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ブックマーク / natgeo.nikkeibp.co.jp (37)

  • 伝統か、それとも自然か 衝突する2つの未来像

    米国モンタナ州にあるフォート・ベルクナップ先住民居留地で、放牧中の牛が移動させられていく。ここは、広大な自然保護区の創設を目指す「アメリカン・プレーリー・リザーブ」(APR)の所有地に隣接している。PHOTOGRAPH BY AMY TOENSING 「アメリカン・プレーリー・リザーブ」(APR)は、米国モンタナ州に広大な保護区を設立した自然保護団体だ。 かつて一帯に生息していたバイソンを復活させるなど、入植者たちが定住した19世紀より前の自然をよみがえらせようとしている。設立から19年間で、ハイテク企業の起業家や実業家からの寄付を中心に1億6000万ドル(176億円)の資金を集めた。 これまでに30カ所の私有地、合わせて4万2000ヘクタールを購入し、隣接する公有地からは12万1000ヘクタールを超える放牧用の土地を借りている。購入した土地はすべて政府指定の保護区に隣接しており、これらを

    伝統か、それとも自然か 衝突する2つの未来像
  • 第64回 睡眠時間の男女差について

    これから2回にわたって、女性の睡眠問題についてご紹介する。今回は睡眠時間の男女差について。 日は「睡眠不足大国」であることに加えて、男女別にみるとさらに違った風景が見えてくる。 経済協力開発機構 OECD の国際比較調査では日人の睡眠時間が加盟国中でもっとも短いことが話題を集めたが、とりわけ女性の睡眠時間が短かった。次ページの図はOECDデータから睡眠時間の男女差を算出したものだが、日のように女性の睡眠時間が短い国は例外的で、大部分の加盟国では男性よりも女性の睡眠時間が長いことが分かる。 女性の睡眠時間が男性よりも短いのは、日韓国、メキシコ、インド、とごくわずかである。このメンツは心強い援軍、とは言い難い。逆に、スウェーデン、ノルウェー、ベルギーなど北欧の国々では女性の睡眠時間がかなり男性を上回っている。男女平等、福祉国家の国々が多いような印象がある。 少し古いデータになるが、2

    第64回 睡眠時間の男女差について
    akakiTysqe
    akakiTysqe 2019/03/29
    日本人の睡眠時間が加盟国中でもっとも短い事が話題を集めたが、とりわけ女性の睡眠時間が短かった。日本の様に女性の睡眠時間が短い国は例外的で、大部分の加盟国では男性よりも女性の睡眠時間が長い事が分かる。
  • 恐竜の絶滅にインドの火山が加担、2つの研究成果

    朝霧の中で憩う、モンゴルの非鳥類型恐竜サウロロフスの群れ。サウロロフスは巨大隕石の衝突による大変動の結果、6600万年前に絶滅したと考えられている。このほど、同じ時期にインドで発生した巨大噴火が恐竜の絶滅に影響を及ぼした可能性があることを示唆する、2つの別々の研究成果が発表された。(PAINTING BY JOHN GURCHE) 「恐竜はなぜ絶滅したのか」と尋ねたなら、おそらく多くの人が約6600万年前の運命の日を挙げるだろう。ユカタン半島への巨大隕石の衝突だ。 この衝突は、「核の冬」のような状態をもたらし、世界各地の地質記録にはっきりした痕跡を残した。しかし、一部の研究者は1980年代から別の要因を主張してきた。現在のインドに当たる地域での火山噴火が、生物の大量絶滅の二次的な原因、あるいは最大の原因だったのではないかというのだ。(参考記事:「恐竜絶滅、火山噴火がお膳立て、新たな研究でも

    恐竜の絶滅にインドの火山が加担、2つの研究成果
  • 海水飲めないウミヘビ、水分補給の謎の一端を解明

    コスタリカ、ドゥルセ湾の入口付近の海面で休むセグロウミヘビ。(Photograph by Brooke Bessesen) 多くのセグロウミヘビは、一生を海の中で過ごす。めったに陸には上がらない。上陸したとしても、船を漕ぐパドルのようになった尾と、縦に平たくなった体のせいで這うことが難しく、陸では脆弱だ。猛毒を持つ彼らは、広く世界中の海に生息し、海流に乗りながら水面近くの魚を捕する。(参考記事:「セグロウミヘビ、「漂流」で太平洋を横断か」) 他の爬虫類と同じように、セグロウミヘビも生きるために水を飲まねばならない。しかし、常に海水に囲まれた状態で、一体どうやって喉を潤すのだろうか? 2月7日付けの学術誌「PLOS ONE」に、その謎の一端を解き明かした研究が発表された。(参考記事:「“2つの頭”を持つウミヘビ」) セグロウミヘビはかつて、周囲の海水をそのまま飲むのだと思われていた。「教科

