発表のポイント 植物には他殖性を担保するために自家不和合性という仕組みがある。 屋久島に自生しているハマダイコンの自家不和合性遺伝子には島内集団間で異なる遺伝子分布が見られ、近隣の個体間で他家受粉していることを解明。 アブラナ科野菜の品種改良の効率化への応用が期待される。 概要 植物の生殖過程には、自己・非自己の花粉を認識することで子孫を残すべき花粉を選別する「自家不和合性*1」という仕組みがあります。自家不和合性遺伝子(S対立遺伝子*2)に関する実験室レベルでの解析は行われてきましたが、自然集団内における、S対立遺伝子の個体ごとの空間的な遺伝構造は不明でした。 東北大学大学院生命科学研究科の福島和紀大学院生、渡辺正夫教授らの研究グループは、宮城県仙台第一高等学校、屋久島環境文化研修センター、順天大学、株式会社トーホク、東京大学、三重大学、大阪教育大学との共同研究を行い、大規模なダイコン栽