ふくらはぎや足の裏の筋肉が突然けいれんを起こし、強い痛みを伴う「こむら返り」。夜寝ているとき、ふと足を伸ばしかけた途端に激痛が走って、あまりの痛さにベッドの上でかたまってしまった経験のある人も少なくないだろう。 こむら返りは、このように就寝中に足を伸ばしたときや、普段運動不足の人が十分に準備運動をしないままスポーツをしたとき、冷たいプールで水泳をしたとき――などに起こりやすい。また、糖尿病や肝疾患のある人、高齢者や妊婦などにも起きやすいことが知られている。 実は、こむら返りでは、ある筋肉だけが強く収縮し続ける“異常収縮”の状態になっている。こむら返りの「こむら」とは「ふくらはぎ」のことをいうが、太ももや腹部、足の裏など、ほかの筋肉にもこむら返りは起こり得る。では、なぜこのような筋肉の異常収縮が、健康な人にも突然起きるのだろうか? 有楽橋クリニック(東京都中央区)院長の林泰氏によれば、