この世界は、複雑なようでいて、単純。 原材料はふたつしかありません。 変わるものと変わらないもの。 人の気持ち、社会の制度、物の価値、目に映る風景、事のよしあし。これらは一瞬のうちにか、長い年月をかけてか、時間の違いはあれど、今の姿が、そのまま永遠に続くことはありません。 世界のほとんどは、こうした「変わるもの」でできています。 ところがごく一部分に「変わらないもの」があります。 「数学」もその一つ。 ピタゴラスやユークリッドが頭を悩ませた問題、見いだした真理、これらは今後何千年の時を経ようと、変わることはありません。 変わりゆく世界の中で、ほんの少しの、変わらないものを見つける——数学者はそのため、出口があるかどうかわからない迷宮に飛び込む探検家なのかもしれません。 そんな数学という迷宮の奥深さを、気軽に楽しめる本を集めてみました。 偏愛的数学 1驚異の数・2魅惑の図