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テレビのあり方がいま過渡期を迎えている。ネット中心の生活を送る若者は、スマホでの配信コンテンツに可処分時間を使い、「テレビ離れ」が進行。コンプライアンスに対する意識の高まりで、過激な表現に厳しい目が向けられるようになった。既存のビジネスモデルが通用しなくなった逆境のテレビ業界で、制作者たちはどのような意識で番組を制作し、視聴者と対峙しているのだろうか? 数々の人気バラエティー番組を長年担当してきた放送作家の鈴木おさむと、『Aマッソのがんばれ奥様ッソ!』(テレビ東京)や『テレビ放送開始69年 このテープもってないですか?』(BSテレ東)などの問題作を手がけてきた気鋭のプロデューサー・テレビ東京の大森時生の対談を通して、テレビのいまに迫る。 ―お二人は初対面だそうですが、お互いにどのような印象がありますか? 鈴木:大森くんのようなテレビ業界の若いつくり手の方たちは、ただのバラエティーというより
グータッチでつなぐ友達の輪! ラジオ番組『GRAND MARQUEE』のコーナー「FIST BUMP」は、東京で生きる、東京を楽しむ人たちがリレー形式で登場します。 7月3日は本と漫画をこよなく愛す、サラリーマン漫画家の大石トロンボさんが登場。人生を変えたブックオフとの出会いやサラリーマン漫画家の生活についてお聞きしました。 ブックオフ愛好家のブックオフとの出会い Celeina(MC):まずはプロフィールをご紹介させていただきます。本と漫画をこよなく愛すサラリーマン漫画家として、本にまつわる漫画をTwitterやnoteで発信中です。今年5月9日にはSNSで発表していた作品をまとめた漫画『新古書ファイター真吾』を発売。そしてブックオフを始めとする新古書店の愛好家でございます。 タカノ(MC):大石さん、ブックオフ愛好家っていうキャッチコピーで合ってますか? 大石:はい。Twitterでは
2023年のグラストンベリー・フェスティバルが6月21日~25日に渡って開催された。会場はイギリス南西部サマセット州にあるワーシー牧場。1100エーカー(東京ドーム95個分)もの広大な土地に約21万人の観客が訪れることから世界最大規模の野外フェスとして知られ、アークティック・モンキーズ、ガンズ・アンド・ローゼス、エルトン・ジョンがヘッドライナーを務めた今年は、わずか1時間でチケットが完売した。 フェスの歴史を辿ると、ワーシー牧場の持ち主であるマイケル・イーヴィスと、妻のジーン・イーヴィスが創設者となり1970年に初開催。当初は小規模なフリーコンサートだったが徐々に規模を拡大させ、1999年にジーンが亡くなると娘のエミリー・イーヴィスが共同主催者に。音楽のみならず演劇、ダンス、コメディ、サーカスから映画まで様々なアートが披露され、フジロックのモデルとなったことでも知られている。 そんなグラス
トム・クルーズ、61歳。還暦男が走る! 電車のうえで戦う! 崖からバイクで飛ぶ! 何の話かと言えば、もちろん『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』(2023年)である。あらすじは一応あるが、もうザックリ「世界の危機に凄腕スパイのイーサン・ハント(トム・クルーズ)と仲間たちが立ち向かう!」とだけ理解しておけば大丈夫だろう。これは世界でトムにしか作れないスター映画であり、アクション映画と言うより「トム・クルーズ映画」の新たな快作である。 スター映画とは、主演を務めるスターを観に行く映画である。スターの活躍と魅力が存分に発揮されれば良いのであって、少しくらい物語のつじつまが合わなくても、無茶苦茶な話があっても許される映画……いや、むしろつじつまが合わず、「そうはならんやろ」と観客が冷静に思いつつも、「でも、この人だからなぁ」と許容してしまうのがスター映画だ。 この点を
