応する能力を持っていることが分かりました」
  • バイオマス発電のための未利用材の供給コストを地域全体で最小化する | 東京大学大学院農学生命科学研究科・農学部

    発表のポイント 地域内に複数存在する小規模分散型バイオマス発電所が、地域で発生する未利用材を等分してエネルギー利用する場合において、未利用材の燃料コストの合計を最小化するように供給先を決定しました。 この手法を全国158の森林計画区の1つに適用し、地域に1基存在する大規模集中型のバイオマス発電所よりも、複数の小規模分散型発電所へ未利用材を供給する方が、未利用材の単位重量あたりの燃料コストが安くなることを示しました。 発電コストを含めた電力1kWhあたりの総コストは、分散型が集中型よりも高くなってしまいましたが、発電時に発生する熱の利用が可能な小規模分散型発電が、大規模集中型よりもコスト面で有利になる熱利用の条件を提示しました。 発表内容 背景 2012年7月に施行された再生可能エネルギーによる電力の固定価格買取制度(FIT)において高額な買取価格が設定されたことから、間伐材や林地残材からな

    バイオマス発電のための未利用材の供給コストを地域全体で最小化する | 東京大学大学院農学生命科学研究科・農学部
  • 附属農場で育ったトマトの図鑑が刊行されます | 東京大学大学院農学生命科学研究科・農学部

    7月11日に『東京大学の農場で野菜や果実を育ててみた-美しいトマトの科学図鑑』が刊行されましたのでお知らせいたします。 著者である矢守航准教授より紹介のコメントをいただきましたので掲載いたします。 美しいトマトたち:東京大学の附属農場で育った多彩なトマト品種の魅力 世界中で栽培され、さまざまな料理になって卓を彩っているトマト。町では最近、赤いトマトだけでなく黄色いトマトもよく目にするようになりました。実は、トマトの品種は日だけでも300種類以上存在します。書『美しいトマトの科学図鑑』は、そんなトマトの魅力がいっぱいにつまった一冊です。東京大学 大学院農学生命科学研究科 附属生態調和農学機構で育てられた50種類のトマトを、美しい写真とともに詳しく紹介しています。 書では、50品種のトマトを科学的に分析。糖度や酸度、旨味といった味の特徴から、季節と味の関係まで、トマトの奥深い世界を紐解

    附属農場で育ったトマトの図鑑が刊行されます | 東京大学大学院農学生命科学研究科・農学部
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    agrisearch 2024/07/12
    『東京大学の農場で野菜や果実を育ててみた-美しいトマトの科学図鑑』
  • 牧野富太郎博士が命名した植物を使って ダーウィンの研究した自家受精進化の謎を解明 〜新たな植物種の交配など栽培植物の育種の応用へ〜 | 東京大学大学院農学生命科学研究科・農学部

    ホーム 研究成果 牧野富太郎博士が命名した植物を使って ダーウィンの研究した自家受精進化の謎を解明 〜新たな植物種の交配など栽培植物の育種の応用へ〜 発表概要 横浜市立大学 清水健太郎客員教授(チューリッヒ大学教授兼任)らの研究グループは、自家受精する植物が持つ遺伝子の変異を実験的に修復して、自家受精を防ぐ祖先植物のメカニズムを回復することに成功しました。 異なる2種間の雑種由来の倍数体植物では他家受精から自家受精への進化が頻繁に見られることが知られていましたが、そのメカニズムは謎に包まれていました(図1左)。そこで、日を中心に分布する倍数体植物ミヤマハタザオと、牧野富太郎博士が命名したことでも知られる亜種タチスズシロソウをモデル植物(注1)として、ゲノム解析と遺伝子導入実験をおこないました。その結果、他家受精植物では低分子RNAを介して片親ゲノム上にある自家受精拒絶システムが抑制されて

    牧野富太郎博士が命名した植物を使って ダーウィンの研究した自家受精進化の謎を解明 〜新たな植物種の交配など栽培植物の育種の応用へ〜 | 東京大学大学院農学生命科学研究科・農学部
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    agrisearch 2024/02/26
    「倍数体種ミヤマハタザオの自家不和合性遺伝子SCR/SP11の変異を修復することにより、進化を逆流させて、祖先の自家不和合性を復元することに成功した。 牧野富太郎博士が命名した亜種タチスズシロソウの実験とあわせ」
  • 病原性因子の標的選択性を決める新たな仕組みを発見 ――葉化病の治療薬開発に期待―― | 東京大学大学院農学生命科学研究科・農学部

