2022年12月23日より、辻村深月によるベストセラー小説を劇場アニメ化した『かがみの孤城』が公開される。 監督を手がけたのは、『映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ! オトナ帝国の逆襲』や『河童のクゥと夏休み』で知られる原恵一。どのように本作に向き合ったのか、どのようにエモーショナルな演出が生まれたのか。そして、優しい視点で作品を見つめていたことがわかる、インタビューをお届けしよう。 ©菊池修 「職人監督」に徹した作品に ーー映画『かがみの孤城』を手がけたきっかけを教えてください。 原恵一(以下、原):今回は完全に依頼された仕事で、『はじまりのみち』でもご一緒した松竹のプロデューサーから、「この原作はアニメで」と要望があったからですね。そこから、今回は「職人監督」「アニメ映画請負人」に徹しようと思いました。 ーー映画の後に原作を読んでみたのですが、原作のエッセンスを見事に抽出してい