2018年10月に発足した第4次安倍政権は、日本が直面する最大の課題として少子高齢化を掲げ、すべての世代が安心できる社会保障制度へと改革を進めていくことを表明した。改革を議論する場として未来投資会議を挙げ、人生100年時代を見据えた、生涯現役社会の実現に向けた雇用制度改革について検討していく意向を明らかにした。2019年2月には、幼児教育・保育の無償化に向けて子ども・子育て支援法改正案を閣議決定、未来を担う子どもたちや子育て世代に大胆に投資する方針を打ち出した。 福祉や教育、子育てに「投資」の意味合いを持たせながら進める考え方は、「社会的投資」と呼ばれる。1990年代半ばからEUやOECDといった国際機関が提唱し始め、その後ヨーロッパ諸国が政策として実践し、近年ではラテン・アメリカや東アジア諸国でも同様の発想にもとづいた政策が展開している。 世界的な政策トレンドとなりつつある「社会的投資」