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ブックマーク / note.com/thibiki (7)

  • 芥川賞「ハンチバック」それは紙の本への呪詛|竹村響 Hibiki Takemura

    市川沙央さんが「ハンチバック」で芥川賞を取りました。 その上で話題になっているのが受賞時インタビューで出た「重度障害者の受賞は初でしょうが、どうしてそれが2023年にもなって初めてなのか。それをみんなに考えてもらいたい」という市川さんの問いかけ。 ↓ ↓ ↓ ↓ 市川さんの問いかけをそれだけで受け取ればいろんな答えが考えられます。僕もこのニュースを見た時は作品自体未読で、市川さんとその作品についても詳しかったわけではないので「市川さんが頑張ったからじゃないかなあ」なんて呑気に思っていたのですが、インタビューをもうちょっと掘っていくと「読書バリアフリー」という単語があって。 ↓ ↓ ↓ ↓ 一節を抜粋します。 『なかでも、日読書バリアフリー環境の前進のなさに対するいらだちは執筆のいちばんの動機でした。小説も学術書も、障害者の読書が想定されていない(=電子化されていない)ものが多く存在する

    芥川賞「ハンチバック」それは紙の本への呪詛|竹村響 Hibiki Takemura
  • 漫画村はマンガビジネスが上手くいきすぎているからこそ出てきた犯罪者なんだぞ|竹村響 Hibiki Takemura

    あの「漫画村」事件の主犯に実刑判決が出ました。 で、その判決の意味を解説しにABEMAさんの報道番組にゲストでお呼ばれ。EXITのかねちーさんりんたろーさん、柴田阿弥さん、パックンさん、安部敏樹さんの質問にぼくが答えていくスタイルです。 概要はyahooニュースさんがおまとめ↓↓↓ 記事内容でだいたいなのですが、なにせこの番組、出演者さんとの事前の打ち合わせはまったくナシ。みんなそれぞれ台だけ読んできているだけで、その場で思ったことを質問してこっちは答えてという報道ファイトクラブなのでもうちょっと説明したかったな、とかそもそも答え方ミスったとかありました。 なのでちょっと振り返りつつ補足をできればと思います。 まずは出た判決について 「罰金や賠償金が全然少ないんじゃないの?」問題一説には犯人たちが数億円荒稼ぎしたんじゃないかという事件なので、確かに数千万円という賠償金はいかにも少なく見え

    漫画村はマンガビジネスが上手くいきすぎているからこそ出てきた犯罪者なんだぞ|竹村響 Hibiki Takemura
  • 竹書房退職エントリその後|竹村響 Hibiki Takemura

    退職エントリをすごくたくさんの人が読んでくれて、皆さん一様に「面白いけど長い」と。確かにあれは長かった。一生懸命読んでくれてありがとうございます。今回も長いので結論だけ欲しい人は最後の方だけ読んでいってください。ただし前半の方が面白いとは思うけれど。 そのなかで何人かの方が野武士たちの会社だったんだね、と感想をくれました。 そうか先輩たちは野武士だったか、なんて思いだしてみると確かになんだかみんなボロボロの着流しを着てたんじゃないか、そんな気にもなってくる。そんなわけないんだけど。 野武士って在野の野だからどこにも所属してないとか、自由にしてるとか、そんな意味でイメージ。そう捉えると確かに先輩たちはそんな人が多かった。 倉庫でイラッとくるおじさんを殴ってやめてったバイトの先輩は自分の感情に対して自由だった。 部長の見てる前でずーっとPCにデフォルトでついてそうなパズルゲームやってて、さすが

