不肖・宮嶋、最後の戦場取材へ――。 数々のスクープ写真で知られる報道カメラマンの宮嶋茂樹さん(60)。これまでにイラク、北朝鮮、アフガニスタン、コソボなど海外取材を数多く経験し、あまたのスクープ写真を世に問うてきた。そんな不肖・宮嶋がロシアの軍事侵攻に揺れるウクライナへ。混乱する現地で見えてきた「戦争の真実」とは? 4月12日、不肖・宮嶋は首都キーウから西へ80キロほど離れた街マカリフへ。そこで見たのは「ウクライナの忠犬ハチ公」と言われる、1匹の秋田犬の姿だった。
2月の開戦以来、一進一退の攻防が繰り広げられるロシアによるウクライナ侵略。9月上旬になって突如、ウクライナ軍が攻勢を強め領土3000平方キロメートルを奪還した。日本でいえば、東京都(2200平方キロメートル)よりも広い。現地で一体何が起きているのか。 「今月6日、ウクライナ軍が猛烈な反転攻勢を始めました。場所はロシアと国境を接する東部ハルキウ州。ウクライナ軍はロシア軍の拠点にされていた要衝イジュームを奪還。ロシアの侵攻計画は見直しが必要でしょう」(軍事ジャーナリスト) ゼレンスキー大統領 米戦争研究所によれば、10日までにウクライナ軍が奪還した領土は、4月以降にロシア軍が占領した領土を上回るというから、まるでオセロの駒をひっくり返すような逆転劇というほかない。 『独ソ戦』の著者で現代史家の大木毅氏が話す。 「ウクライナ軍の勝因の1つは、徹底的にアメリカ型のドクトリン(戦闘教義)に転換したこ
3期目に入る“皇帝”の実像とは――。北海道大学大学院教授・城山英巳氏による「習近平の仮面を剥ぐ 愛憎渦巻くファミリーの歴史」(「文藝春秋」2022年11月号)を一部転載します。 ◆◆◆ その巨体に「中国共産党史」が染み込んでいる 今ではにわかに信じがたいが、習近平(しゅうきんぺい)が中国共産党総書記に選ばれた2012年秋、中国は民主化に向かうという期待でみなぎっていた。 根拠は、父親が政治改革に熱心で、改革派知識人の間から高い評価を得ていた習仲勲(しゅうちゆうくん)元副総理(1913~2002年)だったという一点に尽きた。仲勲は毛沢東(もうたくとう)の発動した文化大革命期(1966~76年)も含めて政治的迫害を受け、16年間も軟禁、投獄された。習近平少年も文革で「黒帮(反動分子)の子弟」として拘束され、15歳で下放した農村で「地獄」を味わった。
米中が水面下で繰り広げる「冷たい情報戦争」のリアルとは? 元共同通信社論説副委員長・春名幹男氏による「処刑された30人の米国スパイ」(「文藝春秋」2022年11月号)を一部転載します。 ◆◆◆ 米国民・約1億6千万人の個人情報が盗まれた 「フー・ロスト・チャイナ?(中国を失ったのは誰だ?)」 1949年10月1日、中国共産党が革命政権を樹立した後、米国内で「ハリー・トルーマン民主党政権の責任だ」と追及する声が上がった。 米国は戦時中から蒋介石の国民党政権を支援していた。だが、太平洋戦争終結後の「国共内戦」では共産党の人民解放軍がほぼ全土を掌握、国民党政府軍は次々と拠点を失い、台湾に逃れた。東西冷戦の当初、米国は共産主義政権を打倒するため対中秘密工作を展開した。それが米中情報戦争の出発点である。 それから70年余。中国は近年、「米スパイ網壊滅作戦」や「サイバー攻撃」など、対米秘密工作で攻勢に
戦後最悪の国際的汚職事件「ロッキード事件」。その真相が、今回ようやく明らかとなった。しかし、現在に至るもなお数多くの陰謀説が囁かれ続けている。田中角栄は事件にどのように関わったのか、ニクソンとの関係は良好だったのか、なぜ事件は起きてしまったのか…… 国際ジャーナリストである春名幹男氏が、15年に及ぶ取材で掴んだ数多くの新事実を書籍『ロッキード疑獄 角栄ヲ葬リ巨悪ヲ逃ス』(KADOKAWA)より引用し、紹介する。 ◇◇◇ 「日本は良き同盟国ではない」 1973年1月31日、ニクソンは首相を退任した佐藤のために、秘書の楠田實(くすだみのる)や外務省高官らもホワイトハウスに招き、夕食会を開いた*1。 *1 NL President Richard Nixon’s Diary, January 31, 1973 佐藤をもてなす合間の同日夕、ニクソンは午後5時前から1時間余り、前財務長官のジョン・コ