    発表のポイント 病原体が分泌する病原性因子には、特定のタンパク質に結合して分解する働きを持つものが数多くあります。その場合、「病原性因子が結合するタンパク質は分解の標的である」と考えるのが一般的でした。 今回、ファイトプラズマの分泌する病原性因子「ファイロジェン」が、植物タンパク質と結合するにも関わらず分解しない場合があることを発見し、その標的選択性が分解装置への輸送の可否により決まることを明らかにしました。 ファイロジェンと結合しても分解されない植物タンパク質は、ファイロジェンの働きを阻害する治療薬として逆利用できる可能性があり、葉化病の予防・治療につながることが期待されます。 発表内容 研究成果概要 東京大学大学院農学生命科学研究科の鈴木誠人大学院生と前島健作准教授らの研究グループは、植物の花を葉に変える細菌タンパク質「ファイロジェン」が宿主タンパク質を選択的に分解する新しい分子メカニ

    病原性因子の標的選択性を決める新たな仕組みを発見 ――葉化病の治療薬開発に期待―― | 東京大学大学院農学生命科学研究科・農学部
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    agrisearch 2024/02/26
    「ファイトプラズマの分泌する病原性因子「ファイロジェン」が、植物タンパク質と結合するにも関わらず分解しない場合があることを発見し、その標的選択性が分解装置への輸送の可否により決まること」
  • 植物リボソームの栄養濃度の感知機構を解明――栄養条件に応じた生育促進の巧みな仕組み―― | 東京大学大学院農学生命科学研究科・農学部

    発表のポイント タンパク質の合成過程(翻訳)での植物の無機栄養の感知とそれに伴うタンパク質合成過程の変化が分子レベルで解明されました。これまで知られていなかった80Sリボソーム複合体がmRNA上を滑って移動するプロセスが翻訳制御に重要であることが明らかになりました。 翻訳を通じた植物の無機栄養の欠乏に対する反応の分子機構が初めて明らかにされました。 この翻訳制御は植物の栄養吸収を担う遺伝子を栄養条件に応じて厳密に発現させるために不可欠な仕組みであり、この仕組みを人為的に変化させることによって、植物の栄養吸収能力を高めたり、栄養をあまり必要としない作物の開発につながる可能性があります。 発表内容 東京大学大学院農学生命科学研究科の藤原 徹教授、理化学研究所生命機能科学研究センター伊藤 拓宏チームリーダー、および理化学研究所開拓研究部 岩崎 信太郎主任研究員、東北大学大学院生命科学研究科 横

    植物リボソームの栄養濃度の感知機構を解明――栄養条件に応じた生育促進の巧みな仕組み―― | 東京大学大学院農学生命科学研究科・農学部
  • 農産物茎葉の新たな活用法を創出する常温酸処理GrAASプロセスの開発 ―農業を低・脱炭素産業につなぐ新たな技術― | 東京大学大学院農学生命科学研究科・農学部

    ポイント 稲わらなどの農作物茎葉は腐敗・変質しやすいため、長期的な炭素貯留を想定した低・脱炭素産業への利用が課題でした。農研機構は、常温で酸処理することにより茎葉の繊維を解きほぐしやすくする新技術GrAASプロセスを開発し、埼玉大学、東京大学と共同でこの現象を詳細に解析しました。手法の利用により、茎葉を繊維・構造資材として利用しやすくするだけでなく、繊維の糖化性1)が向上し、バイオ燃料等などへの変換利用が可能となります。技術によって、農業から低・脱炭素産業を創出できるものと期待されます。 概要 気候変動の激化に伴い、低・脱炭素への取り組みなど対策の加速が求められています。この対策の一つとして、空気中の希薄なCO2を直接分離回収するDAC(Direct Air Capture)技術が注目されています。農林業は、光合成によって大気中CO2を回収して農作物や木材に変換するDAC技術とみなせま

    農産物茎葉の新たな活用法を創出する常温酸処理GrAASプロセスの開発 ―農業を低・脱炭素産業につなぐ新たな技術― | 東京大学大学院農学生命科学研究科・農学部
  • 栄養屈性により曲がる根の内側と外側で見られる植物ホルモン応答 | 東京大学大学院農学生命科学研究科・農学部