    竹書房退職エントリその後|竹村響 Hibiki Takemura
  • 自由人がいま最高だな、と思うマンガ5作+α|竹村響 Hibiki Takemura

    出版社に所属していたときはあんまり特定の作品について言及したりすることをしていませんでした。ある作品を褒めるっていうことは、また違ったある作品を褒めていないことにもつながるじゃないですか。 でも当然、普段読んでいるマンガでこの作品がめっちゃ好きとか、あるわけです。自分の出版社のしか読んでないわけじゃないんですそりゃ。 せっかく会社辞めたので、この年末、自分的このマンガがすごい、みたいなnoteでも書いてみようかと。 これもまた自由というものですね。 振り返ってみたらいまめっちゃ好きだなこのマンガ、っていうのが5作品ありました。順番ではないです。順不同。 ① リサのべられない卓 黒郷ほとり 小学館さんのサンデーうぇぶりで読めます。ぼくはコミックス派なのでこれに限らず連載は追っかけてないですが。 主人公のリサちゃんは吸血鬼です。この作品の中の吸血鬼は事をしません。栄養補給は人の血のみ。

    自由人がいま最高だな、と思うマンガ5作+α|竹村響 Hibiki Takemura
  • 成田美名子展に教わる逆にマンガ原画は絵じゃないってこと|竹村響 Hibiki Takemura

    ※勘違いをご指摘いただきまして……デビュー40周年ではなくて「エイリアン通り」連載開始40周年でした。謹んでお詫びいたします。見出しにすでに書いてありますね……。ごめんなさい……。 白泉社さんのLaLaでずっと連載されている成田美名子先生がエイリアン通り連載開始40周年!ということで原画展が開催されています。 ので見てきました。なんと写真撮り放題。現代のイベントはこうじゃないとですね。 成田先生の絵がめちゃくちゃ上手なのは直接見れば、いや見ずともわかるくらいなんですが上手すぎると何が起こるのか?っていうのを今日は出版社目線から少し。 エイリアン通りから40周年なのでデビューは1980年より前ということですね。ぼくの生まれる前か……すごい……。 今回の原画展は1980年以降のカラー原稿だけの展示になっていました。上の写真はだからデビュー数年後ということですね。 まあお上手ですというのが失礼に

    成田美名子展に教わる逆にマンガ原画は絵じゃないってこと|竹村響 Hibiki Takemura
  • 竹書房退職エントリ|竹村響 Hibiki Takemura

    2000年、バブルがはじけ切って就職氷河期が始まった頃。 ぼくは大学生をやっていた。 就職協定というものがあって、学生は就職活動するのは4年生、関西では4回生と呼んだけど、になってからね、と言われていたのが突然、ぼくが3回生になった途端、はい今から就職活動です!と叫ばれて、何かその真似ごとみたいなのはしたけれど、そもそも求人は少ないし、その少ない求人の中でたいしてやる気のない学生を採用するような会社はもちろんないし、結果ぼくはスムーズにニートになることに。 しかし、大学卒業直後のニートとは大学時代のゴロゴロした生活から大学を抜いたものでしかなくて、ぼくの大学生活とは漫画麻雀とバンドとバイトと単位でできていたから、バンドもバイトも辞めたぼくは、仕事もないんだからバイトは続けろよとはすごく思うのだけれど上手いことできているのかどうか卒業を控えて家族経営だったバイト先が家族ごと夜逃げして潰

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  • 品切れ重版未定とは品切れじゃないんだよ|竹村響 Hibiki Takemura

    字面で見るとそんなに不思議な言葉ではないと思うんですよ、品切れ重版未定。 全然知らなくても日語的に品切れてて重版する予定もないんだなーと解釈してくれると思うし、それで間違ってはいないです。 でもですね、これが実務的にはそうでもないんです。 だって当は品切れてないんだもん。 あ、最初に自分の立場を説明しておくと、20年前に竹書房っていう中くらいの出版社(だいたい売り上げ的に30〜40位くらいだと思われます)に編集として入って途中で電子書籍黎明期の立ち上げに関わり4年前、急に紙も含めた営業を全部みましょーと思いたってこうだったらいいのになー、というのを無邪気にやってたら今に至ってる感じです。おかげさまで竹書房、苦しい市場のなかでもぼちぼちやれておりますのでそんなに間違っていないかなあ、と。 ので、これは竹書房という出版社で最近営業に関わった素人から見る一面的な見方にすぎません。それは違う、

    品切れ重版未定とは品切れじゃないんだよ|竹村響 Hibiki Takemura
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