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ブックマーク / www.ele-king.net (11)

  • interview with Jim O'Rourke | ele-king

    1999年の『ユリイカ』は、80年代末から90年代初頭、ハードコアな作風で頭角をあらわした彼のポップな側面を示したもので、実験性とポップさとの混淆は当時音響とも呼ばれ、往時を偲ぶよすがにいまはなっている。そこから16年、『ユリイカ』を継いだ『インシグニフィカンス』(2001年)から数えても干支がひとまわりしてあまりあるあいだ、ジム・オルークは自身の名義のポップ・アルバムを江湖に問うことはなかった。ブランクを感じさせないのは、彼はプロデュースやコラボレーション、あるいは企画ものの作品に精を出してきたからだろうし、おそらくそこには心境と環境の変化もあった。ひとついえるのは、『シンプル・ソングズ』ほど、「待望の」という冠を戴くアルバムは年内はもう望めないだろうということだ。そしてその形容は過大でも誇大でもないことはこのアルバムを手にとったみなさんはよくわかってらっしゃる。まだの方は、わるいことは

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  • Blur | ele-king

    最近、英国のショービズ界の上流階級化が盛んにメディアで問題視されているが、その中で時折見かける表現が、「むかしはブラーとオアシスが、ミドルクラス VS ワーキングクラスのバトルを繰り広げたこともあったが、今考えるとブラーなんてのは全然ワーキングクラスだったように思える」というものである。ポップ界があまりにポッシュで線が細くなったため、今振り返ればブラーとオアシスは同じ階級のように思えるのだろう。 で、それとは全然関係ないのだけれども、作を聞きながら、あと5年ぐらい経ったらブラーとレディオヘッドは全く同じようなアルバムを作っているんじゃないかと思った。レディオヘッドがだんだんメロウでジャミーなサウンドになり、エレクトロから離れて行く一方で、ブラーはだんだん籠った情報量の多いサウンドになり、ファンキーになっていく。過去四半世紀のUKミュージックの「考えるロックバンド」のツートップである彼らは

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    aliaki
    aliaki 2015/05/11
  • ああ、リンコ、リンコ、リンコ | ele-king

    Home > News > ああ、リンコ、リンコ、リンコ - ──菊地凛子主演(&ブレイディみかこの息子出演)の『ラスト・サマー』がイタリア映画祭で上映へ この映画に関してはコラムで何度か書かせていただいてますが、最近はエロくてグロい音楽活動もなさっておられるという菊地凛子さんと、わたし(注:ブレイディみかこ)の息子がなぜか母子役で共演。などという市井の地べた民の身にとんでもないことが起きてしまった奇跡の作品であり、それが遂に東京開催のイタリア映画祭で上映されることになりました。 で、日の事情を知らないレオという監督さんが、水曜日の午後2時半なんて中途半端な時間に入れられたんだけど誰も来なかったらどうしよう。とビビっておられるので、「4月29日は日のバンク・ホリデーです」と伝えるとちょっと安堵されたようですが、なにしろ若き新人監督のこと、「遠い極東の国でガン無視されたらどうしよう」と不

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  • 第10回:イケピンクとダサピンク、あるいは「ウチ」と「私」 | ele-king

    最近、小学一年生の長女のピンク離れが著しいのです。ハーモニカ、手袋、トレーナー、何を買うにも水色を所望する。保育園時代はあんなにもピンクまみれだったのに。彼女の女友だちの持ち物も、そういえば水色ばかりです。女児のランドセルの色も昔は赤一色でしたが、近頃は水色のランドセルもよく見かけます。 「自転車を買い換えるとしたら、ピンクと水色どっちがいい?」 「ぜったい水色!」 「ピンクと白なら?」 「白!」 「ピンクと茶色なら?」 「……ピンク。つーか茶色はありえないっしょ」 小1女子にとって、もはやピンクとは茶色よりマシ程度の扱いです。日色彩研究所が2009年に小中学生を対象に実施した好きな色アンケートによれば、小2女子のじつに4割以上が「最も好む色」として「水色」を挙げているのに対し、ピンクは14%のみで7位どまり。さらに、小2女子の19%が「最も嫌いな色」としてピンクを挙げているのです。 〈

