――『SPUNK‐スパンク!‐』の主人公は、奔放でパワフルな夏菜(かな)と対象的に、もう一人の主人公・冬実はこじらせ気味な文学少女。うじうじしているように見えて、実は結構傲慢(ごうまん)というか…。 新井英樹(以下、新井):無神経だよね(笑)。俺、普段「自分はこれだけデリケートなんだ!」って言ってる人の繊細じゃない部分が見えた瞬間に笑いこらえるのが大変で。自分が繊細でありたい部分以外は結構ひどかったりするのに、それに気づいても見ないようにしてるんだろうなって思う。 ――冬実には、特定のモデルはいるんですか? 新井:いないけど、放課後に男子にペディキュアを塗らせるっていうエピソードはゆみこさんのお店にいた女王様のエピソード。「地方の高校、放課後の教室で塗らせた」って聞いて、俺感動しちゃって。それすごい!って。 『SPUNK‐スパンク!‐』で書きたいエピソードの2本柱のひとつがこれだった。もう