「COMIC LO」3月号に掲載された鬼束直先生の「Scar tissue」という作品が大変素晴らしく、感想を書きたい書きたいなんて思っていたのですが、「いや、せっかく書くんだったら、この漫画家さんの文脈をキッチリ押さえてからにしよう!」なんて、鬼束先生の単行本を集め始め、過去の作品を読んでいたら、漫画の掲載から随分時間が経ってしまいました。 にも関わらず、鬼束直という漫画家の作品の中でも「Scar tissue」が、かなり特異な位置づけにあり、特別な魅力を放っている、という意識は、自分の中でより一層強まっています。「Scar tissue」という作品が、なぜこんなにも自分の心を打つのか? 自分なりに考えた鬼束作品の魅力や漫画の特徴を含めて、この作品について、改めて考えてみたいと思います。 ■少女の身体は汚れているのか? 「Scar tissue」「Scar tissue」は、年上の男性相
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