京都大学(京大)は、タンザニア・マハレ山塊に生息する野生チンパンジーを長期的に観察したデータから、チンパンジーのオスは離乳後でも、母親を亡くすと生存が困難になることを明らかにしたと発表した。 同成果は、同大 野生動物研究センターの中村美知夫 准教授、同 伊藤詞子 研究員、同 座馬耕一郎 研究員、神戸学院大学の早木仁成 教授、鎌倉女子大学の保坂和彦 准教授らによるもの。詳細は米国科学誌「American Journal of Physical Anthropology」電子版に掲載された。 ほ乳類は生後しばらくの間、母親からの母乳を頼りに生きる必要があり、離乳前に母親が死別するなどの理由で母乳を得ることができなければその子供も死別してしまう。逆に言えば、ヒトを除くほ乳類は離乳さえしてしまえば、母親が不在でも生きていくことができると考えられてきており、ヒトに近縁な生物で、メスが集団間を移籍する