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  • interview with The Waterboys(Mike Scott) | ele-king

    つくづくノマドな男だ。ウィリアム・バトラー・イェイツの詩に曲をつけた前作『アン・アポイントメント・ウィジ・ミスター・イェイツ(An Appointment With Mr. Yeats)』(2011)を制作するためにアイルランドに2年ほど赴き、そして、そのままアイルランドに落ち着いたのかと思いきや、この新作は一転してアメリカはナッシュヴィルでレコーディング。『フィッシャーマンズ・ブルース(Fisherman's Blues)』(1988年)や『ドリーム・ハーダー(Dream Harder)』(1993年)といった過去の作品を思い出すまでもなく、定期的にアメリカに渡ってきたことが知られているマイク・スコットだが、30年以上のキャリアを重ねてもこの人の辞書には「安定」「定住」という言葉はないようだ。 昨年のフジ・ロック・フェスティバルでのパフォーマンスも記憶に新しいそんなマイク・スコットによる

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  • 第22回:フットボールとソリダリティー | ele-king

    夏休みにうちの息子を初めてフットボール・コースに通わせた。 これはブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオンFCという地域のクラブが運営している小学生向けのコースで、夏休みとかイースター休みとかには必ずやっているのだが、働く親には送り迎えがたいへん不便な時間帯に行われているので、これまでうちの息子は通えなかったのである。 が、今年はどうにか送り迎えの都合がつくことになり、フットボール狂のうちの息子は喜び勇んでコースに行ったのだが、初日からどんよりした顔つきで帰って来た。 「どうしたの」 「ジャパーンはシットだって言われた」 ああ。と思った。グラウンドに彼を送って行ったときに、それはちょっと思ったのである。子供たちのほとんどは、ブライトン・アンド・ホーヴのキットを着ていた。地元クラブ運営のコースなので当前である。少数派として、チェルシーやマンUなどの定番人気クラブのキットを着ている少年たちもいた

    第22回:フットボールとソリダリティー | ele-king
    aliaki
    aliaki 2014/08/27
    「母ちゃんは実用的なことを教えてくれるけど、父ちゃんは人生について話してくれる」 ふ、深い8歳児や
  • 第7回:起業家バービーとドジっ子リカちゃん | ele-king

    70年代生まれの私たちにとって、女子小学生の遊びといえば、リカちゃん人形をはじめとする着せ替え人形が定番でした。しかし現代の女児たちは、着せ替え遊びにあまり関心がなさそうです。長女が4~5歳の頃に夫からリカちゃん人形を買い与えられたとき、高いドレスをねだられないようにあわてて古着をリメイクしてリアルクローズな人形服をこしらえ、今後のリクエストに応えるべく裁縫材料を購入したものです。しかし彼女がリカちゃんで遊んだのはほんの一時期。落書きされた哀れなリカちゃんは、ビニールケースの中に無造作に突っ込まれたままです。 「もう着せ替え人形では遊ばないの?」 「友だち誰も遊んでないしー。みんな『アイカツ!』とかゲームとかのほうが好きだしー」 たしかに娯楽が山ほどある現代において、服を着せたり脱がせたりするだけの遊びは退屈にちがいありません。というか、自分自身もなんでそんな退屈な作業をしていたのか、よく

    第7回:起業家バービーとドジっ子リカちゃん | ele-king
    aliaki
    aliaki 2014/07/25
    イカす〉職業の選択肢の数が男の子と変わらなかった女の子は、『トイ・ストーリー』のミセス・ポテトヘッドで遊んでいたグループだけ。
  • 第6回:女の子が好きな女の子 | ele-king

