リアルを描くからダークな作風になる 1月期の連続ドラマの初回がすべて終了した時点で、マイベストを月9の『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』(フジテレビ、月曜午後9時)と書いた。この考えは各作品の放送が中盤に差し掛かった現時点でも変わっていない。 視聴率は10%前後を行ったり来たりで、高水準とは言い難い。だが、質は図抜けて高いと思い続けている。脚本を担当している坂元裕二氏(48)は秀作ばかり書いてきた人だが、この作品は珠玉と言ってもいいだろう。 「作風が暗い」との指摘もあり、それが高視聴率に結びつかない一因とされている。しかし、世知辛い時代を生きる今の若者たちの姿をリアルに描こうとする作品なのだから、作風がダークになるのはやむを得ないだろう。明るく描いたら、嘘になってしまう。 貧困を強いられる若者は増えるばかりだし、若者の間での格差も広がっている。年収1000万円を得ている社会人は