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ブックマーク / natgeo.nikkeibp.co.jp (37)

  • The Future of Food フード・トピックス

    Q:温暖化が急速に進む北米東海岸のメーン湾。ロブスターに生じる可能性がある影響は? 外骨格が強化される幼生がより速く成長する外骨格が溶ける

  • 古代の黒焦げ巻物、著者は快楽を追う哲学者

    最新のX線技術で一部が解読されたパピルスの巻物。紀元79年の火山噴火でローマの都市ヘルクラネウムは壊滅し、炭化した巻物が残された。(Lexington Herald-Leader) 紀元79年のベスビオ火山噴火の高熱で黒焦げになったパピルスの巻物が、X線技術の活用により、解読できる可能性が出てきた。 この巻物は、古代ローマの都市ヘルクラネウム(現在のイタリア、エルコラーノ)で書かれたもの。20日に発表されたX線分析の結果によれば、これまで内容が分からなかった一部の巻物に関し、その秘密が明らかになるかもしれないという。 ヘルクラネウムは、紀元79年のベスビオ火山噴火により、有名なポンペイの街とともに壊滅した。炭化した巻物およそ800巻が探検家によって発見されたのは260年前のことだ。通称「パピリの館」(Villa de Papyri)と呼ばれるその建物の書庫は、噴火によって15メートルを超す

    古代の黒焦げ巻物、著者は快楽を追う哲学者
  • 処刑された英王妃アン・ブーリンの愛読書、消された文字を発見

    かつてアン・ブーリンが所有していた時祷(じとう)書に紫外線を当てると、肉眼では見えない文字が余白に浮かび上がる。運命に翻弄された王妃の時祷書は、1536年に彼女が処刑された後に所在が分からなくなり、1903年ごろに発見された。(PHOTOGRAPH COURTESY HEVER CASTLE & GARDEN) 英国王ヘンリー8世の2番目のであるアン・ブーリンはしばしば「男を誘惑する女」として、また最終的に英国の宗教のあり方が変わる原因となった女性として描かれる。だが実際のブーリンは、教育と宗教改革に身をささげる知的で信仰心のあつい女性だった。 しかし、1536年5月にブーリンが姦通と近親相姦という無実の罪を着せられて逮捕され、処刑された後、ヘンリー8世は彼女のことを忘れようと決意した。ブーリンの紋章は宮殿の壁から取り去られ、きらめく宝石は暗い金庫にしまい込まれ、彼女が所有していた貴重な

    処刑された英王妃アン・ブーリンの愛読書、消された文字を発見
  • 米カリフォルニアでキノコが異例の大発生、数十万円稼ぐ強者も

    2月に開催されたロサンゼルス菌学会の天然キノコフェアには2000人以上が参加した。多くの人が地元で採取したキノコを持ってきて、鑑賞や鑑定を楽しんだ。写真は毒キノコにそっくりなテングタケ属のキノコ。(PHOTOGRAPH BY MICHAEL CHRISTOPHER BROWN) 今、米カリフォルニア中のキノコ愛好家が、キノコ探しに没頭している。ずっと干ばつに苦しめられてきたカリフォルニアだが、この数カ月の間で何度も大雨が降り、キノコの当たり年になったからだ。 その種類や量の多さは驚くばかりだ。市民科学者たちは、これまで報告されたことのない種類のキノコを、何十種類も採取している。キノコハンターたちは、特大のアンズタケ(アンズの香りのする黄色い用キノコ)をトラックに積み、高級レストランに売りに行っている。売り上げが数十万円になることも珍しくない。ロサンゼルス菌学会が先日開催した、年に一度の朝

