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ブックマーク / movie.maeda-y.com (14)

  • 超映画批評『[リミット]』98点(100点満点中)

    『[リミット]』98点(100点満点中) Buried 2010年11月6日シネセゾン渋谷他全国順次公開 2010年/アメリカ/カラー/95分/配給:ギャガ 監督:ロドリゴ・コルテス 脚:クリス・スパーリング 出演:ライアン・レイノルズ ≪年度屈指の傑作スリラー≫ 『[リミット]』が年度屈指の傑作スリラーであることは、もう様々な媒体で話し、書いてきたが、その真の理由はあえてこれまで書かなかった。当サイトの読者のためにわざわざとっておいた……というのは建前で、文字数&時間制限があるよそ様の媒体では紙面が足りずそこまで語れなかったというのが真相である。何もそんな事までばらす必要はないのだが、つい言わずにはいられない映画界一の善人で正直者の私である。 男(ライアン・レイノルズ)が目覚めるとそこは棺桶の中。ふたの隙間からは土がこぼれてくる。どうやら生き埋めにされてしまったようだ。いったいなぜ

  • 超映画批評『アリス・イン・ワンダーランド』30点(100点満点中)

    『アリス・イン・ワンダーランド』30点(100点満点中) ALICE IN WONDERLAND 2010年4月17日(土)公開 2010年/アメリカ/カラー/109分/配給:ウォルト ディズニー スタジオ モーション ピクチャーズ ジャパン 監督:ティム・バートン 出演:ミア・ワシコウスカ ジョニー・デップ ヘレナ・ボナム=カーター アン・ハサウェイ 決して悪い作品ではないが 『アリス・イン・ワンダーランド』は、大ヒットを宿命として生まれてきた。なんといっても240億円をつぎ込んだ年度を代表するディズニーの3D超大作。間違ってもコケるわけにはいかない。 その気迫には他を圧する迫力があり、日でもライバルのはずの「アバター」が早々にDVDを発売。3D上映設備のある劇場は譲りますよとばかりに、直接対決から降りてしまった。主演のジョニー・デップは日の女性にも大人気だから、アメリカ市場での成

  • 超映画批評『ハート・ロッカー』70点(100点満点中)

    『ハート・ロッカー』70点(100点満点中) The Hurt Locker 2010年3月6日、 TOHOシネマズみゆき座、TOHOシネマズ木ヒルズほか全国ロードショー 2008年/アメリカ映画/上映時間:131分/アメリカンビスタ/配給:ブロードメディア・スタジオ 監督:キャスリン・ビグロー 脚:マーク・ボール 出演:ジェレミー・レナー アンソニー・マッキー ブライアン・ジェラティ アカデミー賞受賞も当然の、いまアメリカに一番必要な映画 アカデミー賞はアメリカ映画界の業界人の政治的思惑で決まるものであり、作品の出来は二の次ですよと私は常日頃から言っているが、それを陰謀論だのユダヤのなんとかだのと批判する人がいる。 だが誰かの陰謀と政治的決定とは似てまったく異なるもので、そもそも多数の会員の投票で決めるアカデミー賞に、陰謀だの八百長の余地はない。ただ会員の構成を見れば、そこに「暗黙

  • 超映画批評『アバター』60点(100点満点中)

    アバター』60点(100点満点中) AVATAR 2009年12月23日(水) TOHOシネマズ 日劇、他 全国超拡大ロードショー 2009年/アメリカ/カラー/162分/配給:20世紀フォックス映画 監督:ジェームズ・キャメロン 製作:ジョン・ランドー 音楽:ジェームズ・ホーナー 出演:シガーニー・ウィーバー サム・ワーシントン ゾーイ・サルダナ スティーヴン・ラング ミシェル・ロドリゲス 凄い映画だが、その凄さが伝わることはないだろう 「タイタニック」のジェームズ・キャメロン監督、構想15年の大作「アバター」を見て思うのは、こういう作品を普通の映画館でみてもダメだな、という事だ。 下半身不随の重傷を追った海兵隊員ジェイク(サム・ワーシントン)は、事故死した双子の兄の代わりに惑星パンドラに派遣される。そこで彼は、神経レベルでリンクする人造の肉体「アバター」を操り、パンドラの原住民と交流

    aki77
    aki77 2010/01/08
  • 超映画批評『カイジ 人生逆転ゲーム』80点(100点満点中)

    『カイジ 人生逆転ゲーム』80点(100点満点中) 2009年10月10日公開 全国東宝系ロードショー 2009年/日/カラー/130分/配給:東宝 監督:佐藤東弥 脚:大森美香 出演:藤原竜也 天海祐希 香川照之 「揃いも揃ってクズでござい、ってツラしてやがる!」 福伸行の漫画は、手軽に人生の極意を学べることで、若い人に大人気だ。独特の台詞回しや擬音、個性的な絵柄など、語るに足る要素を多く備えることから、インターネット上でも共通のネタ基盤として確立されている。『カイジ 人生逆転ゲーム』は、その待ちに待った、そして誰もが「無理だろ」と思う実写映画化である。 最底辺の自堕落な生活を送りながらも、認めようとしない典型的なダメ人間カイジ(藤原竜也)。あるとき彼の元に、借金取りがやってくる。覚えのない借金だったが、気軽に保証人の判を押していたためだ。バイト生活のカイジに返せるカネがあるはずも

