己の良心に従って新興宗教のセールスを断ったら心が死んだ。自分で思った以上に深刻なダメージで、完全回復できていない。先日、大きな台風がやってくる直前の午前中、某新興宗教のセールスが我が家へやってきて、僕が対応した。女性の二人組だ。おばはんと若い女性。もしかしたら親子だったかもしれない。彼女たちは簡単な自己紹介をすると、タンクトップから腋毛をのぞかせているふざけた恰好の僕を相手に、真顔のまま、チラシを見せて、あれこれセールストークをはじめたが、お二人の幸薄いオーラがすべてを無にしていた。そんな負の空気をまとっているグループにどんな物好きがすすんで入ろうというのか。ひととおり話を聞いた後で、申し訳ないけど、つってお断りをした。友好的なムードであった。誰かハマる人がいるといいねって笑いながらリビングに戻ってくると、妻は「キミは何をしているのですか。バッサリと話を斬ってしまいなさい。私はいつもそうし