    米カリフォルニアでキノコが異例の大発生、数十万円稼ぐ強者も
  • 考古学が明らかにした第一次世界大戦の塹壕遺跡

    第一次世界大戦のヨーロッパを大きく動かした塹壕戦。写真は、1916年のソンムの戦いで、フランスのウヴィレ・ラ・ボワセルに作られたドイツ軍の塹壕を占拠したイギリス兵。(PHOTOGRAPH BY SHAWSHOTS, ALAMY) 第一次世界大戦は、世界の国々を巻き込んだ初の大規模な戦争となった。工業化時代の戦いでは、航空機、戦車、機関銃、手榴弾、毒ガスといった新技術が投入され、人類が経験したことがない大惨事を引き起こすこととなった。 1914年から1918年の間で、800万人以上の兵士と600万人以上の民間人が亡くなったとされている。犠牲者の数そのものが驚くべき多さだが、考古学者のビルガー・スティヒェルバウト氏は、この戦争でヨーロッパの地形がいかに変わったかを示す数字にも驚きを隠せなかった。例えば、ベルギーに張られた前線680キロメートルのうち60キロの区間には、全部合わせれば4900キロ

    考古学が明らかにした第一次世界大戦の塹壕遺跡
  • めまい、混乱、言葉が出ない…コロナは軽症でも認知力低下の恐れ

    提供された脳を保存するための準備をする技術者。臓器サンプルは、新型コロナウイルス感染症、神経変性疾患、老化等が脳に与える影響を研究するために不可欠だ。(PHOTOGRAPH BY LUCA LOCATELLI FOR NATIONAL GEOGRAPHIC) 3日半も熱とせきで寝込んだエレナ・カッツァップさんは、新型コロナウイルス感染症から回復したものだと思っていた。米ロサンゼルスに住む作家で教師の彼女は、2022年1月末に感染したが、幸いにも軽症で済んだ。呼吸困難の症状や入院の必要はなく、数日で回復した。 「『元気になって当によかった』と口にしたことを覚えています」とカッツァップさんは言う。「その翌日に突然、症状が出たのですが、始まりは吐き気や腹痛、奇妙な物忘れだったので、一体どういうことなのかわかりませんでした」 カッツァップさんはその日以来、集中力の欠如を伴う急性の記憶喪失を経験し

    めまい、混乱、言葉が出ない…コロナは軽症でも認知力低下の恐れ
  • めまい、混乱、言葉が出ない…コロナは軽症でも認知力低下の恐れ

    脳の謎 誰も知らない隠された能力 謎の多い人間の脳について、最近の科学的進歩を解説した書。人間の脳に関する「100の謎」を、学習、知能、意識、情動、加齢の5つのテーマに分類して、豊富な写真・イラストとわかりやすい文章で説明しています。 定価:1,540円(税込) amazon 楽天ブックス

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  • 100年前にもあった「スペインかぜ疲れ」とその教訓

    1918年、米国でスペインかぜの感染を防ぐためにマスクを着用した赤十字のスタッフ。(PHOTOGRAPH BY PAUL THOMPSON, HULTON ARCHIVE/GETTY IMAGES) 1918年に始まった「スペインかぜ」と呼ばれるインフルエンザのパンデミック(世界的大流行)は、米国でも猛威を振るった。それから20年後の1939年、作家のキャサリン・アン・ポーターは、自らの辛い体験を「Pale Horse, Pale Rider(邦題「蒼ざめた馬、蒼ざめた騎手」)」という短編小説にまとめた。この時期を描いた著作として広く知られている作品だ。 この物語では、破壊的な威力を持つウイルスと第一次世界大戦という二重の重荷に苦しむ多くの若者の心情が描かれている。 歴史家の話では、スペインかぜが実際に終息した時期は曖昧なままだ。その一因は、米国民が「スペインかぜ疲れ」に陥っていたせいだと

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  • 第1回 唯一の日本人にして生き残りだった祖父

    1912年4月15日、「絶対に沈まない」といわれていた豪華客船タイタニックが沈没した。そのタイタニックに1人の日人が乗っていた。細野晴臣さんの祖父、細野正文さんである。正文さんは辛くも沈没船から逃れ生還したが、のちに厳しい非難の声が湧き起こることに――。沈没からちょうど100年を迎えたいま、正文さんがたどった運命と、その汚名がそそがれるまでを晴臣さんにうかがった。誌日版特集「タイタニック 沈没の真実」とあわせてどうぞ。(インタビュー・文=高橋盛男/写真=永田忠彦)

