映画『二重生活』のロウ・イエ監督(左)、宮台真司氏(右) 社会学者の宮台真司氏(首都大学東京教授)が24日、東京・新宿K's cinemaで初日を迎えた映画『二重生活』のトークイベントに出席し、ロウ・イエ監督と作品における街の描き方や本妻、愛人、そして女子大生たちと交わりを持ちながらも満たされない主人公の心情について熱いトークを展開した。 人間とシンクロする武漢という街が、まるで生き物のように描かれている(宮台氏) 本作は、天安門事件を扱った『天安門、恋人たち』で映画製作・上映禁止処分を受けたロウ監督が、禁止令解除後、5年ぶりに中国で製作した衝撃のメロドラマ・ミステリー。経済発展が著しい武漢市を舞台に、交通事故で死亡した女子大生、彼女と最後に接触した二つの家庭を持つ男、その妻と愛人が織り成す複雑な物語がスキャンダラスに展開する。 宮台真司(以下、宮台):そもそも監督は、なぜ武漢という街をこ