    発表者 山崎 清志(東京大学 大学院農学生命科学研究科 応用生命科学専攻: 特任講師) 大森 良弘(東京大学 大学院農学生命科学研究科 アグリバイオインフォマティクス教育研究ユニット: 准教授) 高橋 宏和(名古屋大学 大学院生命農学研究科 植物生産科学専攻: 准教授) 豊田 敦(国立遺伝学研究所 先端ゲノミクス推進センター: 特任教授) 佐藤 豊(国立遺伝学研究所 ゲノム・進化研究系: 教授) 中園 幹生(名古屋大学 大学院生命農学研究科 植物生産科学専攻: 教授) 藤原 徹(東京大学 大学院農学生命科学研究科 応用生命科学専攻: 教授) 発表のポイント 植物の根が栄養の濃度勾配に曝されると、栄養の濃い方向に根の伸長方向を変えます(栄養屈性 nutritropism)。研究ではこの伸長方向の変化に植物ホルモンの合成や輸送が関与していることを明らかにしました。 発表概要 東京大学農学生命

    栄養屈性により曲がる根の内側と外側で見られる植物ホルモン応答 | 東京大学大学院農学生命科学研究科・農学部
  • 植物に化学工場を作る構造の発見 ――キュウリブルームレス変異株の解析から―― | 東京大学大学院農学生命科学研究科・農学部

    発表のポイント 分泌性トライコムに新しい構造を発見し、ネックストリップ(Neck strip)と命名しました。 この構造の発見により分泌性トライコムに物質を貯蔵する機構が明らかになりました。 この成果は植物の病気や害虫抵抗性、有用物質の生産向上に繋がることが期待されます。 発表概要 東京大学大学院農学生命科学研究科の神谷岳洋准教授らによる研究グループは、キュウリのブルーム(果実表面の白い粉)が形成されない変異株を解析することにより、分泌性トライコム(注1)の特定の細胞(neck cell)に形成されるリグニン(注2)が、分泌トライコムに貯蔵された物質が漏れないようにする障壁として機能することを見出しました。この構造は研究で初めて見出されたことから「ネックストリップ」と命名しました(図1)。ネックストリップは他の植物の分泌トライコムにも存在しており、植物に普遍的な構造であると考えられます。

    植物に化学工場を作る構造の発見 ――キュウリブルームレス変異株の解析から―― | 東京大学大学院農学生命科学研究科・農学部
    agrisearch
    agrisearch 2024/02/26
    「分泌性トライコム(注1)の特定の細胞(neck cell)に形成されるリグニン(注2)が、分泌トライコムに貯蔵された物質が漏れないようにする障壁として機能することを見出しました」
  • 新しい減農薬技術でブランド京野菜を守る! ~防除効果が大幅に向上した新型赤色防虫ネット~ | 東京大学大学院農学生命科学研究科・農学部

    発表概要 京都府農林水産技術センター、東京大学大学院農学生命科学研究科及び日ワイドクロス株式会社は、ネギやキャベツの難防除害虫ネギアザミウマの色に対する応答反応を解析し、効果的に防除できる新型赤色防虫ネットを開発しました。従来の防虫ネットに比べて防除効果が大幅に向上し、革新的な減農薬技術として英国の学術誌「Scientific Reports(サイエンティフィック レポート)」に論文が掲載されました。 発表内容 研究背景 ●今日、農業生産現場では、農薬に頼らない防除技術へのニーズが高まっており、特に『九条ネギ』等のブランド京野菜では一層の減農薬栽培が求められています。 ●農薬に代わる物理的防除技術として、最近10年ほどの間に「赤色防虫ネット」が生産現場に普及しつつありますが、減農薬技術としての十分な効果が得られているとは言えず、また、防除効果を示すメカニズムについても不明でした。 研究内

    新しい減農薬技術でブランド京野菜を守る! ~防除効果が大幅に向上した新型赤色防虫ネット~ | 東京大学大学院農学生命科学研究科・農学部
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    agrisearch 2024/02/19
    九条ネギ等のネギアザミウマ侵入抑制
  • 森林限界と南限地のダケカンバ苗木の生存率・成長率の低下はメカニズムが異なる | 東京大学大学院農学生命科学研究科・農学部