JR只見線が10月1日、11年ぶりに全線開通した。 同線は、会津若松駅(福島県会津若松市)と小出駅(新潟県魚沼市)を結ぶ135.2kmの鉄道だ。福島県内では只見川の峡谷に沿って走る秘境路線でもある。 そのうち、最も自然環境や地理条件の厳しい会津川口(福島県金山町)-只見(同県只見町)間の27.6kmが、2011年7月の豪雨水害で寸断された。JR東日本は同区間をバス転換する方針を提示したが、福島県など地元自治体が強く運行再開を求めたほか、財源負担までするという異例の条件を持ち出したため、なんとか復旧にこぎ着けた。被災した赤字路線はそのまま廃線にするというJRの方針が強まる中では、極めて珍しい事例となった。
一般献花台には長蛇の列ができた ©JMPA 「今日は6時起きで福島からきました、最後に安倍さんにお礼をいいたくて。最前列の方は早朝の4時半くらいから並んでいたと聞いて驚きました」(60代女性) 午前9時になると会場周辺の交通規制がスタート。規制線が敷かれ、武道館を囲んで警察の車両とレンタカーバスがバリケードのように何十台も駐車されていた。会場周辺の地下鉄の出入り口や道路にも多くの警官が配置され、物々しい雰囲気に。地元に住む70代の男性はあまりの警官の多さに「こんなにいてどうするのさ……。いくらかかるんだ」と不満を漏らしていた。 「“国葬反対”の人たちに女性が食って掛かって…」 警察庁によれば、国葬にあてられた警備員の数は2万人規模だという。安倍元首相が銃撃された事件を教訓に、要人警護の方針を見直した後の大規模なイベントとあって、警備体制は極めて厳重だった。 前日にはマンホールや皇居のお堀の
櫻井は1996年のデビュー以来、現在も活躍を続ける超人気声優だ。「コードギアス」シリーズの枢木スザクや、「物語」シリーズの忍野メメ、近年も「おそ松さん」のおそ松、「鬼滅の刃」シリーズの冨岡義勇、「ジョジョ」シリーズの岸辺露伴や「平家物語」の平重盛など、当たり役は挙げればキリがない。 声だけで「裏切りそう」とネタにされることも 2017年には第26回アニメグランプリで2度目の「最優秀男性声優賞」も受賞している。 「櫻井さんは現在48歳。神谷浩史さんや鈴村健一さん、女性では堀江由衣さんや田村ゆかりさんなどに近い世代で、アニメファンの全世代から支持を受けている、トップ声優の1人。アニメ以外でも、『六本木クラス』の元になった韓国ドラマ『梨泰院クラス』で主役の吹き替えを担当していたり、アニメ以外でも活躍しています。過去に演じた当たり役に不穏なキャラクターが多かった影響で、櫻井さんが声を当てるキャラク
『角川の競合を排除「私は絶対認めない」森喜朗「天の声」音声』(週刊文春 9月15日号) 《組織委員会の会長だった森喜朗氏(85)が、KADOKAWAの競合相手だった講談社について「絶対認めない」などと発言していたことが、「週刊文春」の取材でわかった。取材に応じた音声データが残っていた。》(週刊文春スクープ速報9月7日) 読んでみたら想像以上。自分のことを「週刊現代」「FRIDAY」などであれこれ書く講談社の五輪スポンサー入りは「絶対認めない」と確かに発言していた。「『俺はこんなものを認めるなら辞めようと思う』と言ったら、みんなビックリして」とも。 森喜朗の「功績」とは? 完全に森喜朗の私怨ではないか。こういう権力の使い方ってアウトなんじゃないの? とも思うが、一方ではこんなニュースも。 『森喜朗氏胸像建立で募金集め 橋本聖子氏ら発起人「偉大な功績顕彰」』(朝日新聞デジタル9月7日) 森喜朗
