厚労省の審議会で創設の方向で検討されている大麻の「使用罪」。 委員の一人で、日々、薬物依存症の患者を診ている神奈川県立精神医療センター 依存症診療科・依存症研究室・副院長の小林桜児さんは、当事者に「困り感」を与えて支援につながるためにもサンクション(罰則)は必要だと言う。 しかし、薬物依存で問題を抱えるのは、もともと虐待などを経験し、そのトラウマを薬物で紛らわせようとしている人たち。 「刑罰から回復支援へ」という流れがある中、刑罰は意味をなすのだろうか? 厳しさや傷つけることも必要——前編では逮捕や刑罰で「困り感」を与えることで、回復支援につなげたいという意図を話していただきました。しかし、幼い頃から既に虐待などで傷ついて、自分で生き延びる道を薬に見出して生きてきた人を再び傷つけることにならないですか? なりますけれど仕方ないです。困らなければ、変えられないからです。 彼らは確かに心が傷つ