社説天声人語Astandなら過去の朝日新聞社説が最大3か月分ご覧になれます。(詳しくはこちら)首相退陣、代表選へ―民主党は一から出直せ 菅首相がきのう、「やるべきことはやった」と述べて正式に退陣を表明した。 歴史的な政権交代から2年。あっという間に2人の首相が行き詰まり、去っていく。これは明らかな失政である。 原因は何なのか。 菅氏が掲げた政策の方向性が間違っていたわけではない。 原発事故のあと、脱原発に踏みだそうとしたのは、菅氏の功績といえる。消費増税を含む税と社会保障の一体改革という不人気な政策づくりに取り組んだことも評価する。 けれど、政治は合意を取りつけなければ前に進まない。菅氏は合意づくりの術がつたなく、時に閣内の根回しさえ怠った。方針を唱えるだけでは、思いつきの政治だと批判されても当然だった。 だが、あえて問う。もっと視野が広く調整能力のある首相なら、長期政権にな