〈独立した生活を送りたいという願いを尊重して理解する〉 〈王室の主要メンバーから退き、経済的に自立する〉 ヘンリー王子夫妻がインスタグラムでそう発表したのは1月8日のこと。 現地特派員が語る。 「当初、ヘンリー王子夫妻は公金を受け取らない代わりに公務を減らし、英国とカナダを行き来する王室と民間の“半々”の生活を希望していた。独立の動機はマスコミへの反発でした。収入が減った分は王室ブランドを売りにした活動で賄おうとしていた」 離脱表明を受け、エリザベス女王(93)らが宮殿に集まり、家族会議を開いた。 「会議は5日間行われ、特に父のチャールズ皇太子(71)とヘンリーの兄であるウィリアム王子(37)が独立するなら王室を離れるよう強く迫ったと見られます。カナダに滞在しているメーガン妃もスカイプで参加したいと申し出たが、断られた」(英王室に詳しい元BBCシニアリポーターのダンカン・バートレット氏)
「蘭州ラーメン」が人気だ。「麺の国」中国でも屈指の人気を誇るが、日本では知る人ぞ知る存在だった。それが2年前の日本初上陸で一気に話題となり、今や日本各地に専門店ができている。今年4月には即席めん大手の日清食品が「カップヌードル 蘭州牛肉麺」を発売するなど、ブームは加速する気配を見せている。 蘭州牛肉麺専門店「ザムザムの泉」とは この人気を牽引する店がある。ニュー・チャイナタウンとして注目を集める西川口に店を構える蘭州牛肉麺専門店の「ザムザムの泉」だ。カウンター7席だけの小さなお店だが、TRYラーメン大賞2018-2019で新人賞を獲得した実力は折り紙付き。食事時はいつも満席で、行列ができることもしばしばだ。6月、同店を尋ねて、店主で妻の鄧斌(ダン・ビン)さん、麺職人を担当する馬(マー)さんの話を聞いた。 西川口の人気店「ザムザムの泉」 「蘭州牛肉麺のスープはいわゆる薬膳。いろんなスパイスを
司直の手に落ちた「五輪招致のキーマン」と「長銀を潰した男」——。文藝春秋10月号より、ジャーナリスト・西﨑伸彦氏による「高橋治之・治則『バブル兄弟』の虚栄」の一部を掲載します。 ◆◆◆ 「中心になってやって欲しい」 東京都が2016年五輪の招致に敗れ、再び次の2020年五輪招致に向けて正式に立候補を表明した約1年3カ月後。12年12月に、それまで下野していた自民党が再び政権に返り咲き、第2次安倍晋三内閣がスタートした。
社内ではAOKIの青木拡憲元会長の贈賄疑惑が取りざたされたころから「次はウチじゃないのか」と不安の声があがっていたという。KADOKAWA関係者が匿名を条件に内情を話す。 「オリンピックに適任」の理由とは 「AOKIの事件を受けてKADOKAWAでも『ウチは大丈夫なのか?』と不安に思った人がいたようで、弁護士を入れた社内の調査委員会が開かれました。歴彦会長に対しても調査が行われましたが、コンサルタント契約の報告こそ受けていたものの贈賄を認識していなかったとして“シロ”と判断されたようです。社内調査で会長を厳しく調査するのは難しいですからね……。一方で逮捕された芳原容疑者と馬庭容疑者の2人はひどい詰め方をされたようで、『会社を信じられなくなった』と激怒していました。2人にしてみれば、会社のために動き回ったのにすべての責任を押しつけられ、『トカゲのしっぽ切り』のように感じたんでしょう」
そんな夏野氏の発言が物議を醸したのは、規制改革推進会議の議長に就任する1カ月前のこと。7月21日、インターネットテレビ局「ABEMA」内のニュース番組「ABEMA Prime」における五輪の無観客開催について議論で、あるコメンテーターが「子供の運動会や発表会が無観客で行われる一方で五輪に観客を入れるのは特別扱いではないか」と発言すると、夏野氏はこう反論した。 「公平感…そんなクソなね、ピアノの発表会なんか、どうでもいいでしょう、五輪に比べれば。それを一緒にするアホな国民感情に、やっぱり今年選挙があるから乗らざるを得ないんですよ」 この「クソなピアノ発表会」発言はネットを中心に大炎上した。 夏野氏が弁明する。 「プライベートなピアノの発表会と国家的な行事を同列に議論されているのはおかしいと言いたかったのだけど、それが違う風にとらえられて炎上してしまった。不用意で不適切な発言だったと反省してい
