読み書きに障害があるディスレクシアやロービジョン(弱視)の子供たちが読みやすいよう開発された書体の導入が教育現場で進んでいる。奈良県では小中学校や特別支援学校で使われているほか、複数の出版社が2020年度の小学校教科書に採用する予定だ。障害の有無にかかわらず、誰にとっても分かりやすいユニバーサルデザインの書体は学力向上も期待できるという。注目の書体を8年かけて作り上げたタイプ(活字)デザイナーのこだわりや情熱とは――。【牧野宏美/統合デジタル取材センター】
4月発売の2017年春号で休刊となる「考える人」の河野通和編集長と同誌のバックナンバー=東京都新宿区矢来町の新潮社同誌編集室で2017年3月22日、藤原章生撮影 そうか、もう「考える人」はいないのか--。新潮社の季刊誌「考える人」が4月発売の春号を最後に休刊となる。政治経済、論壇と距離を置き、より抽象的なテーマを特集する、「暮しの手帖」の知的おじさん版といった雑誌だ。意識の高い人の部屋にさりげなく置かれていそうな軟らかい思想誌の欠落は、何を意味するのか。【藤原章生】
容疑者から押収したスマートフォンに保存されていた被害者の写真を徳島県警鑑識課が解析した結果、写真を撮影した容疑者の姿が被害者の瞳に映っていることが判明し、重要な証拠となった事件が昨年あった。同課によると、瞳に映った姿が証拠になるケースは大変珍しいという。【松山文音】 「目に人の影のようなものがある。調べてほしい」。現場の捜査員から、鑑識課の浪花孝一写真係長(43)に依頼があった。渡されたデータを表示すると、容疑者が撮影した被害者の顔が映っていた…
情報提供: ブログやSNSの普及で、私たちは以前よりも、他人が撮った写真を見る機会が増えた。食べた物、旅行先の風景、子どもの笑顔、友人とのひととき。たくさんの写真を見ていると、写っているのは特に変わったものではないのに、なんだか素敵だな~と目を引く写真に出会うことがある。まるで雑誌に出てくるような、思わず「いいね!」を押したくなるような一枚。普通の写真とおしゃれな写真、どこが違うのだろうか? 「フォトスタイリング」が持つ力 その答えは『フォトスタイリング 100のルール』(窪田千紘・著/主婦の友社・刊)の中にあった。「フォトスタイリング」とは、光や構図、背景、下地などあらゆる要素を使って、目の前にあるものをいかに魅力的に見せるか、そのための写真の技術のこと。 「真っ白いTシャツでも、その人の着こなしによってセンス良く見えたり、そうでなかったりしますよね」と窪田氏はたとえる。白いTシャツに合
今回ご紹介するのは「納豆のタレでわかめスープ」。乾燥わかめとタレを器に入れたら、お湯を注ぐだけ。あと一品ほしいときにも重宝する簡単スープです。お好みで豆腐や春雨を入れて楽しんでください。納豆のタレはうまみがたっぷりと詰まっていて、それひとつで味が決まるすぐれものなんですよ。みなさん、冷蔵庫にありませんか? 使い切れなかったからと冷蔵庫に入れっぱなしなんてもったいない! ひと工夫するだけでよりおいしい料理が作れるんです。 【材料】(1人分) 納豆のタレ 2袋 乾燥わかめ 適量 白いりごま 小さじ3分の1 青ネギ(小口切り) 小さじ3分の1 ごま油 少々 熱湯 150ミリリットル 【作り方】 (1)器に納豆のタレ、乾燥わかめ、白いりごま、青ネギを入れる。 (2)熱湯を注ぎ、よく混ぜ、お好みでごま油を垂らす。
岡山県庁(岡山市北区)など各地で温かな音色とメロディーで時刻などを知らせてきた「ミュージックサイレン」が、廃止の危機に直面している。一般的なサイレン音が空襲警報を思い起こさせるとして、戦後まもなく開発された装置だが、メーカーが生産を打ち切り定期点検や修理も8月で終える。岡山県の担当者は「住民に溶け込んだ音だけに、一日でも長く動いてほしい」と願っている。【原田悠自】 ヤマハファインテック(浜松市)によると、ミュージックサイレンは日本楽器製造(現ヤマハ)が1950年に製造を始めた。当時の川上嘉市会長が、甲高く単調な一般のサイレン音に対し「音楽的な音色にして心をなごませたい」と、平和を願って提唱したという。 この記事は有料記事です。 残り557文字(全文862文字)
◆『宮沢賢治 中島敦』池澤夏樹・著(河出書房新社/税抜き2900円) 2014年11月、池澤夏樹個人編集により刊行が開始された『日本文学全集』全30巻。当代人気作家による古典の新訳、石牟礼(いしむれ)道子を1巻立てするなど新機軸を打ち出した。今年第2期に突入、折り返し地点まで来た。 『宮沢賢治 中島敦』は、今でも広い読者を持ち、教科書採択率の高い作家の組み合わせ。それ自体目新しさはないが、帯に「東北、南洋、中国など、周縁から文学の核心に迫り、世界と人間の純粋な像を追求した」と、二人の共通性を示した時、なるほどと納得がいった。 「中心」が過剰になる時、山口昌男が言う「周縁」の重要性が明らかになる。ともに明治生まれの賢治と敦は、最初から「周縁」を自覚的に作品に取り込んで、独自の仕事を続けたことが、本書ではっきりわかる。 中島敦「環礁」は、パラオ諸島の濃密な自然描写の向こうに戦争の影がある。今日
