中国湖北省武漢では、封じ込めの成果をアピールする展覧会が開かれ、団体客が政治スローガンの横断幕を掲げて記念撮影していた=2020年12月8日、河津啓介撮影 新型コロナウイルスの感染拡大から1年、中国が空前の情報統制を敷いている。感染対策にも活用される個人情報の監視網が、インターネット上の私的な会話さえ見逃さない。2021年に創立100周年を迎える中国共産党の歴史に、ウイルスや民主主義への「勝利」の物語を記すためだ。【北京・河津啓介】 父の「遺言」胸に闘う武漢の遺族 パンデミック(世界的大流行)の震源地となった中国湖北省武漢市に、再び冬が訪れた。街を流れる長江や無数の湖沼が、湿度を帯びた底冷えする寒さをもたらす。