    ダケカンバは日の高山に生育する樹木です。国内11カ所から収集した苗木の生育試験をしたところ、森林限界と分布南限地由来の苗木の生存率や成長は他の苗木より低くなりました。森林限界地は気候条件、南限地は遺伝的特性と、それぞれ異なるメカニズムで適応性が低下していることが分かりました。 それぞれの植物はその植物にあった気候帯に分布しており、自然分布域の端に生育する個体を異なる環境に移すと、悪い成長を示す現象が見られます。この現象は、①分布の端の環境がその種にとっての極限環境で、異なる環境では適応能力を失うため②集団の小規模化・孤立化により、近親交配や遺伝的浮動の影響を受けやすいため――の二つの要因から説明されてきました。しかし、これら二つの要因が、それぞれどのように成長の低下を引き起こすのかはあまり分かっていませんでした。 研究では、日の高山に分布するダケカンバの苗木を国内11カ所から収集し、

    森林限界と南限地のダケカンバ苗木の生存率・成長率の低下はメカニズムが異なる | 東京大学大学院農学生命科学研究科・農学部
  • 身近な雑草に見える故郷の面影 ―日本の春の花はヨーロッパ原産、秋の花は北米原産が多い― | 東京大学大学院農学生命科学研究科・農学部

    発表概要 東京大学大学院農学生命科学研究科の丸山紀子大学院生(当時)、内田圭助教、河鰭実之教授、安永円理子准教授、東大農場・演習林の存続を願う会の宮崎啓子代表、千葉大学大学院園芸学研究院の深野祐也准教授らによる研究グループは、身近に生えている雑草数百種の開花スケジュールが、その雑草の『原産地域』に大きく影響を受けていることを発見しました。春に咲く雑草はほとんどがヨーロッパ原産である一方、秋に咲く雑草は日在来と北米原産が多かったことを明らかにしました(図1)。このパターンは、①国内の外来雑草537種を網羅した図鑑データベース、②1年間9地点、延べ234回にわたる現地調査(3,112記録)、そして③市民ボランティア(東大農場・演習林の存続を願う会)が25年間毎月行った植物調査(5,982記録)の3つの独立したデータで、一貫して観察された堅固なものでした。この研究は、外来生物の侵略性や管理を考

    身近な雑草に見える故郷の面影 ―日本の春の花はヨーロッパ原産、秋の花は北米原産が多い― | 東京大学大学院農学生命科学研究科・農学部
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    agrisearch 2023/11/29
    「ヨーロッパでも在来雑草は春咲き、北米でも在来雑草は秋咲きが多い傾向があった…ヨーロッパと北米ではそもそも雑草の開花時期が違っており、日本に侵入しても原産地域による開花特性を維持していた」
  • ドローンとAIで規格外野菜を減らす ――畑全個体のサイズを自動計測し、最適な収穫日を推定―― | 東京大学大学院農学生命科学研究科・農学部

    発表のポイント ドローン空撮と深層学習によって、畑で栽培しているブロッコリー全個体の花蕾サイズを自動推定・予測し、最適な収穫日の決定を支援するシステムを構築した。 農業現場での応用を見据え、一部が葉で隠れていても予測精度が高く、かつ計算時間が短くなる工夫を行った。 このシステムは規格外野菜を減らすことで、生産者の収入を増やし環境負荷を減らせる可能性がある。 研究成果のイメージ 発表概要 東京大学大学院農学生命科学研究科郭威准教授、Haozhou Wang大学院生、Tang Li大学院生、西田えり佳大学院生(当時)、加藤洋一郎教授、千葉大学大学院園芸学研究院の深野祐也准教授らによる研究グループは、ドローン空撮と深層学習を用いて、畑で栽培している数千個体のブロッコリー花蕾の大きさを自動で推定するシステムを開発しました。また、このシステムを用いて収穫日を決定することで、規格外野菜の割合を最小化し

    ドローンとAIで規格外野菜を減らす ――畑全個体のサイズを自動計測し、最適な収穫日を推定―― | 東京大学大学院農学生命科学研究科・農学部
  • 日本列島のつる植物はよじ登り方で分布パタンが異なる ――木本性つる植物群集の機能的生物地理学―― | 東京大学大学院農学生命科学研究科・農学部