    ここ1ヶ月半ほど、「ありの~ままの~すがた見せるのよぉ~」と我が家の6歳児がかしましい。もちろん彼女が歌うのは、大ヒット公開中のディズニー・プリンセス映画『アナと雪の女王』の主題歌“レット・イット・ゴー”日語版です。アンタそれ以上ありのままになってどうするんだ……と突っ込んだところで、「何も怖くない。風よ吹け(I don't care. what they're going to say.Let the storm rage on.)」と、こちらがフローズンされそうな勢い。「友だちの話聞いてたらもう一度見に行きたくなった!」と、彼女の『アナ雪』愛は深まるばかりです。彼女の通う小学校ではサビのフレーズをどれだけ大声で歌うか、もしくはヘン声が歌うかを競うのが女の子の間で大流行。ブランコに乗りながら「アロハ~バイバ~イ」とオラフ(雪だるま)のモノマネをしたり(そんなセリフありましたっけ? 母は

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  • St. Vincent | ele-king

    多くの文系女子に「あれはかつてのわたしだ」と言わせてみせた『ゴーストワールド』(テリー・ツワイゴフ、01 )のイーニド少女、あれから10年以上経つけれども、彼女はバスに乗ってどこに行ったのだろう? 退屈なアメリカ田舎町で、その聡明さと傲慢さゆえに自意識と孤独をくすぶらせていた彼女は、自分を開放することができたのだろうか。僕はあの映画を観たとき、あの痛ましさにうろたえながらも、しかし彼女の未来は明るいのだろうと根拠もなく予感したのだった。それは、孤独に育った少女はその個性を発揮することがかならず叶うのだと、僕が信じたかったからなのだろう。彼女はアンダーグラウンドのアーティストになっただろうか、もしかすると作家に、デザイナーに……? あるいは、セイント・ヴィンセントに。 アニー・クラークがセイント・ヴィンセントを名乗った時点で、それまでの自分の内面の問題を異化し、そのことによってその彼女自身

    St. Vincent | ele-king
    aliaki
    aliaki 2014/03/31
  • 第12回:インディオのグァテマラ | ele-king

    ロック。という音楽は、米国で白人に奴隷として使われていた黒人たちが夜な夜な歌い踊っていた音楽と、ジャガイモ飢饉で大挙して米国に渡り、やはり白人階級の中では最下級の存在として労働していたアイルランド人が歌い踊っていた音楽が、19世紀後半に何かの拍子で出遭い、混ざり合って出来た音楽だという説がある。 つまり、この説でいえば、ロックとは、虐げられた黒人と白人の音楽が混合して出来上がった下層のハイブリッド・ミュージックだったわけである。 この説に並々ならぬロマンを感じていたのがセックス・ピストルズのマネージャーだった故マルコム・マクラレンだ。彼は、この説を叩き台にした映画を撮る企画を熱っぽく英紙に語ったことがあった(米国で異人種の音楽が出遭うきっかけを作るのが何故かオスカー・ワイルド。という、いかにも彼らしい設定だったらしい)が、結局はその夢を果たせないまま他界した。 この野望を語るマルコムのイン

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  • interview with Savages | ele-king

    目を覚ましたとき、男の顔が見えた 誰だかしらないけど、その人には目がなかった 彼の存在は心地の悪いものだった 彼の存在は、なんだか心地が悪かった "ハズバンズ" 取材した人に、「どんな話が盛り上がった?」と探りを入れたところ、「とにかくジョイ・ディヴィジョンについて訊いちゃダメ」と言われたが、さきほどgoogleに日語で「サヴェージズ」と入れたら、「ジョイ・ディヴィジョンと比較される」という枕詞がだーーーーーと出てきた。 サヴェージズに関しては、このreviewを読んで下さい。『サイレンス・ユアセルフ』が今年上半期のベストな1枚なのは間違いないし、以下の取材でも話題に出ている"ハズバンズ"は、最高のパンク・ソングの1曲。 この勇ましい熱が日にどこまで伝播するか楽しみだ。答えてくれたのはジェニー・ベス、バンドのヴォーカリストである。 年上の女性が年下の女性を支配しようとしているのよね。そ

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