  • 超映画批評『スラムドッグ$ミリオネア』90点(100点満点中)

    『スラムドッグ$ミリオネア』90点(100点満点中) Slumdog Millionaire 2009年4月18日(土)より、TOHOシネマズシャンテほか全国順次ロードショー 2008年/アメリカ/カラー/120分/字幕翻訳:松浦美奈 配給:ギャガ・コミュニケーションズ 監督:ダニー・ボイル 脚:サイモン・ビューフォイ 作曲:A・R・ラフマーン 出演:デーヴ・パテル、アニル・カプール、マドゥル・ミッタル アカデミー作品賞は、まさにいまの時代にピッタリな一だった 今年のアカデミー賞は、未曾有の大不況&新大統領(しかも黒人)誕生という大ニュースがあったおかげで、例年に増して予想しやすい年であった。とくに作品賞ほか計8部門受賞した『スラムドッグ$ミリオネア』については、私も100%の自信で選ばれるだろうと考えていた。 もっとも私の場合は、作品の出来不出来でこれが命と読んだわけではなく、この

    aki77
    aki77 2009/04/17
  • 超映画批評『ファニーゲーム U.S.A.』1点(100点満点中)

    『ファニーゲーム U.S.A.』1点(100点満点中) FUNNY GAMES US 2008年12月20日(土)より、シネマライズにてロードショー 2007年/アメリカ、イギリス、フランス、オーストリア、ドイツ//111分/PG-12 監督・脚:ミヒャエル・ハネケ 撮影監督:ダリウス・コンジ 出演:ナオミ・ワッツ、ティム・ロス、マイケル・ピット、ブラディ・コーベット 絶対に見てはいけない映画 品のよさげな夫婦と幼い息子がドライブをしている。車内の3人は、クラシック音楽の曲名あてで仲良く遊んでいる。微笑ましいその様子は、しかし激しいパンクロックによって突然中断させられる。そこで映画のタイトルが表れる。 マスコミ向け完成披露試写会でこのオープニングを見て、私は心底ゲンナリとした。またあの『ファニーゲーム』を見なくてはならない。こんな職業に就いていなければ、二度と見ることはなかったであろう作

  • 超映画批評『ブラインドネス』95点(100点満点中)

    『ブラインドネス』95点(100点満点中) BLINDNESS 2008年11月22日、丸の内ピカデリー2他全国松竹・東急系にてロードショー 2007年/カナダ・ブラジル・日/カラー/121分/配給:ギャガ・コミュニケーションズ 監督:フェルナンド・メイレレス 原作:ジョゼ・サラマーゴ 出演:ジュリアン・ムーア、伊勢谷友介、ダニー・グローヴァー、ガエル・ガルシア・ベルナル 全世界が突然失明!? ここ数ヶ月みた映画の中で、私が最も感動したのはこの『ブラインドネス』であった。カンヌ映画祭で、景気付けのオープニング上映のみならず、命コンペ部門にも出品されたというだけのことはある。 街のど真ん中で、日人男性(伊勢谷友介)が運転中の車を急停止させた。彼は、突如として失明してしまったのだ。診断した医師が首をひねる中、世界各地で同様の症状に見舞われる人が続出。この奇病は瞬く間に感染し、政府は患者の

  • 超映画批評『ハッピーフライト』90点(100点満点中)

    『ハッピーフライト』90点(100点満点中) A Happy Flight 2008年11月15日(土)全国東宝系ロードショー 2008年/日/カラー/103分/配給:東宝 監督・脚:矢口史靖 製作:フジテレビジョン、アルタミラピクチャーズ、他 出演:田辺誠一、時任三郎、綾瀬はるか、吹石一恵、岸部一徳 全日空全面協力の、かつてない飛行機映画 『ウォーターボーイズ』(2001)、『スウィングガールズ』(2004)と続けてヒットを飛ばした矢口史靖(やぐちしのぶ)監督は、この最新作では飛行機を飛ばすことになった。取材の過程でマニア級の飛行機好きになった監督としては、前二作とは趣の相当異なる、そして邦画には珍しい「一般ウケするオタク映画」を作り上げた。 ここで来あらすじを紹介するのだが、この映画の場合は必要ない。『ハッピーフライト』は群像劇の形を取っているが、ストーリーを楽しみにいく作品では

  • 超映画批評『櫻の園 -さくらのその-』65点(100点満点中)