3日は憲法記念日。多くの国民が反対した安全保障関連法が成立してから初の記念日だけに、どこか重苦しさが漂う。会いたい人がいた。「現代憲法学の鬼才」と評される石川健治・東京大教授。市民団体「立憲デモクラシーの会」の呼びかけ人の一人である。節目を前に何を思うのか。【江畑佳明】 ドアを開けた途端、懐かしい本のにおいを感じた。東大駒場キャンパス(東京都目黒区)にある「尾高朝雄(ともお)文庫」。尾高氏は元東大教授の法哲学者で、ここは石川さんの研究拠点の一つ。戦前に出版されたドイツ語やフランス語の哲学書や法学書などが、本棚に並ぶ。古典文献から得た幅広い知識を憲法論に生かす研究姿勢に加え、自著への書評で「鋭敏な時代感覚も持ち合わせている」などと高く評価される。 「再び首相の座に就いた安倍晋三氏の政治手法には、日銀、NHKなどを含め、権力から独立してきた組織にお友達を送り込んで、その自律性を奪うなど、『違憲
日本文化の特色の一つである稲作は、どこからどのようにして伝わったのか。言語学者の松本克己さん(金沢大・静岡県立大名誉教授)が、言葉の系統関係を明らかにする比較言語学の方法で、イネとコメの起源と拡散に光を当てた。近著『ことばをめぐる諸問題−言語学・日本語論への招待』(三省堂)に論文を収めている。 イネはインディカとジャポニカの2種がある。インディカはインド発祥で、4000〜5000年前、ドラビダ人が栽培を始めたとみられている。代表的なドラビダ語である南インドのタミル語では、イネはバリまたはアリ、コメはバリシまたはアリシと呼ばれる。 遅れてインドに到来したアーリア人のサンスクリット語でイネ・コメを指すブリーヒは、ドラビダ語からの借用語とみられ、インディカとともに西に伝わり、ギリシャ語のオリザ、イタリア語のリソ、英語のライスなどに形を変えた。 この記事は有料記事です。 残り1139文字(全文15
まつばら・ひとし 1959年東京生まれ。東京大理学部情報科学科卒。86年、同大学院工学系研究科博士課程修了。工学博士。通産省工業技術院電子技術総合研究所(現産業技術総合研究所)を経て2000年からはこだて未来大教授。専門は人工知能、ゲーム情報学。著書に「鉄腕アトムは実現できるか?」など。 囲碁の世界トップ級棋士に圧勝したかと思えば、文学賞に応募した小説が1次審査を通過するなど、人工知能(AI)に関する話題が社会をにぎわせている。その急速な発展ぶりから、「人間に対する脅威」として語られる場面も少なくない。1980年代からAI研究に携わり、人工知能学会会長も務める公立はこだて未来大の松原仁教授(57)は、「AIを開発するのは人間。これまで人間にできなかったことを実現する道具として使えばいい」と語る。【元村有希子/デジタル報道センター】
松原隆一郎・評 『わが記憶、わが記録−堤清二×辻井喬オーラルヒストリー』=御厨貴、橋本寿朗、鷲田清一・編 (中央公論新社・3456円) 心に沁みる、人生振り返り 池袋西武百貨店の最上階にあった西武(のちセゾン)美術館でアメリカの抽象画家ジャスパー・ジョーンズ展を1978年に見たときの感慨には忘れがたいものがある。彩色された矢の的を前にひとり佇(たたず)み、「客のいない前衛的空間を百貨店で開放するとは、なんと素敵な経営者か」と感嘆させられたのだ。 堤清二さんにはのちに声をかけていただくようになったが、最後に指名された仕事には緊張した。2012年、商業雑誌主催の講演およびパネルディスカッションでイオンの岡田卓也名誉会長との同席を引き受けるに当たり、堤さんは「松原が司会するなら」と仰(おっしゃ)ったのだ。時期は最悪。直前に紛糾の末社長更迭で合意して、イオンと森トラストがパルコを買収していた。 こ
羽ばたく学生たちへのメッセージ 『これで駄目なら 若い君たちへ−−卒業式講演集』カート・ヴォネガット/著(飛鳥新社/税抜き1600円) 卒業の春である。新しい人生の扉を叩(たた)く若者たちに、あのカート・ヴォネガットが各地で講演をしていた。『これで駄目なら』(円城塔訳)は、1970年代から2000年代に、シカゴ大学ほかでの、卒業生に贈る講演9編を収録する。 『猫のゆりかご』の作家は、大人になることの真の意味を説いている。「必ず退屈することになるし、孤独を感じる」と、苦い省察もあれば、愛を勝ち取るには「いい服を着て、いつも微笑(ほほえ)んでいること。最新のヒット曲の歌詞を全部覚えるといい」など心が和む。 女子大では「君たちのことが好きだ。誇りに思う。期待している。元気でいてほしい」と感動的に語り出すのだ。そして「本を読むことをやめてはいけない」とも言う。カルチャーヒーローによる、その真摯(し
岡山市内にコーヒー店3店舗を展開する「音茶屋(おんさや)」(本店・北区奉還町2)が、山登りやハイキングなどの際に野外で気軽に本格コーヒーを楽しんでもらおうと、「山珈琲(やまコーヒー)」の販売を始めた。焙煎(ばいせん)したコーヒー豆を樹脂製のメッシュバッグに詰め、抽出の時間短縮を図ったのが特徴で、登山愛好家から注文が相次ぐなど好評だ。【原田悠自】 音茶屋社長の東宏明さん(37)が、近年のアウトドアブームを受けて考案し、昨年12月に販売を開始した。コーヒー豆はコスタリカやグアテマラなど世界5カ国で栽培され、いずれもブレンドしていない高品質なものを県内の工場で焙煎し、すぐにコーヒーバッグに詰め込む。 この記事は有料記事です。 残り333文字(全文634文字)
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く