戦後65年だが、在日朝鮮人問題は一向に解決の見通しが立たず、それどころか高校無償化や朝鮮総連施設の減免課税など新しい問題が次から次へと出てくる始末である。既に在日一世の多くは死去し、四世五世も珍しくない世の中になったにも拘らず、問題は山積みなのだ。一方で在日朝鮮人の出自にして、その抜群の才覚で日本経済の重鎮となった人もいる。在日朝鮮人自身の感情的葛藤もあり、なかなか問題は一筋縄ではいかない。 そういった状況である以上、在日朝鮮人に関して何がしかの知識を多く知っておくことは決して悪いことではない。ここでは、日本が誇る文化であるマンガにおいて、在日朝鮮人がどのように描かれてきたかを検証したい。というのも、マンガ研究においてこの方面の研究はまったく疎かにされているためで(大学でマンガ学が講義される時代になんという怠慢!)、本記事が叩き台になってくれればと切に願う次第である。 今回は5作品を紹介す