昨年11月に交通事故に遭いライブ活動などを休止し、療養期間中に編集者から勧められ絵本の原作を書き進めていた川本真琴。今回の2冊はその中から選ばれた詩的で音楽的な2編のストーリーを絵本化したもので、川本自身のディレクションのもと、新進イラストレーターの井ノ上豪が絵を担当した。 「とうめいの龍」は日本の地方都市が舞台で、雨宿りをしていた少女が森を抜けたところで自分の願い事を聞く「とうめいの龍」に出会うという切ない物語。「ブリキの姫」は雪深い工業国で自転車の部品を黙々と作らされている少女・エメラルドと、夢の中でエメラルドの心の叫びを聞いた漁港の少女・マミの平行世界が描かれている。