日銀の黒田東彦総裁は毎日新聞のインタビューで、物価上昇率2%の目標達成に向けて、2023年4月の総裁任期満了後も「もう少し長く金融緩和を続ける必要がある」と語った。しかし、当初2年の想定だった大規模金融緩和(異次元緩和)は9年弱に及び、副作用も指摘される。緩和をどう手じまいするのかという「出口戦略」の議論も「する可能性はない」と断言した黒田氏。多くの課題が残されたまま、任期満了が近づいている。 「前提自体が無理」 「大規模緩和は明らかに物価と経済に好影響を及ぼした」。黒田氏はインタビューで、異次元緩和が物価を0・6~0・7ポイント程度押し上げたとする日銀の分析結果を示し、成果を改めて強調した。 異次元緩和が始まったのは、「アベノミクス」を掲げる安倍晋三首相(当時)の肝いりで黒田氏が就任した直後の13年4月。黒田氏は国債などの大量購入で「常識を超える極めて巨額」のお金を世の中に流せば、2年で