    発表のポイント 温帯を中心とした地域で木性つる植物の分布状況を踏査し、分布に関わる環境要因を包括的に検証しました。 登攀様式の異なるつる植物では分布に関わる環境要因が異なり、特にRoot climberと呼ばれるつる植物では密度やバイオマスと気温との関係がこれまでつる植物で知られていたパタンと異なること、雪との関わりが強いことがわかりました。 環境勾配に沿ったつる植物群集の登攀様式の構成の変化は、森林におけるつる植物群集の機能的生物地理学の重要性を示しています。 発表概要 東京大学農学生命科学研究科生圏システム学専攻の日下部玄(博士課程)と日浦勉教授、森林総合研究所の森英樹研究員は日列島の亜熱帯から亜寒帯に及ぶ19の森林の踏査とデータ解析から、木性つる植物の分布パタンはつる植物の登攀様式(注1)によって異なることを明らかにしました。 これまで、気候帯を跨ぐような規模でのつる植物の分布

    日本列島のつる植物はよじ登り方で分布パタンが異なる ――木本性つる植物群集の機能的生物地理学―― | 東京大学大学院農学生命科学研究科・農学部
    agrisearch
    agrisearch 2023/09/01
    「Root climberの幹密度は調査地の最大積雪深と正の関係がみられた一方、Twining climberのバイオマスは最大積雪深と負の関係がみられました」
  • 富士山の亜高山帯林に広がるコケ林床上では、シアノバクテリアによる窒素固定が行われている | 東京大学大学院農学生命科学研究科・農学部

    発表者 東京大学大学院農学生命科学研究科森林科学専攻森林植物学研究室 久保田 将之(博士課程) 松下 範久(准教授) 中村 俊彦(農学特定支援員) 福田 健二(教授) 発表のポイント 富士山の亜高山帯林の林床を覆うコケ植物にはシアノバクテリア注1が着生しており、約0.9kg/ha/年の窒素固定注2を行っていることを明らかにしました。 着生するシアノバクテリアは、北欧の北方林と共通の系統でしたが、北欧では2種(OTU注3)しか見つかっていないマイナーな系統に属する多くの未記載種(OTU)が見つかり、富士系統(Fuji-subcluster)と名付けました。 シアノバクテリアの窒素固定量はコケ茎葉体の窒素濃度と負の相関があり、コケの窒素要求量に敏感に反応していることが示唆されました。 発表内容 図1:コケが覆う林床(富士山亜高山帯のコメツガ林、標高2000m) (拡大画像↗) 図2:タチハイゴ

    富士山の亜高山帯林に広がるコケ林床上では、シアノバクテリアによる窒素固定が行われている | 東京大学大学院農学生命科学研究科・農学部
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    agrisearch 2023/04/12
    「イワダレゴケやタチハイゴケにシアノバクテリアが着生しており」
  • プロテインノックダウン技術の確立に一歩近づく ――花を葉化する細菌タンパク質「ファイロジェン」の 花形成タンパク質認識機構を解明―― | 東京大学大学院農学生命科学研究科・農学部

    ホーム 研究成果 プロテインノックダウン技術の確立に一歩近づく ――花を葉化する細菌タンパク質「ファイロジェン」の 花形成タンパク質認識機構を解明―― 発表者 東京大学大学院農学生命科学研究科 北沢 優悟 (特任助教) 岩渕 望 (特任研究員) 前島 健作 (准教授) 発表のポイント ファイトプラズマの分泌するタンパク質「ファイロジェン」は、植物のMADS転写因子 (花を咲かせる因子) に結合し、分解することで花を葉へと変化させます。 ファイロジェン内のMADS転写因子との結合領域が、スクリーニング実験とAIによる複合体構造予測の併用により明らかとなりました。 領域を改変することで、標的タンパク質を自由に制御し分解する (プロテインノックダウン) 技術の開発につながります。 発表内容 図1:ファイトプラズマに感染し「葉化病」を発症したアジサイ (右) 病原細菌ファイトプラズマは植物タンパ

    プロテインノックダウン技術の確立に一歩近づく ――花を葉化する細菌タンパク質「ファイロジェン」の 花形成タンパク質認識機構を解明―― | 東京大学大学院農学生命科学研究科・農学部
    agrisearch
    agrisearch 2023/04/04
    「ファイトプラズマの分泌するタンパク質「ファイロジェン」は、植物のMADS転写因子 (花を咲かせる因子) に結合し、分解することで花を葉へと変化させます」
  • 圃場におけるダイズ子実数の計数AIを開発 ――収量予測技術や品種選抜の加速へ期待―― | 東京大学大学院農学生命科学研究科・農学部