    海水飲めないウミヘビ、水分補給の謎の一端を解明
  • 海水淡水化、廃水は淡水の1.5倍、化学物質も含む

    ドバイのジェベル・アリにある電気水道局では、天然ガスを燃やして電気をつくり、飲料水を作るために海水を淡水化している。(PHOTOGRAPH BY LUCA LOCATELLI, NAT GEO IMAGE COLLECTION) 中東や北アフリカなどの乾燥した地域を中心に、世界中で水不足が進行しつつある中、経済的に余裕のある国々は次々と海水(塩水)の淡水化に着手している。海水淡水化とは、大量のエネルギーを用いて、海水などから塩分を取り除く処理のことだ。世界には現在、稼働中および建設中のものをあわせて、1万6000カ所近い海水淡水化プラントが存在する。 「海水淡水化プラントで作られるのはしかし、塩分を取り除いた水だけではありません」と語るのは、カナダにある国連大学の研究者、マンズール・カディル氏だ。「そうしたプラントからは、ブラインが発生します」(参考記事:「水不足は脱塩技術で解決できるか?

    海水淡水化、廃水は淡水の1.5倍、化学物質も含む
  • 【動画】カメラは見た! 実は肉食系でもあるノウサギ

    【動画】死骸のそばに設置したカメラによるインターバル撮影で、カンジキウサギが動物の死骸をべることがわかった。(解説は英語です) もふもふでかわいらしくペットとしても人気のウサギ。一般に草と考えられているウサギの仲間が、実は肉をべ、ときには共いまですることを知っていただろうか? ウサギが「肉系」でもある証拠がカナダで撮影された。 カナダのユーコン準州に生息するノウサギ属の一種、カンジキウサギは、長く寒い冬の間、栄養を補給するために動物の肉をべていた。(参考記事:「冬毛の動物を絶滅させない方法、研究者が提言」) 夏の間は植物をべるノウサギたちだが、地面が雪で覆われ、気温がマイナス30度以下まで冷え込む冬になると、エサが見つからず、お腹をすかせてほかのウサギや鳥の死骸をべるようになるのだという。 そればかりか、最大の天敵であるカナダオオヤマネコの死骸にまで指を伸ばすことがある。

    【動画】カメラは見た! 実は肉食系でもあるノウサギ
  • ハワイ固有のカタツムリが絶滅、最後の1匹が死亡

    1月1日、14歳で死んだハワイマイマイのジョージ。Achatinella apexfulva種最後の一匹で、ハワイ固有のカタツムリが直面する窮状を象徴している。(PHOTOGRAPH COURTESY AARON K. YOSHINO, HONOLULU MAGAZINE) 世界で最も孤独なカタツムリが亡くなった。 1月1日、ハワイマイマイのジョージが他界した。知られている限り、ハワイマイマイの一種Achatinella apexfulva最後の1匹で、この種としては高齢の14歳だった。 ジョージは2000年代前半、ハワイ大学マノア校の飼育繁殖施設で誕生。生後間もなく、ほかの家族はみな死に、そこでジョージと名づけられた。名前の由来は、ピンタゾウガメ最後の個体となったロンサム・ジョージだ。(参考記事:「ロンサム・ジョージの死と希少種保護」) 研究者たちはその後10年以上にわたって交尾の相手を

    ハワイ固有のカタツムリが絶滅、最後の1匹が死亡
  • 少女の両親は、ネアンデルタール人とデニソワ人

    ネアンデルタール人女性の復元像。2008年に公開されたこの像は、古代のDNAの解析結果を利用して作成された最初の復元像だった。(PHOTOGRAPHY BY JOE MCNALLY, NATIONAL GEOGRAPHIC CREATIVE) 「ありえない」――古遺伝学者のビビアン・スロン氏は、当初、骨のDNAの分析結果を信じられなかった。その骨は、ネアンデルタール人のDNAとデニソワ人のDNAを、ほぼ等量もっていたのだ。彼女は何かの間違いだろうと考えた。スロン氏は、ドイツにあるマックス・プランク進化人類学研究所の博士研究員だ。 分析結果によると、約9万年前の骨片は、10代の少女のもので、母はネアンデルタール人、父はデニソワ人だということだった。科学者たちは、数種のヒト族がいた時代、交雑があったと考えている。古代や現代のヒトゲノムの中に、彼らの遺伝子を痕跡が見つかっているからだ。ただ、交雑

