1991年までこの世界に存在していた国がある。「ソビエト連邦」、略称「ソ連」だ。現在ではロシアとなり、社会主義国から、資本主義の国となった。 国が変わるとはどのようなことなのだろうか。そこでソ連時代に出版されたガイドブックを持って、ロシアに行ってみようと思う。今はなき国を歩き、その変化を探そうではないか。
デューン 砂の惑星〔新訳版〕 (上) (ハヤカワ文庫SF) 作者: フランクハーバート,酒井昭伸出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2016/01/22メディア: 文庫この商品を含むブログ (1件) を見る現在SFマガジンで海外SFブックガイドの連載を担当している身としては非常に言いづらいことに、超有名作『デューン 砂の惑星』を読んだことがなかったのだが、今回ハヤカワ文庫補完計画の一環として新訳で蘇り狂喜して読んだのであった。 読む前は作品内容について何も知らなかったが、長年「ローカス」で行われているほぼ12年ごとに行われる読者のオールタイム・ベスト投票で1位を取り続けている事(1975年〜2012年まで不動)などから時代に左右されない傑作なのだろうとの期待はあった。実際1965年刊行でありながら本作は今読んでも古びておらず、今後数十年の時の経過に余裕で耐えられるだろう奥行きと強度を感じ
社会問題、著作権問題などを扱う作家のなかでも、突出して真っ向勝負を挑んでいるのが岡本光博氏だ。一見するとクスリと笑ってしまう作品、例えばアートフェア札幌 2015にもコンテンポラリーアートを取扱うギャラリー「eitoeiko」(エイトエイコ)から出品していた「モレシャン」などがあるが、その作品のコンセプトを知るとなんとも言えない気持ちになる。彼の作品には“際どさ”を越えた、思わず口を噤んでしまいそうな背景があり、観る者へ衝撃を与えることも少なくない。2016年も目が離せない岡本氏に、数年前に話題を呼んだ作品から最新作、プロジェクトまでの話を聞いた。 まずは自己紹介をお願いします。 1968年6月9日京都生まれです。これまでインドやドイツなど色々な国の滞在制作プログラムに参加したり、時には自腹で海外で制作してきました。アーティストとして活動を始めて26年、そしてディレクターも務める京都のギャ
あれから半世紀近くが過ぎ、かの地の「性革命」の旗手たちも年を取った。だが、その情熱は失われてはいない。今もなお、彼らの性の世界には革新が続いている。 「ED治療薬が、スウェーデンの中高年カップルに再び革命を引き起こしました。勃起力の減退で、お互いの愛撫だけに留まっていたセックスが挿入を伴うようになったのです」(スウェーデン人ジャーナリスト) イエテボリ大学に所属するニルス・ベックマン氏が'08年に発表した論文によれば、70代の男女は「現役」で性生活を楽しんでいるという。 ベックマン氏が言う。 「スウェーデンの70代男性は実に66%が積極的な性生活を経験しています。'70年代には47%でしたから、割合は当時より増えているのです。同世代の女性も'70年代には12%だった割合が36%と、3倍近く増加しています。 性生活を楽しんでいるのは、70代だけではありません。90代男性の26・7%、女性の4
監督:足立正生/脚本:足立正生,小野沢稔彦/原作:フランツ・カフカ 配給:太秦/公開:2016年2月27日/上映時間:104分 出演:山本浩司、桜井大造、流山児祥、伊藤弘子、井端珠里 48点 どうしよう。まったくわからない。いや、わけがわからない映画は、けっこう好きなんである。ただ、「わからない」と「わけがわからない」は、別物なのだ。 というのも、本作『断食芸人』は、寺山修司などかつてのアングラ演劇に倣ったような不条理モノなのだが、意外とわけはわかる。例えば、桜井大造が演じる興行師は、安倍政権を揶揄したもので間違いない。都合のいい憶測を断定口調で語り事実を報道している体で自分の主張を熱弁するTVリポーターなど、マスコミ批判も定形通りだ。何より、ただ商店街で座っているだけの断食芸人の周りに様々な思惑の人が集まり、次第にその場が不条理な空間へとなっていくという話の軸もわけがわかりやすく、その設
いま仏教本がアツい! 書店では関連書コーナーが賑わいをみせており、欧米でも盛り上がる「マインドフルネス」への関心もあって、ビジネスパーソン向けの仏教本も刊行されている。 そんな「ブーム」をさらに盛り上げている書き手がいる。現在ミャンマーに暮らしながら、仏教の教理と実践を学んでいる魚川祐司さんだ。 今年の春に上梓した初の著書『仏教思想のゼロポイント』(新潮社)は、高度な内容に踏み込んだ仏教書であるにもかかわらずスマッシュヒット。この若き著述家の登場は「日本仏教界を揺るがす大事件」とまで言われ、新聞各紙も取材する注目ぶりである。 そんな魚川さんの最新作『講義ライブ だから仏教は面白い!』が刊行された。仏教とりわけブッダという人が語ったことの核心を「ニート」「RPGのレベル上げ」「おっぱい」「イケメン」といった、強烈にわかりやすいたとえで語る入門書だ。今回は、とりわけ仏教書には厳しい批評眼を持つ
ペンの上のほうを持って、圧が加わらないように描いているでしょう?ここは特徴ですよね。強弱をつけない感じが。ともすれば漫画って、「確定線」がグイッて入っちゃう。だけど、この模索して、ズズズズッといくやり方で、頭のなかのイメージと(絵を)ずらさない、という何かがある気がする。(浦沢) そうですね。ペン入れの段階でも、画面のなかで、具体的な形を探りながら描く、ということが多い気がします。(五十嵐) 途切れ途切れになっている線を、つなげちゃうと、違うってあるじゃないですか。今、離れているから成立しているのに、案の定つなげたら、「ほら、違うじゃん」ってなって。(浦沢) はい。それはすごくありますね。(五十嵐) 鳥とかを描くときに、羽をパッパッパッてそれこそ、ほとんどつながっていない絵を描くじゃないですか。だからこそ、鳥のバサッていう感じが出る。(浦沢) そうですね。だから、「空気を描いている」イメー
「仕切れ!」。 戸部田誠(てれびのスキマ)著『1989年のテレビっ子』(双葉社)から引用した言葉です。どういう状況で、誰が誰に向けた言葉なのか? 続きを確認します。 レジェンドたちが居並ぶ『いいとも』「グランドフィナーレ」のステージでプロデューサーにカンペでそう指示されたのは、芸人の誰でもなく、SMAPの中居正広だった。 2014年3月31日に放送された「笑っていいとも!グランドフィナーレ」。タモリさんを筆頭に、ダウンタウン、ウッチャンナンチャン、とんねるず、爆笑問題、ナインティナインといったお笑い界のレジェンドが一堂に会した夢の舞台。ここを仕切れるのは中居さんしかいない。テレビの前の視聴者もプロデューサーと同じ気持ちだったのではないでしょうか。少なくとも私はそうでした。 でも『1989年のテレビっ子』を読んで、改めてあの光景について考えていました。こんな重要な役割を任せられるほどの信頼を
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