    発表者 東京大学大学院農学生命科学研究科附属生態調和農学機構 趙 江三(特任研究員:研究当時) 郭 威(准教授) 農研機構作物研究部門 加賀 秋人(主席研究員) 発表のポイント 写真を撮影するだけでダイズの子実数を測定できる深層学習モデルを開発しました。 開発したモデルは、様々なカメラ撮影、ビデオ撮影に適用できます。 収量予測技術や品種選抜の加速に貢献することが期待されます。 発表概要 東京大学大学院農学生命科学研究科附属生態調和農学機構の郭威准教授らは、農業・品産業技術総合研究機構(農研機構)作物研究部門加賀秋人主席研究員のチームと、育種圃場のダイズ子実数を静止画像や動画から自動で測定する手法P2PNet-Soyを開発しました。 ダイズの収量調査は子実重の測定が一般的ですが、近年のフィールドセンシングや深層学習の発達によって、圃場のダイズの莢数を自動測定する手法が報告されました。しかし

    圃場におけるダイズ子実数の計数AIを開発 ――収量予測技術や品種選抜の加速へ期待―― | 東京大学大学院農学生命科学研究科・農学部
  • 酪農家における多剤耐性菌の存在と抗菌剤使用量との間の相関関係が明らかに | 東京大学大学院農学生命科学研究科・農学部

    発表者 菊池 允人(千葉県農業共済組合,東京大学大学院農学生命科学研究科獣医繁殖育種学研究室) 岡部 卓馬(千葉県農業共済組合) 清水 秀茂(千葉県農業共済組合) 松井 崇(千葉県農業共済組合) 松田 二子(東京大学大学院農学生命科学研究科獣医繁殖育種学研究室 准教授) 芳賀 猛(東京大学大学院農学生命科学研究科感染制御学研究室 教授) 藤 恭子(東京大学大学院農学生命科学研究科持続可能な自然再生科学研究室) 遠藤 裕子(東京大学大学院農学生命科学研究科持続可能な自然再生科学研究室) 杉浦 勝明(東京大学大学院農学生命科学研究科持続可能な自然再生科学研究室 特任教授) 発表のポイント 近年世界的に問題となっている抗菌剤への薬剤耐性(AMR)の対策を目的として、千葉県の酪農家において ウシの乳房炎罹患乳汁中の多剤耐性菌(MRSまたはESBL産生大腸菌群)の発生と抗菌剤使用量との関連を明らか

    酪農家における多剤耐性菌の存在と抗菌剤使用量との間の相関関係が明らかに | 東京大学大学院農学生命科学研究科・農学部
  • イネがマグネシウム濃度を維持するしくみの手がかりが見つかる —―植物のマグネシウム濃度恒常性に関与する分子の発見—― | 東京大学大学院農学生命科学研究科・農学部

    発表者 小林 奈通子 (東京大学大学院農学生命科学研究科 准教授) 高木 宏樹 (石川県立大学生物資源環境学部 准教授) 楊 笑雨 (東京大学大学院農学生命科学研究科 博士課程) 横井 彩子 (農業・品産業技術総合研究機構 生物機能利用研究部門/作物ゲノム編集研究領域 ゲノム編集技術グループ 上級研究員) 瀬川 天太 (石川県立大学生物資源環境学部 博士課程) 星名 辰信 (東京大学大学院農学生命科学研究科 修士課程(研究当時)) 大西 孝幸 (宇都宮大学農学部生物資源科学科 准教授) 鈴木 寿 (量子科学技術研究開発機構量子医科学研究所量子生命・医学部門/先進核医学基盤研究部 主任研究員) 岩田 錬 (東北大学サイクロトロン・ラジオアイソトープセンター 名誉教授) 土岐 精一 (龍谷大学農学部 教授) 中西 友子 (東京大学大学院農学生命科学研究科 名誉教授) 田野井 慶太朗 (東京大

    イネがマグネシウム濃度を維持するしくみの手がかりが見つかる —―植物のマグネシウム濃度恒常性に関与する分子の発見—― | 東京大学大学院農学生命科学研究科・農学部