たぶん、世の中、新美南吉作『ごんぎつね』という物語が嫌いだという人は、私に限らず少なくないんじゃないかと思う。もちろん、多数は、その逆で、あの物語が好きだとか、感動したとか、あるんじゃないかとも思う。 どこが嫌いかというと、いろいろ嫌いポイントがある。自分勝手に押し付けるいじけた愛情を自己正当化してしかも悲劇に持ち込むあたりも、うー、たまんなくなく嫌だ。が、それはさておき、今回も、嫌だなあとしばし思っていたことがある。 すごくおばかなことをあえて言うのだが、ごんぎつねなんていないのである。どのようにいないかというと、まずもって二足歩行する狐はいない。 いやいや、僕が読んだあるヴァージョンの挿絵がそうだったというだけで、ごんぎつねがかならずしも二足歩行であるとはかぎらないし、そこは、まあ、どうでもいいや。どうでもいいついでに言うと、ピーターラビットの二足歩行もちょっとどうかと思うぞ。 ってか