プロパガンダに長けたオウム真理教 オウム真理教は、写真、書籍、雑誌、音楽、アニメ、テレビ、ラジオ、インターネットなどあらゆるメディアを積極的に活用し、きわめて先進的なプロパガンダを繰り広げていた。そういうと驚かれるかもしれない。 だが、今日政治宣伝を意味するプロパガンダは、かつて布教を意味する言葉だった。この歴史に照らせば、省庁制を取り入れ、宗教国家さえ夢想したオウムほど、プロパガンダという言葉にふさわしい組織もないのである。 オウムの前では、巧みなプロパガンダで注目された過激派組織の「イスラム国」さえ、遅すぎたように思われる。 とはいえ、地下鉄サリン事件などから時間が経ち、オウムについても記憶が徐々に薄らいでいる。ほかの新興宗教、政治団体、テロリストが模倣しないとも限らない。 そこで、麻原らへの死刑執行を機会に、あらためてそのプロパガンダの手法を振り返っておきたい。 「空中浮揚」をうまく