山形県を流れる日本三大急流のひとつ、最上川(もがみがわ)。今回は、その最上川が流れる庄内地域と最上地域の一部から、納豆の話題をお伝えしたい。この地域では昔から納豆の生産が盛んであり、郷土料理としても有名な庄内地域の「塩納豆」、最上地域の「納豆汁」をご紹介させていただこう。 日本有数の米どころ、庄内平野 はじめに庄内地域についての説明から。ご存じの通り、庄内は米どころとして知られる地域。スーパーなどで「庄内米」を目にしたことがあるという人も多いだろう。この地では古くから米作りが盛んだ。最上川を源流とする河川から運ばれた肥沃(ひよく)な土壌によって、すくすくと稲が成長するのだ。 「米と納豆に何の関係が?」とお思いだろうが、まあ先を急がずしばし話を聞いてほしい。まずは“塩納豆”の特産地である酒田市について説明しよう。同市には山形県唯一の重要港湾があり、映画「おくりびと」のロケ地にもなった地。市内