2013年10月01日14:46 カテゴリ本 神の秩序としての「法の支配」 事故も起こしてない発電所が約50基も止まっているのは、世界にも類を見ない異常事態だ。しかもその理由が法的な停止命令ではなく「国民の心情」だという説明が国会で通ってしまうのは、明治から150年たっても日本人が「法の支配」を理解していないためだろう。 「法的な手続きより実質的な安全が大事だ」という類の話はナンセンスだ。もし現行法が国益を守っていないのなら、それは法令の改正で是正するのが法治国家のルールである。ところが民主党政権は、原発に関しては閣議決定さえ一度も出さないで「心情」による行政指導で莫大な損害を日本経済に与え、自民党政権もそれを引き継いでいる。 これはやむをえない面もある。本書が詳細に説明するように、西洋においても法による近代的な共和制の思想が生まれたのは16世紀のフィレンツェであり、その生みの親であるマキ
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