    第1回 唯一の日本人にして生き残りだった祖父
  • 原爆を運んだ米軍艦、撃沈から70年

    米国海軍の重巡洋艦インディアナポリスが沈没してから今年で70年。生き残った乗組員の会合に、14人が参加した。(PHOTOGRAPHS BY JON LOWENSTEIN, NOOR/NATIONAL GEOGRAPHIC) 1945年7月30日、米国の重巡洋艦「インディアナポリス」は南太平洋上で日の潜水艦の放った2発の魚雷に撃沈された。海へ投げ出された乗組員たちには地獄の苦しみが待っていた。救助されるまでには5日近くもかかり、サメだらけの海に漂いながら、ある者はこらえきれずに海水を飲み、ある者は幻覚に襲われ、やがて脱水症や低体温で多くの者が命を落としていったのだ。 乗組員1196人のうち、生き残ったのはわずか317人だった。(参考記事:「名作『白鯨』の元ネタは、もっと壮絶だった」)

    原爆を運んだ米軍艦、撃沈から70年
  • 「死の水域」、地球温暖化で恒久化か

    2009年1月に発表された研究によると、このまま地球温暖化が進めば魚類などの海洋生物が激減する恐れがあるという。 東部太平洋と北部インド洋(写真)を対象として、この先10万年の間に地球温暖化が生物の住めない「死の水域」に及ぼす影響が検討された。その結果、死の水域は拡大し、恒久的な現象になる可能性が示唆された。 Photograph by James P. Blair 「死の水域」として知られる低酸素の海域は、今後何千年も続くことになるかもしれない。新たにデンマークの研究チームが行ったコンピューター・シミュレーションが予測している。 低酸素海域の拡大と気候変動に関係があることは以前から指摘されていたが、大気中の二酸化炭素濃度が上昇すると、大量の海洋生物が一掃され、生態系が作り変えられてしまう可能性があるという。 「地球温暖化で拡大する死の水域は、数千年にわたって続く恒久的な現象になる」と研究

    「死の水域」、地球温暖化で恒久化か
  • 温暖化で「窒息」する海が世界的に拡大、深海でも

    メキシコ、バハ・カリフォルニア沖のコルテス海を泳ぐクロカジキ。一部の海域では、深海の低酸素海域を避けてカジキなどが海面に群がっている。(PHOTOGRAPH BY NORBERT WU, MINDEN PICTURES VIA NATIONAL GEOGRAPHIC CREATIVE) 10年以上前のある日、研究用のタグを付けた魚を追跡していたエリック・プリンス氏は奇妙なことに気がついた。米国南東部沖に生息するニシクロカジキは獲物を追って800メートルは潜るのに対し、コスタリカとグアテマラ沖では海面付近にとどまっていて、潜っても100メートルを超えることがめったになかったのだ。 米国海洋大気局(NOAA)を退職して以来、カジキの専門家として研究を続けているプリンス氏は首をひねった。これまでにコートジボワール、ガーナ、ジャマイカ、ブラジル沖のニシクロカジキを調べてきたが、そのような例は一度も

    温暖化で「窒息」する海が世界的に拡大、深海でも
  • 従順か攻撃的かの遺伝子特定か、ペットのキツネで

    ロシアでは、1959年から友好的および攻撃的なキツネを作る交配が行われてきた。今回、これらのキツネのゲノムが解読されたことから、彼らの従順な行動や独特の身体的特徴を生み出す遺伝子の詳細な研究が可能になった。(PHOTOGRAPH BY DARYA SHEPELEVA) 野生動物の家畜化について研究するため、60年近くにわたり、ロシアの科学者たちは従順なキツネと攻撃的なキツネを作る交配実験を行ってきた。これらふたつの集団のゲノムに注目した新たな研究によると、交配はキツネのDNAに驚くべき変化をもたらしていたという。動物の家畜化だけでなく、人間の社会的行動の理解においても重要なこの成果は、8月6日付けの学術誌「Nature Ecology and Evolution」に発表された。(参考記事:「野生動物 ペットへの道」) 1959年、ドミトリー・ベリャーエフという名の生物学者とその同僚たちが、