自民党の下村博文衆院議員(68)が政調会長時代、統一教会(現世界平和統一家庭連合)の関連団体幹部から陳情を受け、党の公約に反映させるよう指示を出していた疑いがあることが、「週刊文春」の取材でわかった。関連団体幹部が下村氏とのやり取りを明かした動画を入手した。 数々報じられてきた、統一教会との関係 下村氏は安倍派の所属で当選9回。第2次安倍晋三政権では文科相(2012年12月~2015年10月)、菅義偉政権で政調会長(2020年9月~2021年9月)を務めた。
近年、コロナ禍のなかで中国のジャーナリズム界の大物が日本に移り住んだ。その名は王志安。かつてCCTV(中国中央電視台)で人気報道ドキュメンタリー番組の調査記者および解説員を務めていた、中国では顔と名前が広く知られている人物だ。彼は学生時代に天安門事件のデモに参加した経歴を持ち、CCTVでも体制との距離感を保って、中国社会の闇をえぐるドキュメンタリー報道を手掛けてきた。 国営放送の編集委員だった点では、日本で例えるならば池上彰クラスの知名度と影響力があった人物だ(仕事の方向性はちょっと違うが)。当然、池上彰が自民党や公明党やNHKの事情を知るのと同じく、王志安も中国の権力やプロパガンダメディアの表と裏を非常によく知っている。そういう人物が、いまや中国を見限って海外に脱出する時代なのである。 彼は天安門事件から30年が経った2019年6月4日、673万もフォロワーがいた「微博」(中国のSNS)
しかし、今季の坂本は怪我に泣かされている。7月7日に腰を痛め今季3度目の登録抹消となった。8月16日に1軍復帰を果たしたが、結果は芳しくない。 一方、プライベートでは自由奔放だ。 「FRIDAY」(2015年3月6日号)では、宮崎キャンプの最中に、地元のキャバクラに勤める女性を宿舎に呼び寄せて性行為に及んでいたことが発覚。「FLASH」(2017年7月18日号)では、遠征で宇都宮を訪れた際に巨人軍のチームメイトらとキャバクラを訪れ、女性従業員に「ゴキブリ」「ブス」と暴言を吐いていたと報じられもした。 他誌でも合コンやキャバクラ通いが再三にわたり報じられてきた。それでも、坂本の私生活に変化はないようだ。 ©getty またしても女性トラブル 親友が語る“事情” 今年5月には、「文春オンライン」は美女と白昼堂々の手繋ぎ散歩デートを掲載。翌月には「週刊新潮」(2022年6月23日号)が坂本の新た
出版社枠の五輪スポンサーについて、森会長が語る音声が残っている。「講談社だけは相容れない」「こんなものを認めるなら辞めようと思う」。そして講談社は排除され、電通元専務がKADOKAWAを――。 組織委会長だった森氏 東京五輪の延期が正式に決定する直前の2020年初春。森氏は小社の取材に応じていた。当時、盛んに報じられていたのが、森氏と小池百合子都知事との対立だ。取材の音声には、小池氏への不満も記録されている。 「私の組織委員会を、何をもって伏魔殿だとか、悪の巣窟だと言われるのか、納得できないよ」 次第に上がっていく森氏のボルテージ。そして取材も終盤に差し掛かる頃、こう切り出したのだった。 「俺も喧嘩すると絶対にしつこいから――」 だが、怒りを向けた喧嘩の相手は因縁の小池氏ではない。この言葉に続けて批判を重ねたのは、五輪スポンサーを目指していた有名出版社の実名だった。 ◇ 電通元専務の高橋容
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