書評家・冬木糸一が選ぶ、現代の「老い」と「死」を考えるノンフィクション作品5選 公開日 | 2021/06/11 更新日 | 2024/04/26 冬木糸一 普段はSFやノンフィクションについてブログや雑誌で書評を書いている、冬木糸一と申します。 前回は本メディアにて、「『老い』を捉え直すきっかけをくれるSF小説」という題材でSF5作品を紹介させてもらった。それに続く今回は、「現代の老い」がテーマのノンフィクション作品、というテーマをいただいたので、急速に変容しつつある「老い」や「死」について考えるきっかけとなる5冊を紹介していきたい。 現代は一部を除いて、世界的に寿命が延びつつある時代だ。医療技術の発展によって我々はかつては治せなかった病を治し、死を先延ばしにできるようになった。ただ、健康で素晴らしい時間だけが増えるのであれば万々歳だが、誰もがそうした幸せな老後を享受できるわけではない。