    従順か攻撃的かの遺伝子特定か、ペットのキツネで
    akakiTysqe
    akakiTysqe 2021/01/10
    家畜化するプレエクスモダン
  • 戦中戦後の日本を米国人記者はこう見ていた

    生け花を習う女学生たち。花嫁修業の重要な一つと考えられていた。(KIYOSHI SAKAMOTO/National Geographic 1933年3月号「長い歴史をもつ若い国」より) たとえば戦前、1933年3月号に掲載された特集「長い歴史をもつ若い国(Japan, Child of the World’s Old Age)」はこんな具合だ。 「日人女性の和服には自然の趣が感じられる。乙女が美しい着物や髪飾りで着飾った姿には、感嘆の声を上げずにはいられない。しかし、詩人たちは女性を称賛する以上に、美しい景色や自然の造形美を詩に詠んできた。雲や霞、曙や夕暮れの輝きが生き生きと詠われる。西洋とは異なり、日の文学、美術、言語に、自然を擬人化した表現はめったに見られない。それでも、日人はあらゆる自然に何者かが宿って、美しい山々には神々がすむと考える」 ところが太平洋戦争が始まると、その内容

    戦中戦後の日本を米国人記者はこう見ていた
  • “殺人スズメバチ”騒動が米で勃発、はびこる過度な「虫嫌い」

    オオスズメバチ(Vespa mandarinia)は恐ろしい動物に見えるかもしれないが、挑発したり巣を脅かしたりしなければ刺されることはない。米国に侵入したものの1つの郡でしか目撃されておらず、その他大半の地域にとっては危険な存在ではない。(PHOTOGRAPH BY ATSUO FUJIMARU, MINDEN PICTURES) 1859年、科学者のアルフレッド・ラッセル・ウォレスがインドネシアの北マルク諸島で巨大なハチを発見した。現在、世界最大のハチと認定されている「ウォレス・ジャイアント・ビー」(Megachile pluto)だ。(参考記事:「ダーウィンになれなかった男 アルフレッド・ラッセル・ウォレス」) 翅を広げた幅は6センチを超え、シロアリ塚に穴を掘るための大きなあごを持つ。これほど巨大なハチであるにもかかわらず、1981年に再発見されるまで100年以上も行方不明になってい

    “殺人スズメバチ”騒動が米で勃発、はびこる過度な「虫嫌い」
  • 世界最大のサメ、ワニ、クモ 巨大生物が教えてくれる意外なこと

    「スーパークロコダイル(SuperCroc)」の愛称を持つサルコスクス・インペラトル(Sarcosuchus imperator)。白亜紀のワニで、体重約8トン、全長約12メートル。(ARTWORK BY DON FOLEY) 畏敬の念や恐怖を抱いたり、魅了されたり。人々は大きな動物に夢中だ。 だから「ディープ・ブルー」と名付けられた全長約6メートルのメスのホホジロザメが、クジラの死骸をべただけでニュースになるのも無理はない。ディープ・ブルーは、これまでに撮影されたどのホホジロザメよりも大きい。(参考記事:「【動画】最大級のホホジロザメ、クジラをべる」) 同じ理由で世界にその名が知られているイリエワニが「ロロン」だ。ロロンはディープ・ブルーよりさらに大きく、全長6メートル17センチもあった。ギネス世界記録にも認定されたが、残念ながら2013年に生涯を終えた。(参考記事:「世界最大のワニ