前作から実に10年以上……あまりにも永い間待ち続けたことで、もはや新作が発売されるという実感がイマイチ湧いていないのが正直な心境だ。 23年前からフロムゲーにソウルを捧げており、『アーマード・コア』シリーズも全作品プレイしてきた筆者だが、この試遊会に臨むときは「ついにACの新作に触れる!」と胸が高鳴る思いと、「はたしてどうなったのだろう?」という不安を同時に感じていた……。 結論から言うと不安は払拭されて、ただただ発売が楽しみで仕方がない!というのが率直な感想である。 かつて“レイヴン”だった者なら感じ取れるACシリーズ特有の匂い、新しくも指に馴染んでくる操作感、そして、同社の『エルデンリング』や『SEKIRO』などにも通ずるアクションゲームとしてのやり応え――強敵と「対話」するタイプのアクションゲームに生まれ変わっていると感じた。 イメージしやすく簡潔に伝えるのであれば、『アーマード・コ
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「女装の男性」に関する事件が最近起きた。直接的に警察が捜査している事件は、被害者としてだが…… いろいろと複雑な情報が流れているので、そこは略しよう。 もうひとつ、通産省(経産省か)でトイレ使用に関する裁判とその判決があった。 トランスジェンダー “女性用トイレの使用制限”違法 最高裁 2023年7月11日 20時35分 経済産業省に勤めるトランスジェンダーの職員が、職場の女性用トイレの使用を制限されているのは不当だとして国を訴えた裁判で、最高裁判所は、トイレの使用制限を認めた国の対応は違法だとする判決を言い渡しました。 性的マイノリティーの人たちの職場環境に関する訴訟で最高裁が判断を示したのは初めてです。 ※記事の後半に判決のポイントや今後の影響についてのQAを掲載しています。 裁判のきっかけと争点は 性同一性障害と診断され、女性として社会生活を送っている経済産業省の50代の職員は、執務
複雑な楽曲構造と圧倒的なポップさを両立する音楽性が広い層から支持を集める長谷川白紙。初となるフジロック出演の準備と並行して、ニューアルバムの制作中であるという。自身の身体が持つ複雑さや撹乱性を、時間の使用によって統合的に示す。非常に興味深い話を伺うことができた。 来たる新作のモードを明かす ―先日のライブ「EPONYM 1A (TOKYO)」(今年5月、Zepp Shinjuku(TOKYO)にて開催)、本当に素晴らしかったです。新曲を多数披露されていましたが、今までの曲と比べてかなりヘヴィなサウンドになっていて、驚く一方で大きな感銘を受けました。制作中のニューアルバムはどんな方向性になっているのでしょうか。 長谷川:まず、言及いただいたように、サウンドの合成法というか、どういうサウンドを自分で鳴らそうかという方法が、『エアにに』(2019年の1stアルバム)の頃からだいぶ変わってきた、と
ジャングル、ダブステップ、グライム……UK音楽を特徴づける要素のひとつにベースがあることはよく知られた話で、そのベースがジャマイカから来ていることも言わずもがなであるが、では、具体的にはそれがどうやってとなると、意外とよくわかっていなかったりするし、レゲエの白人層への拡大に白人労働者階級のスキンヘッズが一役買っている話も、その詳細までは知らなかったりする。 映画『ルードボーイ』と言われれば、多くのパンク・ファンは「おお、ザ・クラッシュの映画ね」と来るのだろうが、今回上映される『ルードボーイ』は、それとは決して無関係ではない別の映画。1960年末にUKで生まれたレゲエ・レーベル〈トロージャン〉の物語であり、同時にジャマイカの音楽がいかにしてUKに伝わり広がったのかという物語である。これ、最高に面白いです。 まず、以下の言葉のなかで3つ以上に反応する人は必見。 スキンヘッズ、モッズ、パンク、2
KEIRIN: 車輪の上のサムライ・ワールド 作者:ジャスティン・マッカリー早川書房Amazonこの『KEIRIN: 車輪の上のサムライ・ワールド』は、英国人記者が語る日本の競輪論である。日本でどのように競輪が生まれ、育ち、危機を乗り越え、そして日本ならではの独特な魅力はどこにあるのか、それを一冊を通して語り尽くしていく。 なぜ英国人記者が日本の競輪を語っているんだと疑問に思うかもしれないが、その理由は簡単で、著者のジャスティン・マッカリーは日本研究で修士号を取得し、読売新聞で編集者や記者として活躍。その後ガーディアンに入社し日本特派員として活動する、日本在住歴が30年にも及び、同時に競輪の熱狂的ファンだからだ。 本書の「はじめに」は2017年に平塚競輪場で行われた日本競輪最高峰のレースKEIRINグランプリの描写からはじまるが、その熱量ある文章は競輪について何も知らない僕の「英国人記者が