    『櫻の園 -さくらのその-』65点(100点満点中) 2008年11月8日(土)より、全国ロードショー 2008年/日/カラー/102分/配給:松竹 監督:中原俊 脚:じんのひろあき 原作:吉田秋生 出演:福田沙紀、寺島咲、杏、はねゆり、大島優子、武井咲 中原俊監督が最高傑作「櫻の園」を自らの手でリメイク 芸能事務所のオスカープロモーションが格的に映画参入するにあたり、幾多の企画から選んだのが中原俊監督『櫻の園』(90年)のセルフリメイクであった。担当者の中にきっとあの作品の熱烈なファンがいたのだろうと思うとちょっとおかしいが、さすがはアイドル育成のプロたち。日の青春映画屈指の傑作に目を付けるとは、さすが侮れない。 東京の音楽学校から、故郷の名門私立女子高・櫻華学園に編入してきた女子高生の桃(福田沙紀)。お嬢様学校らしい、"伝統"という名の束縛に早速嫌気が差した彼女は、今は使われて

  • 超映画批評『ミスト』90点(100点満点中)

    『ミスト』90点(100点満点中) THE MIST 2008年5月10日(土)より、有楽町スバル座ほか全国ロードショー 2007年/アメリカ/125分/配給:ブロードメディア・スタジオ スティーブン・キングの原作を変更、凌駕した大傑作 フランク・ダラボン監督とスティーヴン・キング原作のコンビには、「ショーシャンクの空に」「グリーンマイル」という傑作がある。鬼門とさえ言われるほど難しいキング作品の映画化を、ほとんど唯一成功させているのがこの監督なのだ。だから、ファンに人気の中篇『霧』をフランク・ダラボンが手がけたのはある意味必然。そしてその期待に彼は、三たび完璧にこたえた。映画『ミスト』は、必見の衝撃作である。 メイン州の田舎町。荒れ狂った台風が去った翌朝、物資の買出しに地元のスーパーマーケットに集まった住民らを、今度は視界ゼロの霧が襲う。ちょうど買い物に来ていた主人公デヴィッド(トーマス

    aki77
    aki77 2008/05/10
    『フランク・ダラボン監督とスティーヴン・キング原作のコンビ』
  • 超映画批評『バンテージ・ポイント』95点(100点満点中)

    『バンテージ・ポイント』95点(100点満点中) Vantage Point 2008年3月8日(土)より、サロンパス ルーブル丸の内ほか全国ロードショー 2007年/アメリカ/90分/配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント 凝った構成と完璧な脚政治サスペンス 冒頭、いきなりアメリカ大統領がスペインの大群衆の前で狙撃される。ほぼ同時に大爆発も起こり、集まった人々はパニックに。全力ダッシュで始まり、ペースを落とすことなくそのまま90分間駆け抜ける、大興奮サスペンスアクションの登場だ。 テロ撲滅の国際サミットのため訪れたスペインのサラマンカの広場で、米大統領が何者かに狙撃される。大混乱の中、ベテランシークレットサービス(デニス・クエイド)は居合わせた観光客(フォレスト・ウィッテカー)のビデオカメラやテレビ局の中継車をチェック、そこに驚愕の真実が写っていることに気づき、追跡を開始する

    aki77
    aki77 2008/03/03
  • 超映画批評『ファーストフード・ネイション』80点(100点満点中)

    『ファーストフード・ネイション』80点(100点満点中) Fast Food Nation 2008年2月26日、ユーロスペース他、全国順次ロードショー 2006年/アメリカ、イギリス/108分/配給:トランスフォーマー 宣伝・配給協力:ザジフィルムズ ダイエットに最適な映画 ハンバーガーやフライドポテトが大好きなお子さん、もしくはメタボ気味の旦那様をもつ奥さんは、迷わずこの映画に連れて行くとよい。これを見終わってもまだべたいというならば、それはもはや病気だ。 大手バーガーチェーンのある幹部は、パテから大腸菌が検出された件で、自社の肉加工工場に調査にやってきた。愛想よく案内された工場の様子からは、雑菌が混入する余地はあまりないように思える。だが、周辺で聞き込みを続けるうち、その恐るべき実態が明らかになってくる。 脚も書いているエリック・シュローサーの原作『ファストフードが世界をいつ

  • 超映画批評「2006年の総括」

    『2006年の総括』 はじめに 今年も、お正月のちょいとヒマな時に書く総括の時期がやってきた。私自身の2006年といえば、それまでの年に比べてやや忙しくなり、後半はなかなか試写に出向くことさえできなくなってしまった。 そのため当ページの更新も遅れ気味となってしまったわけだが、2007年はこの点を早く改善し、扱う数、内容とも元通り以上を目指していきたい。そのための具体的な道筋も考え、すでに手は打ってあるので、徐々にサイトの内容に反映されていくだろうと考えている。 インターネットというメディア、とりわけ個人の手によるウェブサイトは、気が付いたら何の前触れもなく閉鎖されていた、なんて事が珍しくない。私も、利用していたウェブサイトが突然無くなり、大きなストレスを感じた事が何度もある。だから、少なくとも自分のところはそんな事の無いよう、責任を持って長期的に運営していこうと思う。 2006年気合の入

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