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  • 第1回 世界の「雪男伝説」をDNA鑑定してみた

    なぜヒト属は、われわれ現生人類(ホモ・サピエンス・サピエンス)ただ1種しか残っていないのか。ネアンデルタール人をはじめとした旧人は、なぜ絶滅してしまったのか。熾烈な生存競争の結果、より辺境の地へと追い立てられた旧人は、やがて人跡未踏の山岳地帯の奥に姿を消す。そこで彼らは絶滅したのではなく、実は息を潜めて住み永らえてきた。 「山の奥で毛むくじゃらの大男に遭遇した」とする雪男伝説が真実味を持つのは、同じような話が世界各地で伝えられているからだ。北米カナダのロッキー山脈では、その巨大な足跡からビッグフットと呼ばれる未確認生物が知られている。その地方の先住民の間では、昔からサスクワッチと呼ばれて恐れられていた。他にもヒマラヤのシェルパやヤク飼いの間で信じられているイエティ、中央アジアのアルマスティ、東南アジアのスマトラ島を徘徊するオランペンデクと、枚挙にいとまがない。 そして、その真偽を突き止めよ

    第1回 世界の「雪男伝説」をDNA鑑定してみた
  • ペルム紀大絶滅、わずか20万年で

    「大絶滅」以前のウミユリの仲間(学名:Jimbacrinus bostocki)の化石。 Photograph by John Cancalosi, National Geographic 恐竜の時代よりはるか昔、地上に火災が広がり、沿岸の海中では酸素が欠乏するという苛酷な環境の中で、地球上の生物の約90%が絶滅した。このほど発表された研究によると、地球史上最大と言えるこの大量絶滅は、始まってから終わるまで20万年もかからなかったという。 2億5200万年前、ペルム紀(二畳紀)末に起こった「大絶滅(Great Dying)」と呼ばれるこの大量絶滅は、6500万年前に恐竜を滅ぼした白亜紀末の大量絶滅ほど有名ではないかもしれない。だがペルム紀末の大絶滅は、地球上の生命をほとんど消し去るほどの規模だった。今回の研究は、この大絶滅がどのくらいの速さで進行したかを推定したものだ。 ペルム紀の大量絶滅

    ペルム紀大絶滅、わずか20万年で
  • アステカ人の大量死、原因はサルモネラ菌か

    発掘調査が始まる前の、テポスコルラ・ユクンダー集団墓地の大広場。(PHOTOGRAPH COURTESY OF CHRISTINA WARINNER, TEPOSCOLULA-YUCUNDAA ARCHAEOLOGICAL PROJECT) 現在のメキシコ南部に、かつて栄えたアステカ文明。ヨーロッパ人がやって来て、この地域を支配した直後の1545~1550年、恐ろしい疫病が蔓延し、500万~1500万人のアステカの人々が命を落とした。疫病は地元の人々にココリツリと呼ばれていたが、その正体は500年間謎に包まれていた。(参考記事:「アステカ 解明される王国の謎」) だが、科学誌『Nature Ecology and Evolution』に発表された最新の研究で、その原因は致死率の高いサルモネラ菌だった可能性が指摘された。 メキシコのテポスコルラ・ユクンダー集団墓地は、ココリツリとの関連がわか

    アステカ人の大量死、原因はサルモネラ菌か
  • 元祖スーパースプレッダー「腸チフスのメアリー」が残した教訓

    アイルランド出身の料理人メアリー・マローン。腸チフスが集団発生した際、初めて保菌者と特定された人物だ。メディアはマローンを「腸チフスのメアリー」と呼び、マローンの裁判と強制隔離は世間の注目を集めた。1909年ごろに公開されたこのイラストでは、マローンが頭蓋骨を割ってフライパンに入れている。(CHRONICLE, ALAMY) ジョージ・ソーパーはいわゆる探偵ではなかった。彼は土木技師だったが、公衆衛生の専門家のような存在になっていた。そのため1906年、米国ニューヨーク州ロングアイランドの家主が腸チフスの発生源の追跡に苦労していたとき、ソーパーに声がかかった。その夏、家主はある銀行家の家族と使用人にロングアイランドの家を貸していた。8月後半までに、この家に暮らす11人のうち6人が腸チフスに感染したのだ。 ソーパーは以前、ニューヨーク州の職員として感染症の調査を行っていた。「『エピデミック・

    元祖スーパースプレッダー「腸チフスのメアリー」が残した教訓