引用元:版元ドットコム ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 感想 簡単なあらすじ 李徴という主人公は、今でいえばキャリア官僚の地位にいて博学であった。 上下関係に嫌気を感じ、詩人になるために職を自ら棄てた。 しかしとても食べていけず憔悴しきった挙げ句、再び東へ出戻りすることに。 同期は昇進し、李徴は気がだんだんおかしくなりいよいよ発狂。そして姿を消す。 ・・・ 読み終えてすぐにトルストイ『人生論』を想起させた。 無駄なことをしているうちにあっという間に時は過ぎ取り返しがつかなくなる。 仮にこの物語が主人公の余計なプライドに対するアイロニーを示唆するものだとしたら、主人公の「詩作」は無駄だったのかもしれない。結果としては惨敗に終わり、むしろ不幸一直線となってしまったのだから。 要するに文人となり名声や地位を手にし、目の前にいる人間をひれ伏せてやりた