意外かもしれないが、さまざまな文明が始まる前から存在している樹木は珍しくない。ギリシャのクレタ島には、「ヴォーヴェスのオリーブ(olive tree of Vouves)」と呼ばれる、ごつごつと節くれだったオリーブの大木がある。およそ4000年にわたって人類を見守り、戦争が起ころうが、干ばつが襲おうが、アレキサンダー大王の帝国が崩壊しようが、ひたすら実をつけてきた。 イチョウ(学名:Ginkgo biloba)は、「生きた化石」とも呼ばれるほど生命力が強く、中国には樹齢1400年とされるイチョウの木もある。日本の広島には、原子爆弾が爆発して焼けこげたが、毎年春になると再び芽吹くイチョウもある。 しかし、米国カリフォルニア州には、クレタ島のオリーブやイチョウよりもずっと年老いた樹木が存在している。 カリフォルニア州の山脈ホワイトマウンテンズの標高約3000mという高地には、何千年ものあいだ風