市川沙央さんが「ハンチバック」で芥川賞を取りました。 その上で話題になっているのが受賞時インタビューで出た「重度障害者の受賞は初でしょうが、どうしてそれが2023年にもなって初めてなのか。それをみんなに考えてもらいたい」という市川さんの問いかけ。 ↓ ↓ ↓ ↓ 市川さんの問いかけをそれだけで受け取ればいろんな答えが考えられます。僕もこのニュースを見た時は作品自体未読で、市川さんとその作品についても詳しかったわけではないので「市川さんが頑張ったからじゃないかなあ」なんて呑気に思っていたのですが、インタビューをもうちょっと掘っていくと「読書バリアフリー」という単語があって。 ↓ ↓ ↓ ↓ 一節を抜粋します。 『なかでも、日本の読書バリアフリー環境の前進のなさに対するいらだちは執筆のいちばんの動機でした。小説も学術書も、障害者の読書が想定されていない(=電子化されていない)ものが多く存在する
人生100年時代といわれる現代、「何歳からでも新しいステージに踏み出すのは遅くない」という考え方が広がっています。著名人も例外ではなく、ある分野で成功を収めた人が転機を経験し、別のフィールドで奮闘する姿は多くの人に勇気を与え、モチベーションやインスピレーションを与えています。 半田健人さん インタビュー連載 「私の人生が動いた瞬間」 半田健人さんは2001年、ジュノン・スーパーボーイ・コンテストのファイナリストに選ばれ芸能界入り。2003年には平成仮面ライダーシリーズ第4作「仮面ライダー555(ファイズ)」の主人公・乾巧(いぬい たくみ)役に抜てきされ、撮影開始時18歳で史上最年少ライダー(当時)として話題になりました。 番組終了後は昭和歌謡への深い造詣を生かしてタレントとしても活動。現在はアーティスト、俳優として活動の場を広げながら放送20周年記念作品「仮面ライダー555 20th パラ
ボールドを鳴らして 西原梨花 映画監督の鵜海は子供に対して不器用。愛する娘とも上手く会話ができない…。ある日、家に帰るとストップモーションアニメを撮る娘の姿があった──。進んでは、止まって。ゆっくりと育まれる優しい親子の物語。
<原爆開発をテーマにしたこの作品を、被爆国日本は当事者として評価する権利がある> 現在、世界で最も注目されている映画監督の1人、クリストファー・ノーラン監督(『ダークナイト』『インターステラー』)の最新作『オッペンハイマー』がアメリカで公開されました。7月21~23日という、最初の週末の興行収入は8250万ドル(約117億円)と、科学者の伝記映画としては例外的なヒットとなっています。 内容は、アメリカ陸軍による原子爆弾開発計画「マンハッタン・プロジェクト」のリーダーを務めた物理学者ロバート・オッペンハイマーの半生を描くものですが、単に原爆開発のストーリーだけでなく、非常に複雑な構成が取られています。主人公の半生に加えて、後に「赤狩り」の犠牲者として追及を受けた尋問の様子、さらに彼を陥れた黒幕に対する議会の審議という3つの時間軸がモザイクのように散りばめられ、それぞれが緊張感のある対話劇にな
戦時中、少なからぬ人々が、頭上を飛ぶB-29を見て「美しい」という言葉を残していました。人を殺す兵器を見て美しいと感じる、その感覚と深く向き合った『B-29の昭和史』の書評を、大塚英志さんに執筆していただきました。PR誌「ちくま」に掲載したものより少し長い、完全版です。 ぼくは言うまでもなく「おたく」の類だが、ミリタリー方面には疎く、手先が不器用でプラモデルも苦手だ。模型雑誌に一瞬手を出した時があったが、もっぱら海洋堂の綾波レイのガレージキットの情報が目当てで、買って箱ごと観賞用に飾るだけだった。それでもナチスドイツの戦車や飛行機の模型写真に思わず見とれる時があった。思想的にはぼくはベタなサヨクだが、その「思想」に反して、兵器のデザインを「美しい」と思うことがある。ぼくと比較するのはあまりに不遜だが、宮崎駿もその左派的発言とミリタリーマニアぶりの解離はよく知られている。若き日の宮崎がミリタ
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