    少女の両親は、ネアンデルタール人とデニソワ人
  • 第1回 依存症は厳罰主義では解決しない

    薬物依存、とりわけ、覚せい剤の乱用は、現在の日社会におけるひとつの大きな問題だ。 厚生労働省によれば、平成になってからの四半世紀、覚せい剤取締法違反で検挙された人数は時に2万人、近年、減少傾向にあるとはいえ毎年1万人以上を数える。これは、違法薬物の中で圧倒的な1位で、2位の大麻にくらべて常に数倍にのぼる(いずれも輸出入や製造・栽培についての検挙も含まれているので、単純に使用したことで検挙された人の数ではないことには留意)。 社会的な関心も大きい。 例えば、芸能人が、覚せい剤を使って逮捕されたとする。 ワイドショーはもちろん、ニュース番組ですら、時に政治や国際問題よりも多くの時間をさいて伝える。スポーツ紙や週刊誌は、さらに強い関心を寄せるかもしれない。 「転落への道」「心の闇」などといった紋切り型の言葉を使い、「信頼を裏切った」「ファンに申し訳が立たない」と断罪することも多い。 「いち早い

    第1回 依存症は厳罰主義では解決しない
  • 小惑星衝突「恐竜絶滅の日」に何が起きたのか

    6600万年前、メキシコ東部に小惑星が衝突し、恐竜を絶滅させた。新たな研究により、当時の詳細な状況が明らかになってきた。(Photograph by TIm Peake, ESA, NASA) 6600万年前、中生代最後の日の太陽が昇る朝を想像してみてほしい。 光の束が現在のメキシコ・ユカタン半島の海岸沿いに広がる沼地や針葉樹の森に降り注ぎ、温かいメキシコ湾の水は生命で溢れている。 いまでは「失われた世界」の住民である恐竜や巨大昆虫が、鳴き声や羽音を響かせて生命を謳歌しているさなか、山ほどもある小惑星が、時速およそ6万4000キロの速さで地球に向かっていた。 ほんの束の間、太陽よりもはるかに大きくてまぶしい火の玉が空を横切る。一瞬の後、小惑星は推定でTNT火薬100兆トン分を超える規模の爆発を起こして地球に激突した。 衝突の衝撃は地下数キロに達し、直径185キロ以上のクレーターを作り出し、

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  • ウナギが食べられなくなる日

    人が長きにわたってべてきたウナギの資源が危機的な状況にある。養殖ウナギの「原料」となる稚魚「シラスウナギ」の漁獲量の減少が著しいからだ。今季は3年連続の極度の不漁で、ウナギに絶滅の危機が迫っていると言われるまでになってきた。日のウナギ消費がピークを迎える土用の丑の日を前に、ウナギ漁やウナギ消費の現状を探った。 第1回 乱獲で資源は危機的に、生息地破壊も一因 2012年7月12日 第2回 背景に日の消費爆発、定着した薄利多売のビジネスモデル 2012年7月19日 第3回 外来種輸入には多くの問題、資源管理に漁獲規制が急務 2012年7月26日 第4回 さらに深まるウナギの危機 歯止めかからぬ資源減少 2013年7月11日 第5回 ウナギ取引は不透明 規制強化が不可欠に 2013年7月22日

    ウナギが食べられなくなる日
  • 【連載】世界魂食紀行 ソウルフード巡礼の旅 | ナショナルジオグラフィック日本版サイト

    遠い異国の地にいる時、ふと懐かしくなる料理がある。その国の料理がどんなに珍しくて美味しくても、心の奥で欲してしまう故郷の味。ひとくち口にすれば体が喜び、心が落ち着き、自分のルーツを実感するまさに“魂の”。例えばそれが日人の味噌汁のように、国の数だけあるに違いない。さあ出かけよう、ソウルフード巡礼の旅へ!(文=中川明紀・ライター、編集者)

    【連載】世界魂食紀行 ソウルフード巡礼の旅 | ナショナルジオグラフィック日本版サイト
  • 北朝鮮の聖なる火山「白頭山」に噴火の兆候

    白頭山の上を漂う雲。2014年6月、北朝鮮の両江道(リャンガン)から撮影。PHOTOGRAPH BY DAVID GUTTENFELDER, AP 北朝鮮中国の国境をまたいでそびえる白頭山(ペクトゥサン)。近年、付近で地震が頻発していることから、噴火の可能性について各国の専門家が調査に乗り出している。 標高2744メートルの白頭山は、約1000年前に人類史上最大級の噴火を起こした火山で、吹き飛ばされた灰や岩石は遠く日まで到達したといわれている。しかし、その実態については、詳しいことはほとんどわかっていない。(参考記事:「最大級、タンボラ山の噴火は世界をこれだけ変えた」) 現在、国際的な調査チームが、その地層から将来の噴火の可能性について、多数の地震計を使った調査を進めている。このような大規模な調査は北朝鮮ではほとんど前例がない。 「マグマや岩石の部分溶融といった、噴火を引き起こすものは

