新型コロナウイルスの感染が大きく広がる可能性が出てきた今、東京の街を歩くと、場所によってはふだんの人通りがないし、雰囲気も何となく殺伐としている。そして世の中には自粛ムードが広がる。東日本大震災で福島第一原発がメルトダウンした後の東京や、昭和最後の数カ月の街を思い出す。 非常事態が発生すると、そんなふうに周りをけん制する自粛ムードに陥りがちな国民性を私はあまり好ましいとは思わないが、自分の判断で動こうとする人たちや、他人の判断を尊重する人たちもたくさんいる。それなのに、首相による、自粛気味のムードに油を注ぐようなここ2日の要請はどうだろう。 一番の「犠牲者」は子どもである 27日のイベントの自粛要請だけでも驚いた。言われるまでもなく、すでにいろいろなイベントの主催者が自主的に延期や中止を決めている。そこへ昨夜、全国の小中高校に休校まで要請した。 規模が大きすぎるこの事態には、すでに批判の声