    北朝鮮の聖なる火山「白頭山」に噴火の兆候
  • 嘘の国を売った史上最悪の詐欺師、270人が死の入植

    ナショナル ジオグラフィックの書籍『世界をまどわせた地図』で紹介する国、島、都市、山脈、川、大陸、種族などは、どれもまったくの絵空事だ。しかし、かつては実在すると信じられていたものである。なぜだろう? それらが地図に描かれていたからだ。 神話や伝承として語り継がれていたものもあれば、探検家の間違いや誤解から生まれたものもある。なかには、名誉のため、あるいは金銭を集めるための完全な「でっち上げ」すらある。その代表例として、ここでは「ポヤイス国」の物語を紹介する。史上最悪の詐欺師グレガー・マグレガーによる嘘の国だ。 世界一の大ぼらふき、グレガー・マグレガー 1822年頃のヨーロッパは不景気の中にあり、コロンビアやチリ、ペルーなどの南米の国々はチャンスを期待する投資家たちの人気を得つつあった。それらの国の国債は利回りがよく、見逃せないもうけ話だったのだ。そんな時代に、モスキート・コースト国のジョ

    嘘の国を売った史上最悪の詐欺師、270人が死の入植
  • ソ連時代の鉱山、時が止まったような街と人々の暮らし 21点

    山の中にあるマンガン採鉱場にたどり着くのには、35分ほどかかった。黒海沿岸の国ジョージア(グルジア)で活動する写真ジャーナリスト、ダロ・スラカウリ氏は防護用ヘルメットをかぶり、鉱山作業員とともに、長さ13キロの鉱山鉄道に乗り込んだ。彼らが従事しているのは、世界で最も光が当たらない仕事の1つだ。 トンネルはところどころのカーブで急に狭くなるため、車両から身を乗り出すと危ない。途中で真っ暗になることもある。だがスラカウリ氏が最も閉口したのは、トンネル内の空気の悪さだった。重たく、じめじめして、圧迫感がある。「じっとしていれば慣れるよ」と、ベテランの作業員たちが慰めた。

    ソ連時代の鉱山、時が止まったような街と人々の暮らし 21点
  • 第4回 「依存症で失ったもの」は治療で取り戻せる

    依存症を治療する医師になったものの、松さんは、当初「いやいや」だった。しかし、「人間の一番人間らしいところをグロテスクに集めた病気」であることに気づいた頃から、むしろ、引き寄せられていったという。やがて、日ではじめて薬物依存症に特化した治療プログラムを開発するに至るわけだが、一筋縄ではいかなかった。 「前にいた神奈川県の専門病院に赴任した当初、私、半泣きで診療していたと思うんです。だって、治療と言ってもどうやっていいのかわからない。覚せい剤が嫌いになる薬があったらいいのにとか思いましたが、そんなものない。せいぜい薬物の恐ろしさを説教するとか、認知症の人の脳の画像を見せて、長年、覚せい剤を使うとこうなるぞと、詐欺みたいな説明までして、それでも効果が出ない。そこで、予後調査をしてみたんです。その病院で、覚せい剤依存症の人が、初診からわずか3カ月後にどのくらい通院を続けているか。3カ月で治療

    第4回 「依存症で失ったもの」は治療で取り戻せる
  • 第3回 覚せい剤の乱用文化は日本起源だった

    さんが所属する国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所は、研究所とはいえ、病院も併設しており、松さんは臨床の仕事をしつつ、治療プログラムの開発と普及を行う立場だ。 治療対象は、もちろん、流行り廃りはありつつも、覚せい剤依存が一番大きなものだという。お話を伺った2017年2月末の時点では、7割方が覚せい剤とのことだった。 ここまで乱用される覚せい剤には、どんな背景があるのだろうか。 「実は、覚せい剤、つまりアッパー系の元気が出るいけない薬物は、ほとんど日独自の乱用文化だったんです。1800年代の終わりに東京帝国大学の薬学部の教授が、喘息の薬として開発したものですし、戦前ではうつ病の治療なんかにも使われていました。第二次世界大戦中には、軍需工場で夜通し働かせたり、神風特攻隊の人たちがそれをキメて突っ込んでいったり、軍需品として使われました。戦争が終わってその軍需品が放出される中で、

    第3回 覚せい剤の乱用文化は日本起源だった